小説『混沌の魔術師と天空の巫女』
作者:白鋼()

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                第1章 ニルバァーナ

                ニルバァーナを止めよ!





「ギルドは・・・やらせない!!!!!!!!」

俺の言葉と同時に、ニルヴァーナの発射砲らしき場所から巨大な光線が放たれた。

「光なら・・・食えるぜ!!!!!」

俺は巨大な光線を握り、一気に飲みこむかのように食べ始める。

「うががががががががががっ!!!!!!!!!」

かなりの量だが・・・なんとかなる!!!

「うががががががががががががががっ!!!!!!!!!!!」

シュン・・・

巨大な光線は無くなった。

「はぁ・・・はぁ・・・光を少し、食い過ぎっ!?」

何だ・・・これは・・・

「ぐああああああああああああっ!!!!!!!!!!」

まさか・・・ニルヴァーナの・・・能力、善を悪に変える・・・!
ヤバいなぁ・・・こんな量をまた食べたら・・・身体がヤバいぜ・・・。

「ぐああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!」

殺す・・・殺す・・・いや、落ち着け、俺!!
誰を殺す気・・・誰でも・・・違う・・・違わない・・・。

俺の心の中は善と悪が押したり押し返したりの繰り返しをしているが、
悪の方がまだ強い・・・そろそろ限界になりそうでもある。



このままじゃあ・・・俺は・・・!































「光が・・・消えた・・・?」

「ま、まさかコージ、あいつ発射したニルヴァーナの光線を食べたんじゃあ!!?」

「そうか、コージは光の滅竜魔導士(ドラゴンスレーヤー)だかね!」

「待て!それが本当ならそれはまずいぞ!!!」

「へ、何で?」

「発射されたあの光は人の心を変える!彼が食べたら、彼の心は闇に落ちる!!」

「そんな・・・!?」

1番ショックを受けたのはウェンディだった。

「いやだよ・・・お兄ちゃん!!お兄ちゃーーーーーーーーーーん!!!!!!!!」








































ウェンディ・・・!

「ぐううううううううううっ!!!!!!」

俺は抑える、耐える、心の闇を・・・!
ウェンディ達とナツさん達、そしてジェラールと共に、やる事をやらないと・・・!!

「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!」

苦しみが消えた・・・。

「はぁ・・・はぁ・・・何とかなった・・・。」

「コージ・・・何故・・・?」

マスターが出て来て、俺に言った。

「何故って・・・自分のギルドを救うのに理由なんてない。」

「コージ・・・ワシ等は・・・。」

「関係ないさ・・・どんな理由でも・・・。」

そうさ、関係なんて・・・ないさ。

「おい、避けろ!また来るぞ!!!」

「何っ!?」

ニルヴァーナの発射砲らしき場所から巨大な光線が再び放たれた。

「くそ!ぐっ!?」

まだ・・・苦しみが・・・まずいギルドが・・・と思った次の瞬間・・・



ズドォォォン!!!!



「!?」

音と同時にニルヴァーナが上へ傾き、起動がずれた。

「何だ・・・!?」

上を見る、天馬の形をした飛行船の様な物が見えた。

『聞こえるかい!?誰か・・・無事なら返事をしてくれ!!!!』

頭の中から声が・・・これはヒビキさんの魔法!!

『ヒビキか?』

『エルザさん?ウェンディちゃんも無事なんだね。』

『私も一応無事だぞ。』

『先輩!!よかった!!』

「・・・俺も大丈夫だ。」

『コージ君!!まさか君、最初の攻撃を・・・!!』

「ああ・・・止めたというより、食べたっていた方がいいな・・・。」

『お兄ちゃん!!』

「大丈夫だ、心配するなよ。俺もギルドも無事だ。」

『よかった・・・!』

『しかしどうなっている?クリスティーナは確か撃墜されて・・・』

エルザさんは疑問に思いそう言った。
あの飛行船はクリスティーナていう名前か・・・確かに形的に天馬だしな。

『壊れた翼をリオン君の魔法で補い、
 シェリーさんの人形撃とレンの空気魔法(エアマジック)で浮かしているんだ。
 さっきの一撃はイヴの雪魔法さ。』

『あんた達・・・』

『みんな・・・』

『ありがとう、みんな・・・。』

「ギルドを助けてもらい、ありがとう・・・。」

『コージ君、身体は大丈夫なのかい?
 ニルヴァーナの発射した光を食べたっという事は・・・』

「大丈夫です。もう抑えました。」

『そうか・・・うっ!』

「ヒビキさん!?」

『僕達の魔力はすでに限界だ、もう船からの攻撃はできない・・・。』

クリスティーナを見ると落下していた。

「クリスティーナが!!」

『僕達の事はいい!!最後にこれだけ最後にこれだけ聞いてくれ!!!
 時間がかかったけど、ようやく“古文書(アーカイブ)”の中から見つけたんだ!!!!
 ニルヴァーナを止める方法を!!!!』

『『『『「!!」』』』』

『本当か!?』

『ニルヴァーナの足のようなものが6本あるだろう?
 その足・・・実は大地から魔力を吸うためのパイプのようになっているんだ。
 その魔力供給を制御する魔水晶(ラクリマ)が各足の付け根付近にある。
 そしてもう1つ、集めた魔力を光線にし、発射させる巨大な魔水晶(ラクリマ)がある。』

あの発射した場所に魔水晶(ラクリマ)が・・・!

