小説『混沌の魔術師と天空の巫女』
作者:白鋼()

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                  第3章 エドラス編

                    思わぬ再会



「さーーって!早くギルドに帰るか!!」

俺は今日、1人で依頼を終えた。場所が遠いからな。

「早くウェンディに会いたいぜ!」

今はそんな感じです。

「(今度どこかにデートでも誘おうっと・・・!どこにしようかな〜。)」

俺はそんな事を考えていた。だがそんな時だった・・・

「んっ?」

突如、近くの山の空が異常だった。
雲が渦の様になっており、何だか変な感じがする。

「何なんだ・・・一体・・・!?」

すると・・・

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・!

「何っ!?」

突如、渦の中から穴のようなものが現れた。













だが・・・!









ピカァ!!

「!?」

今度は光が放たれ、その穴は消えた。

「な、何なんだ一体・・・っ!?」

近くに人がいた。

「間一髪だった・・・。」

そいつは複数の杖を背負い、マントで身を包んで、
顔は迷彩柄のマスクと布で覆っており、目しか見えない。そんな人だった。

「おい、あんた!」

俺は声をかけた。

「あんたなのか!?今のをやったの!?」

「・・・・・・。」

「おい、ちょっと・・・っ!?」

俺はある事で驚いた。そいつの臭いにだ。知っている臭いだった。

「そんな・・・いや、あいつは・・・もう捕まって・・・!」

「・・・コージ。」

「っ!!!」

この声も!?そ、そんな・・・ま、まさか・・・!!

「まさかここにお前がいるとは思わなかった。」

そいつはそう言い、マスクをはずした。その顔は、俺が誰よりも知っている人物の顔だった。





































「ジェラール・・・!!!」

そう、ニルバァーナで記憶を失い、評議院に連れて行かれたジェラールだった。

「何で!?お前は捕まって!!」

「それは私と別人だ。私は妖精の尻尾(フェアリーテイル)のミストガン。」

「何・・・!?」

俺は驚く。そして・・・こう言った・・・。

「7年前はこの世界の事を知らずにお前にはジェラールっと名乗ってしまった。」

「え・・・。それって、7年前、俺とウェンディと一緒に旅をしたジェラールは・・・お前なのか・・・?」

「そうだ。」

そう答えた。

「・・・・・・。」

俺は軽く殴った。

「何やってたんだよ・・・!何でもっと早く来なかったんだよ・・・!!
 何で俺達に合わなかったんだよ・・・!!!」

俺は涙を流し、そう言った。

「会いに行けなかった上に、約束も守れなくって・・・本当にすまない。」

「バカ野郎・・・!!!」

でも俺は嬉しかった・・・7年前のジェラール、俺の恩人・・・友に、会えた・・・!!

「でもお前、今のは何だったんだ?」

「あれは・・・アニマだ。」

「アニマって・・・お前が言っていた探している?」

「そうだ。」

「・・・教えてくれよジェラール・・・アニマって、何なんだ!?」

俺はジェラールにそう言った。

「アニマとは・・・魔力を吸収する魔法、超亜空間魔法だ。」

「超亜空間魔法・・・?」

「そうだ。」

「一体誰がそんな事を!?」

「・・・エドラスの王だ。」

「エドラス?」

聞いた事もないなぁ・・・。

「エドラスとは・・・このアースランドとは違う、もう1つの世界。
 平行世界(パラレルワールド)と言った方がいいな。」

「な、何だと!?じゃ、じゃあ・・・お前はそのエドラス世界の・・・。」

「そうだ。」

俺は驚くしかなかった。

「でも、何でその王様が?」

「エドラス世界はアースランドとは違い、魔法は有限だ。
 そしてその魔法が今、失い始めている。
 王はそれを防ぐために、6年前にアニマを展開した。
 俺はそれを阻止する為に、このアースランドへやって来たのだ。」

