小説『混沌の魔術師と天空の巫女』
作者:白鋼()

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                第2章 新たなるギルド
                   
                    告白



ラクッタ山の近くの村にて・・・

「そうでしたか・・・感謝します。これで村も平和になります。」

ナツ達は村へ戻り、村長に全ての事を話した。

「取りあえず、これは依頼料です。」

「感謝する。」

エルザは60万(ジュエル)の入った袋を手にする。

「今日は遅いです。わしの家で休んでください。」

「助かります。」

ルーシィがそう言う。コージはまだ気を失っているからである。

「2階を使ってください。ベットもありますから。」

「すまない。」

エルザがそう言い、ナツはすぐに2階へ行き、コージをベットに寝かせた。





































「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・闇の魔力が・・・もう少ない・・・。」

「もう闇の魔水晶(ラクリマ)も・・・もうないよ・・・。」

「やべぇな・・・ぐぅっ!!」

「コージ!?どうしたの!!?」

「いたぞ!!」

「やばっ!あいつらに見つかったよ!!」

「見つけたぞ小僧!!」

そいつ等は闇ギルドの奴等だった。

「はぁ・・・はぁ・・・ぐううう・・・・!」

「コージ・・・?」

コージの右側の体から色いオーラの様なものが身に纏っていた。

「ギャオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!」























「俺は・・・何をしたんだ・・・。」

そこで俺が見たのは・・・闇ギルドの奴らが全員血まみれで倒れていた。

「俺は・・・俺は・・・うわああああああああっ!!!!!!!!!!」







































「うわあっ!はぁ・・・はぁ・・・夢か・・・。」

どうやら昔、闇の滅竜魔法の魔力が無くなって、
光の滅竜魔法が暴走して、暴走が終わった後のあの夢か・・・。

「思い出したくもない・・・ん?」

良く見ると、ナツさんとグレイさん、ハッピーがそれぞれベットで寝ていた。

「・・・外へ出よう・・・。」

俺は部屋を出て、外へ行った。






がちゃ

「う、んっ?」

コージがドアを閉める音により、ウェンディは目を覚めた。

「ナツさん達の所から音が・・・?」

ウェンディは静かに移動し、ドアを静かに開けた。

「(お兄ちゃん!)」

コージの姿が見え、ウェンディは後を追った。


























「・・・・・・。」

俺は外に出てその辺に座っていた。
今日の記憶が闇の滅竜魔法によっての暴走が起きてしまった以降、何も憶えていなかった。
ただ、もう1つわからない事があった。
暴走する直前、俺は父さんと母さんの姿が見えた・・・
ぼやけていたけど・・・何かを叫んでいたようだった。
でも・・・俺はそれを見ると・・・何故か怒りと恐怖がでる・・・何故だろう・・・。

「俺は・・・またやってしまったのか・・・。」

闇ギルドの時同様、俺は暴走して暴れまわってしまった。
今回はウェンディがいて・・・そのおかげで止まった・・・そんな気がした。

「情けないぜ・・・。」

「お兄ちゃん・・・。」

「っ!」

後ろからウェンディの声が聞えた。振り向くと、ウェンディがいた。

「ウェンディ・・・。」

「もう、大丈夫?」

「・・・ああ。」

ウェンディは俺の隣に座った。

「お兄ちゃん・・・どうして・・・黙っていたの・・・?」

「暴走する事か?」

俺の言葉にウェンディは頷く。

「暴走する自分の姿を・・・想像してみただけでゾッとした・・・
 いつ、誰を殺してしまうのかが恐ろしかった・・・。」

「・・・・・・。」

「ウェンディ・・・すまん・・・こんな俺・・・嫌いだよな・・・?
 しばらく・・・俺の事はどうでもいいと思っても良いから・・・
 ナツさん達とうまくいってくれ。それにナツさんやグレイさんの方が、俺よりいい人だし・・・。」

勝ってかもしれないし、心が痛い・・・でも、ウェンディの為だろ、我慢しないと・・・。

「・・・して。」

「え?」

「どうして、そんな勝手な事を言うの・・・!」

ウェンディは涙を流して、そう言った。

「勝手な事を言わないで!どうして私がお兄ちゃんを嫌いになるの!!」

「ウェン・・・ディ・・・?・・・だってそうだろ?
 俺、暴走した時の記憶は無いけど・・・
 最低な事をしたと思うぞ・・・。嫌いなるのが普通・・・。」

「ならないもん!!」

ウェンディはそう言う。

「どうして1人で抱え込むの!どうして私の気持ちを勝手に決めるの!!!私は・・・私は・・・」








































「異性として・・・お兄ちゃんが好きなの!!!!」




































「・・・っ!!!」

その言葉に俺は驚いた。そしてウェンディは涙を流しながら言った。

「お兄ちゃんが・・・そんな事をいうなんて・・・嫌だよ・・・。
 ずっと・・・ずっと前から・・・好きなで・・・お兄ちゃんしか・・・見てないのに・・・
 そんな事・・・言わないで・・・嫌だよ・・・。」

「ウェンディ・・・。」

「ゴメンね。今度は・・・私って勝手すぎて・・・
 でも、私お兄ちゃんしか・・・お兄ちゃんじゃないと・・・。」

「・・・・・・。」

ガバッ

俺はウェンディを思いっきり抱きしめた。

「お兄ちゃん!?」

「ごめん、ウェンディ・・・。俺、少し言いすぎちまった・・・。」

「お兄ちゃん・・・。」

「それとな・・・この際、ハッキリ言っておくよ。俺は・・・本当は・・・誰よりも・・・」





























「・・・ウェンディ、お前が好きだ。」


























「っ!?」

「お前が俺の事を好意的な感情で思っているのは少しわかってはいたが、
 本当に・・・ここまでだとは思わなかった・・・。
 俺は・・・お前を傷つけたくなかった・・・。
 お前の事で心配で・・・こうする以外、なかった・・・。」

