小説『混沌の魔術師と天空の巫女』
作者:白鋼()

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                第2章 新たなるギルド
                   
              ウェンディ、始めての大仕事!?




妖精の尻尾(フェアリーテイル)のギルドにて・・・

「う〜ん・・・。」

「中々これってのがないわね。」

「そうだね。」

「お帰り。」

後ろからミラの声が聞こえ、振り向くウェンディとシャルルとミント。

「もう次の仕事探しているの?ウェンディもだいぶ内の仕事に慣れてきたわね。」

「といってもね〜・・・。」

「この町の中でも、簡単な依頼しか、あんたが受け付けないじゃない。」

「ね〜。」

「ちょっと2人とも!!」

「だって、コージはもう結構大きな仕事をしてるんだよ!」

「それはそうだけど・・・。」

「コージの場合は前から仕事をしているから
 もう慣れるのが早かったという理由はあるけどね。」

シャルルがそう言う。

「でも、小さな仕事で経験を重ねることも大事だと思から。」

すると、後ろから仕事から戻って来たナツとグレイが言った。

「でもよ〜。そろそろデッカイ仕事をやってみてもいいんじゃねーか?」

「だな、遠くの町からの依頼とか。」

「私、早く大きな仕事ができるようになって、
 皆さんやお兄ちゃんの役に立ちたいんです!!」

「ふぅ・・・。」

「一緒に私も頑張ろう!」

すると、聞いていた人達が・・・

「みんなの役に立ちたいか・・・。」

「頑張れよ!」

「こういう素直な子を見ていると、応援したくなるね。」

「頑張ります!」

ウェンディは照れながらそう言う。

「でも、お兄ちゃんと役に立ちたいね〜。お兄ちゃん子だね、ウェンディは。」

カナがからかうかのようにそう言う。

「カ、カナさん・・・!!///////」

「ルーシィも、ウェンディをちょっと見習ってよね。」

「私だって、素直でけなげでしょ?」

「はぁ?どこが?」

「全部よ全部!!全身素直で健気の固まりじゃない。」

「素直?健気?ぶぶっ・・・。」

「カァーーーーーーーーーーッ!!!!何よぉーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

ハッピーは(エーラ)を出し、逃げる。そして追うルーシィ。

「でも、留守にしている連中が戻ってきたら驚くだろうな。こんな小さな子がいて・・・。」

「えへへへっ/////」

リーダスの言葉に照れるウェンディ。

「だな、ギルダーツとか。」

「ギルダーツかぁ。」

「相変わらず、音沙汰がねえみてぇだが・・・あの仕事一体何年になる?」

「3年・・・だっけか・・・?」

「ん?」

「心配ねーだろ、俺達ならともかく、あの、ギルダーツだからな。」

「そうそう、別格だからな。」

「・・・・・・。」

全員、そのギルダーツと言う人物の話をする。

「そう言えば、丁度いい仕事があるわよ。
 心を癒してくれる魔導士を探してるんだって。
 報酬はそこそこだけど、ぴったりじゃない?」

ミラはウェンディに依頼の紙を渡す。

「オニバスの町か。」

「どんな依頼だ?」

「え〜っと・・・ありがとうございます?」

「「「!?」」」

いきなりの言葉に固まるナツ、グレイ、ルーシィ。

「いきなり、お礼・・・!?」

「かぁぁぁーーー!思い出したぁ!!何か思い出してきた!!!」

「劇団の役者に逃げられ、舞台の公演は失敗続き、心も体もズタズタです。
 私を元気付けて下さい。ありがとうございます。ラビアン。」

「ぐっ・・・!」

「ラビアンって誰だっけ?」

「シェラザード劇団の団長だぁ!!」

「ほら、前にお芝居やったでしょ?」

「ああっ!!フレデリックとヤンデルカ!!」

どうやら彼らはその劇団の依頼を前にした事があるらしいが・・・。

「ウェンディ、悪い事は言わねえから止めとけ!」

「とん〜でもなく人使い荒いからよぉ・・・。」

「低賃金重労働・・・しかも中々返して貰えなかったのよ〜・・・。」

「うぇ〜、それは酷い・・・。」

ナツ達の話を聞き、ミントがそう言う。

「私も反対よ。なにもそんな仕事じゃなくても・・・悪い予感もするし・・・。」

「シャルルの予感は良く当たるけど・・・。」

「じゃあやめた方が・・・。」

「でも、私で役に立てるなら・・・。」

「あなたは人が良過ぎるのよ。大体、行った事もない町で大きな仕事なんて、
 あなたにはまだ無理よ。せめて、コージが帰ってくるまでは・・・。」

「そんな事ない!私もちゃんと依頼を果たして見せる!!」

「なら、好きにするといいわ!私はついて行かないから・・・。」

「ちょっとちょっとぉ!何であんた達がケンカになるの?」

「シャルル、ウェンディだって早くコージに追いつきたいんだよ。
 むしろ応援するべきだと思うけど・・・。」

「ふん!」

「あう〜私まだ嫌われている・・・。」

「・・・私、このお仕事を引き受けます!」

「ちょっと待って!まさか1人で行くんじゃあ・・・。」

「はい、何事も経験ですから!
 (それに少しでもお兄ちゃんに・・・私だってちゃんとできるんだって、言わせたいもん!)」

「じゃあ私も行くよ!経験として!!」

「待て待てー!」

そう言ったのはマスターだった。

「ウェンディ達もようやくこのギルドのやり方に慣れてきたばかりじゃ。
 いきなりお前らで遠くへやるわけにはいかん!
 前も行ったこのある者・・・そうじゃな〜・・・ハッピー!」

