小説『混沌の魔術師と天空の巫女』
作者:白鋼()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

                第1章 ニルバァーナ

                 ニルバァーナ、崩壊




ニルバァーナが・・・崩れ始めた・・・。

「崩れる!?くそ!!」

俺は混沌を解き、光の滅竜魔法へと変えようとしたが・・・

「ぐぅっ!?」

魔力があんまりない!?戦いで使いすぎてしまったか!!

「これはまずい!っ!!」

俺の上から崩れてきた壁が落ちてきた。

「うわっ!!」

だが、次々とそれは襲い掛かる様にきてしまう・・・。

「死んでたまるかよ!!」

俺は走っていくしかなかった・・・間に合うかどうか・・・。




































「うおおおっ!!」

こちら、グレイは何とか、脱出に成功した。

「みんな無事か!?」

「ぷはー!」

「あぎゅー!」

ルーシィとハッピーも無事、脱出できた。

「みんな!」

「エルザ!!」

エルザも無事、脱出できていた。

「エルザさ〜ん、無事で良かったー!」

「げーーーーー!!?」

「な・・・なんだその体は!?」

一夜の筋肉モリモリの身体に驚く2人。
魔水晶(ラクリマ)を破壊する為、力のパルファムを使ったらしい・・・。

さらに、近くにはウェンディ、シャルル、ミント、そしてジュラもいた。
偶然にも、ジュラがウェンディ達を見つけて、ニルバァーナから脱出したそうです。

「ナツさんは!?」

「見当たらんな・・・。」

「ジェラールやお兄ちゃんもいない!!」

「ナツ・・・。」

「あのクソ炎、何してやがんだ!!」

「ナツさーん!お兄ちゃーーーーん!!」

「(ナツ・・・ジェラール・・・何をしている・・・。)」

すると突如、足元が急に盛り上がった。

「んあ?」

「「「ああっ!?」」」

「愛は仲間を救う・・・デスネ。」

「んあ?」

現れたのは、六魔将軍(オラシオンセイス)の1人、ホットアイが、ナツとジェラールを抱えていた。

「ナツさん!ジェラール!!」

六魔将軍(オラシオンセイス)が何で!!?」

シャルルは驚いていた。

「色々とあってな・・・大丈夫、味方だ。」

ジュラがそう言う。

「おお、ウェンディ。ニルヴァーナが止まってよかったな!」

「はい!みなさんのお陰です。ありがとうございました!!」

「所で、コージは見なかったの?」

ミントがナツにそう尋ねた。

「コージか?俺は見てねぇぞ。」

「っ。そう、ですか・・・。」

その言葉に、ウェンディはとても不安を感じた。

「お兄・・・ちゃん・・・!」


































「呼んだか・・・?」




































「!!」

振り向くと、そこには傷だらけで、頭から血が出ていたコージの姿が見えた。

「お兄ちゃん!!」

ウェンディは俺に思いっきりに飛びついた。

「お兄ちゃん!お兄ちゃんっ!!」

ウェンディは泣きながらそう言い、俺を放さない様にギュッ、と抱きついている。

「帰って来たのに・・・泣く事はないだろ?」

「だって・・・だって・・・!」

「脱出するのに、ちょっと手間取っちまって・・・。」

魔力が殆どなくって、頑張って走って、
途中で落ちてきた壁などに頭ぶつけたりとで大変だったぜ。

「もう・・・大丈夫だから。俺も、俺達のギルドも・・・。」

「うん・・・お帰り・・・。」

「ああ、ただいま・・・。」



































ニルバァーナから、離れた所で・・・

「全員無事で何よりだね。」

「みんな・・・本当によくやった。」

「これにて、作戦終了ですな。」

「・・・で、あれは誰なんだ?」

「?」

グレイさんはジェラールを見てそう言い、
気になったルーシィさんもジェラールを見た。

「天馬のホストか?」

「あんな人、いたっけ?」

2人はジェラールの姿を知らない様だな。

「ジェラールだ。」

何の事もなく、エルザさんはそう言った。

「何!!?」

「あの人が!!?」

「・・・・・・。」

グレイさんとルーシィさんは驚き、
ナツさんはなぜかあまり好きではない顔をしていた。・・・何かがあったのかな?

