小説『Believe 1』
作者:Bor Choko()

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「――君と友達になりたい」

「!!」
 千尋に衝撃が走る。
「わ、私なんかと友達になってお前は何を得するんだ?」
 ぎゅっと眉を寄せ、真偽をさぐるように千尋が反論する。それはあまりにも説得力がなかった。
「君とは本当に出来そうな気がするんだよ。よい人生に」
 満面の笑みで清奈は言う。
「だから、教えてくれないかな?君が友達を作れない……作らない理由」
 そこで千尋は沈黙する。
 清奈はただ沈黙して、千尋の言葉を待っている。
「はあ……」
 千尋が息を吐いた。
「まあ……いいか」
 諦めた声を出す。
「たいしたことない、呆れるような話だぞ。がっかりすんなよ。お前から言えって言ってきたんだからな」
「もちろんだよ」
 少女は語る。偽物を演じ、本物を知らない少女のために。本物をよく知った、いや、知りすぎた少女は語る。

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