「オイラ!?」

「うん。んっ!それに〜フリード、お前も手があいとったな、ついて行ってやれ。」

「マスターのご支持とあらば・・・。」

「ええ〜!!?」

「「「何でフリード!?」」」

こうして、ウェンディはミントとハッピー、
そしてフリードと共にオニバスの町へ向かう事となった。





















マグノリア駅にて・・・


「オニバス行の列車は、線路の破損事故の為に運休です!
 繰り返します、オニバス行は運休でーす!」

何と、オリバス行の列車が運休となっていたのだった。

「さっそく試練だ。どうするウェンディ?」

フリードがウェンディに尋ねてきた。

「オイラとミント、飛べるからさぁ。一気に空飛んで連れてってあげようか?」

「私達で一気に行けると思うよ?」

ハッピーとミントがそう言うが、ウェンディは・・・

「ううん、今回の仕事は、できるだけ自分の力だけでやり遂げたいの!
 だから・・・オニバスまで、歩いて行こうと思うの!」

「「ええー!?」」

驚く2匹。

「めちゃくちゃ時間がかかるよ!?フリードも止めてよ!」

ハッピーはフリードに説得を頼んだ。

「確かに、その通りだな。」

「ほら、フリードもこう言って・・・」

「俺も歩こう。」

「「ええっ!!??」」

驚く2匹。なんとフリードはウェンディの方に賛成をした。

「この仕事は、ウェンディの意思を尊重する。
 マスターに言われた。それが、云わばルールだ!ルールは、守らねばならん。」

「ありがとうございます、フリードさん!」

「頭固過ぎだね・・・。」

「あい・・・。」

こうしてウェンディ達は、徒歩でオリバスへ向かう事になった。






















山岳地帯にて・・・


「この距離を歩くの〜・・・」

「遠いよお〜・・・。」

「正確に言えば、お前達は歩くのではなく、飛んでいる訳だが?」

「どっちもあんまり変わんないよ!」

「そうだそうだぁ!!」

「言葉は正確に使うべきだ。術式を使う俺には、言葉の大切さが良く解る。」

「そんな話今されても・・・。」

「行きましょ。急がないと日が暮れちゃいます。」

「は〜い・・・。」

とまぁ、こうなっていた・・・それから数分・・・

「すみません、私の為に・・・。」

「仲間の為だ、気にするな。」

「ねえ〜。」

「少し休もうよ〜。」

お疲れのミントとハッピー。

「でも、雨が降りそうだから、急ぎましょう。私、空気の流れが読めるんです。」

「まさか〜、こんなお天気なのに?」

「ううん、ウェンディのそういうのは必ず当たるよ。あ・・・。」

ザアアアアァァァァッ

突如、激しい雨が降って来た。

「何だこの天気!?」

「すごい雨!!」

「早く雨宿りしないと!?」

慌てるウェンディとハッピーとミント。すると・・・

「洞窟があったよ!!」

「あそこで雨宿りだ!!」

ウェンディ達は素早く洞窟の中に入る。

「あれ?フリードは?」

「あれ・・・あ、フリードさ―ん!こっちですーーー!!!」

「ああ・・・良かった、やはり手を貸さなくて正解だった・・・。」

「ん?何ブツブツ言ってるの?」

「ふっ、解らなくて良い事だ。」

「フリードの頭の中ってどうなってるんだろ・・・。」

「さぁ〜?」

しばらくして、雨が上がったが、もう夕方となっていた・・・。

「雨があがって良かったね。」

「そうだね〜。」

「でも、暗くなるわ・・・今夜は野宿するしかないみたい・・・。」