「だが、私達の知っているジェラールではない。」

「記憶を失っているらしいの。」

「いや・・・そう言われてもよぅ・・・・・・。」

「大丈夫だよ。ジェラールは本当はいい人だから。」

そうだよな・・・性格や臭いが違うとはいえ、ジェラールはいい奴だ。
・・・記憶が失っているのは残念だけどな・・・。

「コージ、頭は大丈夫?」

ミントが俺に声を掛けてきた。

「ああ。」

俺はそう返事を返す。先程、ウェンディが治癒魔法を掛けようとしたが、
俺とシャルルが何とか言って、やめさせて貰った。
さすがに今日、何回治癒魔法を使った事だか、これ以上は危険かもしれないからな。

「あ・・・。」

俺はジェラールの方を向くと、エルザさんと何か話をしていた。

「(・・・大丈夫そうかな。)」

何故だかわからないけど、安心する俺。

「メェーン!?」

突然、青い天馬(ブルーペガサス)の一夜さんが
何かにぶつかったかのように声を出した。

「どうしたんだ、オッサン!!」

「トイレのパルファムをと思ったら、何かにぶつかった〜!」

「何か、地面に文字が・・・。」

「これは・・・」

「「「「「「「「「「「術式!?」」」」」」」」」」」

俺達は驚いた。

「いつの間に!?」

「私たち閉じ込められちゃったの!?」

「誰だコラー!!」

すると、前後から大人数の人が現れた。

「何!?何なの!!?」

「お兄ちゃん・・・。」

ウェンディは俺にしがみついてきた。

「漏れるぅぅぅっ!?」

一夜さん!やめて下さいよ!!

「手荒な事をするつもりはありません。
 しばらくの間、そこを動かないで頂きたいのです。」

「誰なのー!」

「私は新生評議院、第四強行検束部隊隊長、ラハールと申します。」

「新生評議院!?」

そう言えば前に、評議員が何かにあって、一時壊滅状態なったと聞いた様な・・・

「もう発足してたの!?」

ずいぶんと早いですね・・・。

「我々は法と正義を守る為に生まれ変わった。如何なる悪も、決して許さない。」

「オイラ達、何も悪い事してないよっ!!」

「お・・・おう!!」

何故がナツさんが少しビビていた。

「存じております。我々の目的は六魔将軍(オラシオンセイス)の捕縛。
 そこにいるコードネーム『ホットアイ』をこちらに渡してください。」

「!!」

この人を!?ナツさんとジェラールを助けてくれたこの人を!!?
ちなみに、この事はミントとシャルルから聞きました。

「ま・・・待ってくれ!」

「いいのデスネ、ジュラ。」

「リチャード殿・・・。」

ジュラさんは何とか説得しようとしたが、ホットアイ・・・
いや、リチャードさんはジュラさんを止める。

「たとえ善意に目覚めても、過去の悪行は消えませんデス。
 私は一からやり直したい。」

「・・・・・・。」

この人、本当はこんなにも、善人だったんだな・・・。

「ならばワシがかわりに弟を探そう。」

「本当デスか!?」

「うむ。弟の名前を教えてくれ。」

「名前はウォーリー、ウォーリー・ブキャナン」

「ウォーリー?」

リチャードさんが言ったその言葉に反応したエルザさん。
さらに、ナツさんとハッピーが何かを思い出したかのような顔をした。

「その男なら知っている。」

「何と!!?」

「!!!」

驚くジュラさんとリチャードさん。

「私の友だ。今は元気に大陸中を旅している。」

思いがけないところで自分の弟さんの事を知れて、リチャードさんは泣き崩れた。

「これが、光を信じるものだけに与えられた奇跡と言うものデスか・・・!
 ありがとう・・・ありがとう・・・ありがとう・・・!」

この人が、闇ギルドに入ったのは、たった1人の家族である、
自分の弟さんを探し出すためだったのかもしれない。
罪を償って、弟さんに会えればいいですね。

リチャードさんはそのまま評議人に手を引かれながら
暗い護送車の中へと消えていった。

「なんかかわいそうだね・・・。」

「あい。」

「私の同感。」

ミントがそう言った。

「仕方ねえさ。」

1度闇ギルドに入り、悪い事をしてしまったからね。

「も、もういいだろう! 術式を解いてくれ! 漏らすぞ!」

一夜さん、少し空気を読んでください・・・。

「いえ・・・私達の本当の目的は六魔将軍(オラシオンセイス)ごときではありません。」

「へ?」

どういう事だ・・・?

「評議員への潜入・・・破壊、エーテリオンの投下・・・
 もっととんでもない大悪党がそこにいるでしょう。」

ラハールさんが指をさした人物は・・・

「貴様だジェラール!!!来い!!!
 抵抗する場合は抹殺許可もおりている!!!」

「っ!!!」

「そんな・・・!!!」

俺とウェンディは信じられないかのようにそう思った。

「ちょっと待てよ!!」

ナツさんも驚いてそう言う。

「・・・・・・。」

ジェラールは何も言い返さなかった。

「その男は危険だ。2度とこの世界にはなってはいけない。絶対に!!!!」

-15-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




アニメ「FAIRY TAIL」オープニング&エンディングテーマソングスVol.2 【初回限定盤(CD+DVD)】
新品 \3288
中古 \2578
(参考価格:\3800)