「・・・・・・。」

俺は黙って、ジェラールの話を聞いた。

「すまなかった、話せなくって・・・。」

「・・・なぁ、ジェラール・・・。」

「何だ?」

「俺にも・・・手伝う事は無いのか?」

「っ!?」

「俺達友達だろ?1人じゃあ大変だろ?」

「しかし・・・」

「ウェンディの事は大丈夫だ。シャルルやミント、ナツさん達がいるから。」

「お、おい。」

「いいな!」

「・・・ああ。」

すまん、ジェラール。何だか俺はそうでも言わないと・・・
またお前と会えなくなってしまう気がする・・・。

こうして、俺とジェラールはアニマ探しを始めた。




























数分後にて・・・

「へへ。」

「どうした、コージ?」

俺は(エーラ)を出し、ジェラールを持ち、次のアニマを探しに移動をしていた。

「いや、こうしてお前といると、7年前にお前と出会って旅をした事を思い出してな。」

「そうか。」

7年前、俺はジェラールに救われ、旅をして、ウェンディに出会って、色んな所を見たな・・・。

「・・・コージ。」

「何だ?」

ジェラールが俺に尋ねてきた。

「ギルド内で耳にしたのだが、ウェンディと付き合っているのか?」

「ああ。」

「そうか。よかった。」

ジェラールは笑顔でそう言ってくれた。

「ちゃんとウェンディにも会ってくれよ。
 あいつ2年前に自分の親やジェラールに会えなくって、俺に辛く当った事もあったからな。」

「それはすまなかった。俺はアニマを探すのに大変だったんだ。」

「そうか。」

俺とジェラールはその後、色々と話をした。






























数分後・・・

「コージ!ここからアニマを感じる!!」

「わかった!!」

俺とジェラールはとある村に先程と同じ様に雲が渦を見つけた。

「ふっ!!」

ジェラールはいくつもの杖をその雲の渦の中心、いわゆる、台風の目かな?
そこへ杖を円状になる様に位置を置いた。

「はあぁっ!!」

ピカァ!!

光が放たれ、その雲の渦は消えた。

「これで大丈夫だ。」

「そうか。いつも、こんなにあるのか?」

「いや・・・今回は何故か多い上に大きさも違う・・・まさか・・・。」

「どうしたんだ?」

ジェラールが何かに気づいている様だが・・・どうしたんだ?

「・・・コージ。」

「何だ?」

「こんな事を言うのも何だが・・・エドラスへ行ってくれないか?」

「え?」

ジェラールの言葉に俺は驚く。

「王はもしかしたら、巨大なアニマを使う可能性がある。」

「巨大アニマ!?」

俺はその言葉に驚く。

「多分、その実験を先程からしているのかもしれん。頼む、止めてくれ。」

ジェラールの初めての頼み・・・でも問題がある・・・。

「どうやって、エドラスへ行けばいいんだ?」

そう、エドラスは平行世界。ジェラールはどうやって来たんだ・・・?

「アニマの残痕がある。お前は(エーラ)が使えるんだったな。」

「ああ。」

「アニマの残痕はアニマの近くに必ずある。そこから行ってくれ。それと、これをやる。」

ジェラールは何か小さな丸い飴の様な物を貰った。
青いのが5つ、黄色が3つ、赤っぽいのが1つだった。

「これは?」

「エクスボールだ。もしもの時に作っておいたものだ。
 エドラスへ行けば、魔法は使えなくなる。だがこれを飲めば、エドラスでも魔法が使える。
 青は効き目は1日、黄色は3日、赤は1週間は魔法が使える。」

「ありがとう・・・!」

「それと1つ。」

「?」

「気をつけて行ってくれ、また会おう。」

「・・・わかった!」

「うむ。コージ、あそこにアニマの残痕がある!頼むぞ!!」

「ああ!!」

俺は(エーラ)を出し、その残痕へと向かった。

「行ってやるぜ!エドラス!!!」

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