「寝る場所は、さっきの洞穴で良いとして、問題は食糧だな。」

「食べ物集めぐらい手伝ってよねぇ〜。」

「でないとお腹減って倒れちゃう・・・。」

「案ずるな。俺も、己の成すべき事、成さざるべき事は弁えている男だ。」

「いちいち言い回し固過ぎ・・・。」

「俺に食料の心当たりがある。既に準備も終えている。」

「本当ですか!」

「さすが雷神衆!いざという時は頼りになるね!」

「うん!」

「頼りになる〜。」

フリードは剣を抜き、術式を展開した。

「この術式に入った・・・羽魚は落下する!」

空から大量の羽魚が落ちてきた。

「何で羽魚!?」

「この辺りは、羽魚の回遊ルートだ。
 今は卵を産む為、羽魚の群れが登って来る季節なんだ。」

「空飛ぶ魚なんて始めてみたよ〜。」

「これ食べられるんですか?」

「ううん・・・めちゃくちゃまずいんだよ・・・。」

「「えっ!?」」

ハッピーの言葉に驚くウェンディとミント。

「オイラ達、前に酷い目にあったんだから・・・。」

「と思うのが、素人の浅はかさ。大方、焼き魚にでもしたんだろ?
 羽魚の調理には、コツがあるんだ。」

フリードは羽魚を浮かし、何匹かを3枚下ろしにする。

「フリードさんて、お料理がお得意なんですか?」

「それ程でもないが、ラクサスや雷神衆と行動するとなると、たまにな。」

フリードがいつの間にか用意したテーブルに豪華な料理を置いた。

「「「美味しそ〜!」」」

「味も見た目に負けないぞ。さ、遠慮せずに食べてくれ」

「「「いただきま〜す!」」」

パクッ

「ま、まずいぃぃぃっ!!!!」

「やっぱ・・・調理法の問題じゃなかった・・・。」

「羽魚そのものがまずい・・・」

「確かあっちに木の実があったから・・・それを食べましょう・・・。」

「うん・・・。」

「あい・・・。」

「好き嫌いは感心しないな。魔導士は体が資本だと言うのに・・・。」

「何でフリードは平気なの・・・。」

ミントがそう言う。その後、先程見つけた洞窟で夜を過ごし、1日が終わる・・・。






















































翌日の朝、妖精の尻尾(フェアリーテイル)ギルドにて・・・

「何ぃぃぃぃっ!?ウェンディが!!!」

俺がギルドに戻ってくると、ウェンディがフリードさんとハッピーとミントと
一緒にオリバスの町へ仕事をしに行ったのを聞いて驚いた。

「ウェンディが・・・ウェンディが・・・!?
 いや、フリードさんもいるし・・・信頼されている・・・
 ミントとハッピーもついて行ってるからな・・・だが・・・だが・・・だが!!!」

何か心配だぁ!!!!しかも昨日だろ!!!!ああああああああああああっ!!!!!

「少し、落ち着いたら・・・?」

「落ち着けますか!?ああっ!!!俺はどうしたら!!!??
 ああああっ!!!昨日、仕事をもっと早く終わらせるべきだったか!!?
 それとも、あの人に腕試しするのを断ればよかったか!!?
 そうすれば野宿する必要無かったし!!!!!!うわああああああっ!!!!!!」

「混乱してる・・・(汗)」

「これ、コージ。」

「は、はい!何でしょう、マスター!!」

「・・・少し、頼みがあるんじゃが、エルザとルーシィ、
 それとシャルルにナツがいないんじゃ。悪いが探しておいてくれぬか?
 ひょっとしら、ウェンディ達のを追っていたのかもしれん。」