『その7つを同時に破壊すれば、ニルヴァーナの全機能が停止する。
 1つずつではダメだ!!!他の魔水晶(ラクリマ)が破損部分を修復してしまう。』

「同時に・・・!?」

『どうやって!?』

『僕がタイミングを計ってあげたいだけ、
 もう・・・念話がもちそうにない・・・くう!!』

丁度そのタイミングでクリスティーナが地面に落ちた。

『ヒビキ!!』

『「ヒビキさん!!」』

『君達の頭の中にタイミングをアップロードした。
 君達ならきっとできる!!信じてるよ。』

頭の中に何か浮かんで来た。
ヒビキさんががタイミングをアプロードしてくれたようだ。

『次のニルヴァーナが装填完了する直前だよ。』

『無駄な事を・・・。』

念話がまた切れたのでは、と思ったら、低い男の声が聞こえた。

『この声・・・』

『ブレインって奴だっ!!!』

『僕の念話を“ジャック”したのか!!?』

「何て奴だ!!」

『俺はゼロ。六魔将軍(オラシオンセイス)のマスターだ。』

「マスターまでいたのか・・・!さっきの攻撃もお前か!!」

『誰だか知らねぇが、せっかくのニルヴァーナを打ち消したのはテメェか。
 俺の破壊の邪魔すんじゃねぇ!!!!』

「うっせぇ!!」

『・・・まぁニルヴァーナを打ち消し、
 ブレインと同じ“古文書(アーカイブ)”を使える奴がいる事をほめて特別に教えてやろう。
 手始めにテメェらの仲間3人を破壊した。 滅竜魔導師に、氷の造形魔導師、精霊魔導、あと猫もか。』

『ナツ君達が・・・!?』

「・・・っ!」

『そんなの嘘よ!』

『でたらめだ!!』

「ありえねー!!!」

『まぁ、どう思おうが勝手だが、テメェらは魔水晶(ラクリマ)を同時に破壊するとか言ったな?』

「それが何だ?」

『俺は6つの魔水晶(ラクリマ)のどれか1つ前にいる!!』

「何っ!?」

『ワハハハハ!!!!俺がいる限り同時に壊す事は不可能だ!!!!』

なんて事だ・・・ん、ちょっと待て・・・?

「6つの内1つ・・・待て、もう1つ魔水晶(ラクリマ)はあるはずだ?
 7つじゃねーのか?」

『そうだな、もう1つの巨大な魔水晶(ラクリマ)には、別の奴がいるって事だ。
 じゃあまた会おうぜ。』

「あ、おい!待って!!」

『ゼロ都の念話が切れた・・・。』

「くそっ!!」

『待って!!7人もいないわ!!!魔水晶(ラクリマ)を壊せる魔導士が7人もいないわ!!』

そういえば・・・ウェンディは破壊の魔法が苦手だからなぁ・・・。

『こっちは2人だ!!』

「2人・・・?そうか、ジェラールか!!」

『ああ。』

「じゃあ俺入れて3人・・・」

『私がいるではないか、縛られているが・・・。』

『一夜さん!!』

「これで4人!!」

『まずい・・・もう・・・僕の魔力が・・・念話が・・・切れ・・・。』

まずいぜそりゃあ!!!

『後3人だ!!誰か返事をしてくれーーーーー!!!!!』

「頼む!!時間が無い!!!」

頼れるのは・・・ナツさん達だけか・・・。

『「ナツさん・・・。」』

『オスネコ・・・。』

『ハッピー・・・。』

『ナツ・・・。』

『僕達の声が・・・』

『聞こえるぞ!!!!』

ナツさん!!!

『聞こえてる・・・。』

『7つの魔水晶(ラクリマ)を・・・同時に・・・壊・・・す・・・。』

『運がいい奴はついでにゼロともう1人の奴を殴れる・・・でしょ?』

『後18分、急がなきゃ・・・ウェンディとシャルル、
 コージにミントのギルドを守るんだ。』

・・・感謝します、皆さん。

『も・・・もうすぐ、念話が・・・切れる・・・頭の中に僕が送った地図がある・・・
 各・・・魔水晶(ラクリマ)に番号を・・・付けた・・・
 全員がバラけるように・・・決めて・・・。』

『1だ!!!』

そう言ったのはナツさんだった。

『2』

『3に行く!!ゼロがいませんように。』

順にグレイさん、ルーシィさんが言う。

『私は4へ行こう!!!ここから1番近い香り(バリファム)が教えている!!!』

『教えているのは地図だ。』

『そんなマジでつっこまなくても・・・。』

『私は5に行く。』

『では俺は・・・!?』

『お前は6だ。』

『他に誰かいんのか?今の誰だ!!』

ジェラールが言おうとしたが、エルザさんはジェラールの口を手でふさぎ、
勝手に言った・・・何故?

そういえばナツさん、ジェラールの事を何か怒っていたな・・・俺も黙っとこう。

「じゃあ俺が1番近い巨大魔水晶(ラクリマ)へ行きます。」

『お兄ちゃん・・・。』

「心配するなって、やられてなるかよ!!帰ってくるって!!」

『うん・・・。』

プツリ

「ん!?おい!!ウェンディ!!!念話が切れたか・・・。
 ヒビキさんも限界だったしな。・・・さて、やってやるか!!!」

俺は(エーラ)を出し、光線が発射された巨大な穴みたいな所へ入って行った。

「ぶっ壊してやるぜ!!!!!!!!!」

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