俺はそう言い、抱きしめていたウェンディの顔を見る。

「それに俺は・・怖かったのかもしれない・・・お前との兄妹の関係が崩れるのが・・・。」

「お兄ちゃん・・・そんなの・・・ずるいよ・・・。」

「ああ・・・そうだな・・・ずる過ぎたよ。でも、今わかった事があった。ウェンディ、約束をしよう。」

「約束・・・?」

「ああ。1つは、もう勝手な事をしない。ちゃんと気持ちを理解する事・・・そしてもう1つ・・・」

そして俺はウェンディにこう言った。























「いつか、俺とお前が・・・結婚するって約束を・・・。」























「えっ・・・それって!!!」

「ウェンディ、俺はお前が好きだ!こんな俺だが・・・俺の・・・俺の恋人になってくれ!!!」

















「はい!ふつつかなものですか・・・喜んで・・・!」

ウェンディは礼をし、顔を上げた。

「ありがとう、ウェンディ・・・。」

「お兄ちゃん・・・。」

俺とウェンディの距離はどんどん近くなり、俺達はキスした。

「ん・・・。」

初めてのキス・・・唇はとても柔らかく、甘く感じた。

「嬉しい・・・お兄ちゃん。」

ウェンディは泣いてはいた。でもこれは、嬉し涙である。

「好きだぜ、ウェンディ。」

「私も好きだよ、お兄ちゃん。」

「あ、そうだ。これを渡そう。」

俺はポケットに入っていた。ある物を出した。

「白い翼のペンダント・・・?」

「花見の時にビンゴの景品で貰ったんだ。別名『愛のペンダント』だ。
 好きな人の写真を入れる事で、その人と結ばれ、一生愛し合うと言われているペンダントだ。
 こいつは2つで1つになるんだ。俺はお前の、お前は俺の写真を入れよう。
 もし、それが本当なら、どうする?」

「うん!すごく嬉しいよ!!ありがとう・・・お兄ちゃん。」

「ああ。写真は今は無いけど。つけてやるよ。」

俺はウェンディに白い翼のペンダントを首にかけた。

「ウェンディ・・・愛してる。」

「私もだよ・・・お兄ちゃん・・・。」

俺とウェンディはまたキスをした。こうして、俺達は義兄妹以上に、恋人という関係を持った。
そして、今日は綺麗な満月が輝いていた。まるで俺達を歓迎してくれるかの様に・・・。






























翌日・・・

「皆さん、迷惑をかけて、すみませんでした!!」

俺はナツさん達に謝罪をした。暴走したとはいえ、仲間を殴ってしまったので・・・。

「いいってことよ。仕方ねぇ事だろ?」

ナツさんは簡単に許してくれた。

「次も気をつけていく事だ。」

エルザさんが言う。

「はい!」

俺はそう返事をする。

「というか、俺は気になるんだが・・・
 お前が暴走した時に、光を食べて元に戻ったんだけど・・・何でだか分かるか?」

グレイさんが俺に尋ねた。

「一時的でしたが、正気に戻りました。
 暴走はどちらかの魔法不足の原因もありますので、
 補充すれば元に戻ると思ったので、光を食べました。」

「成程。それで案の定、元に戻ったという事ね。」

「ああ、そうなるな。」

シャルルの言葉に俺はそう言った。

「では、帰りもお気をつけてください。」

村長さんがそう言う。

「では、我々はそろそろ行きます。」

エルザさんがそう言う。

「皆さん!本当にありがとうございました!」

ヤッカルさんがそう言い、腕を振った。他の人達も腕を振ってくれました。

「さよ〜なら〜!」

ミントがそう言う。































ラクッタ山の近くの村から少し離れて・・・

「・・・♪」

「・・・////」

俺はご機嫌が良く、ウェンディは照れていたが、手を握っていた。
だって、もうただの義兄妹ではなく、恋人ですから。

「へぇ〜、仲良いね2人とも。」

ミントがそう言う。

「ええっ!それは・・・その・・・///」

ウェンディは顔を真っ赤になっていた。

「まぁ、良い事あったから、ね?」

「う、うん・・・////」

「・・・そう。だってさみんな!」

えっ?みんな・・・?

「やはりそうか・・・朝からいつも以上に中が良かったと思ったが・・・。」

「昨日、何かあったんか?」

エルザさんとグレイさんが言う。

「ひょっとして・・・でゅえきてる〜?」

「そうなのか?」

ハッピーがそう言い、ナツさんが質問してきた。

「お、お兄ちゃ〜ん・・・(汗)」

「・・・まぁ、いずれかは知ると思うよ。まぁ、正直言いましょう。
 今日から、義兄妹兼恋人としての関係になりました。」

正直に言った。

「嘘ぉぉぉぉっ!!!」

「マジで!!?」

「や、やはりそうか・・・よ、よろしくお願いしまう・・・!!」

「何でそうなるんですか、エルザさん・・・。」

自分と被っちゃったよ・・・。

「いいな〜ウェンディ。あたしも早く彼がほし〜い!!!」

ルーシィさんが愚痴を言う。

「・・・・・・。」

「シャルル・・・お前はどうなんだ・・・?」

「何も言わないわ。あんたなら1番大丈夫だからね。ウェンディと仲良くね。」

「ああ、ありがとう。」

それと、ギルドに帰った後、ウェンディは女性の方々に質問攻めされ、
俺の場合は少し憎まれたり、アルザックさんがどうやったのかを聞きに来たという・・・。

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