「っ!!わかりましたマスター!!」

「あーそれと、ウェンディの仕事の邪魔するなよ。
 ウェンディにも経験させんとの。」

「はい!!!」

俺は素早くギルドを出た。

「やれやれ、ウェンディの事になると、心配性だのー。」

「でも、教えてくれたんですね、マスター。」

「まぁ、のう。
 じゃあこれでコージもウェンディが少しは仕事ができると思うじゃろ。」

「そうですね。」






































その頃、ウェンディ達は・・・

「山道の次は砂漠かぁ・・・。」

「フリードさん、暑さに強いんですね。」

「こっそり魔法で涼しくしてるんじゃないの?」

「ズル!」

「仲間を差し置いて、自分だけ楽をしようとは思わん。単に鍛え方の問題だ。」

「そうなの?」

「そういうものだ。」

「ああ・・・もうダメ・・・。」

ハッピーはその場で倒れた。

「ハッピー!?待ってて、私が元気にしてあげる!」

ウェンディは治癒魔法をハッピーに掛けようとするが・・・

「君が、魔力を使う事は無い。俺が何とかしてみよう。」

「どうするんですか?」

フリードは近くの岩場にハッピーを置き、術式を張った。

「この術式の中にいる者は、暑さを感じない。」

しかし・・・

「岩が熱くて焦げちゃうよ・・・。」

「術式を設定するには、時間がかかるのだ。」

「というかさぁ・・・。」

「術式から出たら意味無いんじゃ・・・。」

「あい〜・・・。」

結局、歩く事となった。

「暑〜・・・。」

「もう一息だ、我慢しろ」

「あっ!?」

「どうしたの、ウェンディ〜・・・?」

暑いながらも、ウェンディの声に質問するミント。

「・・・嵐が来る!」

「へ・・・?」

「嵐って、砂嵐!?」

「この地方特有の、呪いの砂嵐か!?」

「ええー!?」

「呪い!?」

「どっかに隠れなきゃ!?」

「この砂漠に、隠れる場所など無い!逃げるんだ!」

ウェンディ達は来た道へと戻って行くが・・・

「あれっ!?」

「どうしたのミント?」

「あれって・・・ルーシィがいるよ!」

「えっ!?」

ウェンディもミントの見ている方を見ると、確かにそこにルーシィがいた。

「ルーシィさ〜ん!あれ、シャルルも!?」

「ぷい。」

「まだ怒ってるの〜・・・というか・・・。」

「心配でついて来ちゃったの。そっちは4人共無事みたいね。」

「エルザ!?どうしたのさ!?」

ハッピーと退リードもやって来て、エルザの状態を見て驚く。
なんとエルザさは流砂にはまっていたのだった!!

「それがね・・・」

「まずいな、ここはもうすぐ、呪いの砂嵐に飲み込まれる!」

「ええー!?」

近くに砂嵐がやって来ていた。しかも、何故か顔のある・・・。

「私に構わず、お前達は行け!」

「何言ってんのよ!?」

「不思議ですこの重さ、まるで鉄の塊の様な?」

エルザの後ろにいたバルゴがそう言う。この子はルーシィの星霊の1体である。
ピンク色の髪の毛が特徴である。

「エルザさん、もしかして何か重い物を身に付けてるとか?」

「・・・芝居の道具をずっと握ってる。」

「ええっ!?」

「そりゃ重いでしょ!?」

「芝居の・・・。」

「道具・・・?」

何の事かわからないウェンディとミント。

「しかし、これが無ければ舞台が出来ん!」

「今回の仕事は、舞台の助っ人じゃないから!?」

「うう・・・すまない・・・私の思い出・・・。」

エルザは芝居道具を手放し、流砂から脱出した。

「ああ私の心の拠り所がぁ・・・。」

「後で掘り出せばいいじゃない!!」

「お仕置きですね?」

「そんな事より、砂嵐が来るよ!!」

ミントがそう言う。

「もう逃げる暇が無いわね!?」

「アレに飲み込まれたら、2度と出る事は不可能だ!」

「ええっ!?」

「どうしよう!!」

慌てるメンバー達・・・すると、ウェンディが・・・!

「私が、何とかしてみせます!」

「ウェンディ!?」

「天竜の、咆哮ー!!」

ウェンディは、天竜の咆哮を放ち、砂嵐を追い返そうとした。
すると、砂嵐の顔の部分が、徐々に癒されていき、消滅した。

「呪いの砂嵐が・・・消えた!?」

「やったー!」

「ウェンディ、すごーい!」

「えへへ・・・////」

照れるウェンディ。
































「よかった、何とかなったみたいで・・・。」

俺は(エーラ)を出して、上から様子を見ていた。
危なくなったら、俺が出ようと思ったが、ウェンディが何とかできた様だ。

「ウェンディも、もう大丈夫そうだな・・・。」

かなり心配し過ぎてしまったな・・・反省、反省・・・。





















オニバス、劇場前にて到着できたウェンディ達だったが・・・

「どうも、ありがとうございます。」

そこには、とても元気そうなラビアンがいた。

「あれ?」

「何で元気なの?」

明らかに元気な様子であった。

「役者達と仲直りして、舞台が出来る様になったんです。
 お客も大入り、ありがとうございます!」

「そんな・・・何の為に苦労して辿り着いたのよ〜・・・。」

「折角離瑠が掘り出してくれたのに・・・。」

「もうダメ・・・。」

ルーシィ、エルザ、ハッピーはその場に倒れた。

「うっ!?」

「ん?」

「え?」

フリードが突如、口を押さえていた。

「羽魚を食べ過ぎた所為で・・・今になって、気分が悪くなってきた・・・。」

「「ええっ!?」」

「うっ・・・立ってられない・・・。」

フリードもその場に倒れた。

「わわわわわ・・・!?」

「ちょっと!!?」

「お〜い・・・。」

「ナツさん!?」

フラフラ歩くナツ。ナツは列車に乗り、
マグノリアとオニバスを何回も行ったり来たりしていた。

「あ・・・やっと線路が直って・・・辿り着いたんだ・・・
 でも・・・ずっとマグノリアとオニバスを行ったり来たりして・・・もう・・・。」

ナツもその場に倒れた。

「ちっ!」

「「態度変わった!?」」

突如、ラビアンがすごく不機嫌になった。?

「こんな場所で寝られちゃ営業妨害だ!君と猫!!」

「「はいっ!?」」

「こいつ等を全部片付けてくれ!大仕事だが、報酬はちゃんと払う!!」

「「ふえ〜!?」」

すごく嫌な顔でそう言うラビアン。


























「これは・・・手伝った方が良いのか・・・?」

上から様子を見ていた俺は少し戸惑ってしまった。






















夕方・・・

「あーあぁ・・・これが初めての大仕事だなんて・・・。」

「いいんじゃない。みんなあなたの事を心配してたけど、
 むしろあなたがみんなの役に立ってるわ。これも仕事よ。胸を張っていいと思うわ。」

「そうかな・・・?」

「そうだよ。お前はみんなの役に立ってるさ。」

俺はウェンディにそう言って、目の前に現れる。

「お兄ちゃん!?どうしてここに!!?」

「マスターの命令でエルザさん達を探してたんだ。
 ミラさんがウェンディとミントがハッピーとフリードさんと一緒に
 仕事に行ったって聞いたから・・・。」

「そ、そうなんだ・・・。」

「ああ・・・ウェンディ、大仕事はどうだった?」

「え?」

「お前の初めての大仕事はどうだったかを聞いてんだ。」

「・・・大変だったけど、私、みんなの役に立てたかも。」

「そうか・・・。お前がそろそろ大仕事を始めるとは思っていたが、
 こんなに早かったとは意外だったぜ。・・・よく頑張ったな。」

俺はウェンディの頭を優しく撫でる。

「(お兄ちゃんに撫でられると、とてもいい気持ち・・・!)」

「今度は俺と一緒に大仕事しようぜ!みんなの役にもっと立つように。
 もちろん、シャルルとミントもだぜ。」

「うん!私、頑張る!!」

「私も、私もー!!」

「仕方ないわね。でも、あんたは信用できるからいいわ。」

「ありがとう。」

「でも、みんなをどうやって連れて帰る?」

「あ・・・う〜ん・・・。」

「ハッピーが起きれば全員は帰れそうだけど?」

「エルザさんの大量の荷物はどうしよう?」

「エルザの荷物は多いからね。」

「う〜ん・・・。」

結局、エルザさんの荷物の上に全員を乗せて、俺がそれを引っ張るしかなかった。

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