小説『混沌の魔術師と天空の巫女』
作者:白鋼()

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                  第3章 エドラス編

                     啓示


翌日・・・

「信じらんないっ!!!何よコレーーーーー!!!」

「朝からテンション高ぇーな。」

「どしたの?」

「何事ですか?」

朝から、ルーシィさんの怒鳴り声が聞えた。

「エドラスのあたす逃げちゃったの!!!」

そう言い、ルーシィさんは1枚の紙を出した。

『王都へは東に3日歩けば着く。橋があるから大丈夫だ!
 あたしはギルドに戻るよ。じゃあね、幸運を!』

と、書かれていた。そういえば、エドラスの妖精の尻尾(フェアリーテイル)で
エドラスの俺が地図でシッカとトライアを通る橋があるって言ってた様な・・・。

「手伝ってくれるんじゃなかったのー!?もォーーーーーー!!どーゆー神経してんのかしら!!!」

「ルーシィと同じじゃないの。」

「うるさい!!!!」

エドラスのルーシィさんの事とハッピーの言葉に俺達の知るルーシィさんがさらに怒った。

「しょうがないですよ・・・。」

「あちらは元々戦う気はありませんでしたし。」

「だな。」

「ねー。」

俺の言葉に同意するナツさんとミント。

「あたしは許せない!!!!同じあたしとして許せないの!!!!」

「まぁ、いいじゃねーか。」

「よくないっ!!ムキーッ!!!」

そんなドタバタとした朝であった。その後に俺達はこの町の情報収集をする事とした。




























それから数分後・・・

「♪〜♪〜。」

「うわ・・・もう機嫌直ってる・・・。」

「珍しい本見つけて嬉しいんだろーね。」

「だな。」

ルーシィさんのご機嫌に俺とウェンディ、ハッピーはそう言う。

「あんた達この世界について少しは知ろうと思わない訳?」

「別に。」

「俺の場合、色々あってそういう暇なかったです。」

ルーシィさんの言葉にナツさんはどうでもいいと思っており、
俺は事情があってそういう事に関しては調べなかった。

「歴史書が物語っているわ。この世界っておもしろい!!
 例えばここね、今から100年以上前だけど・・・エクシードっていう一族がいたのね。」

「興味ねえって。」

ゴゴゴゴゴ・・・・!!

「「「「「「「!!!」」」」」」」

「何?」

「ん?」

「あそこ!!」

「あれは!!?」

「飛行船だ!!!」

どうやら飛行船がやってきたようだが・・・

「急げーーーーーー!!」

「すぐに出発するぞー!!」

「っ!!」

「王国軍だわ!!」

「ムッ。」

「隠れて!!」

俺達は近くにあったドラム缶に隠れた。

「あの巨大魔水晶(ラクリマ)の魔力抽出がいよいよ明後日なんだとよー!!」

「ウヒョー!!」

「乗り遅れたら世紀のイベントに間に合わねーぞ!!」

この王国軍の話を聞く限り・・・

「巨大魔水晶(ラクリマ)って・・・」

「マグノリアのみんなをの事だ。」

「そうなるな。」

ウェンディの言葉に俺はそう言う。

「魔力抽出が2日後?歩いて言ったら間に合わないじゃない!!」

「オイ!!みんなはどーなるんだ!!!」

「魔力抽出が始まったら・・・もう・・・二度と元の姿には戻せないわよ・・・。」

「そんな・・・!」

夏の言葉にシャルルはそう言い、ミントは落ち込む。

「・・・あの船奪うか。」

そのナツさんの言葉に俺達は驚く。

「普通『潜入』でしょ。」

「隠れるのヤダし。」

シュルルの言葉にナツさんはそう言う。

「ナツが乗り者を提案するなんて珍しいね。」

「ふふふ・・・ウェンディの『トロイア』があれば乗り物など・・・。」

「私達魔法使えませんよ。」

「大丈夫だって!エクシードボールがあるだろ!」

「確かにそれは良いですが・・・」

「妖精の尻尾(フェアリーテイル)だ!!!!」

王国軍の言葉に俺達は声の方を向く。バレタのか!!?

「・・・あれ?」

だが向くと、王国軍は何かを見ていた。

「魔道四輪・・・?」

そこに見えたのは1台の魔道四輪だった。しかも、こっちへ来てるのか!?

「見て!妖精の尻尾(フェアリーテイル)の紋章があるよ!!」

ミントがそう言う。よく見ると上の方に妖精の尻尾(フェアリーテイル)の紋章があった。

「おい!あっちにもいるぞ!!」

あっ!気づかれた。

ヴォオオ!!!

「うわああああっ!!」

魔道四輪は王国軍へ突撃し、俺達の所へ来た。

「な、なんだ・・・!?」

「ルーシィから聞いてきた。乗りな。」

「「「おおっ!!」」」

「助かります!!」

俺達は急いで車に乗った。

「とばすぜ、落ちんなよ・・・GO!!!FIRE!!!」

そう言い、車はものすごいスピードで走って行った。

































それから少しして、車は今、橋を渡っていた。
橋は大きく、鉄でできている物だった。車を乗せても落ちないようになっている。

「助かりました。」

「助かったわ。」

「ありがとうございます。」

「お・・・おおお・・・。」

俺とウェンディ、ルーシィさんはお礼を言い、ナツさんはもう酔っていた。
ちなみに、助手席にルーシィさんが乗り、膝の上にハッピーが乗っており、
ナツさんは運転している人の後ろで座っており、俺は反対側に座って、
ウェンディは俺の膝の上に座って、シャルルとミントは真ん中の席に座っていた。

「王都へ行くんだろ?あんなオンボロ船よりこっちのほうが速ぇぜ。」

「しかしあなたは一体・・・?」

「クク・・・妖精の尻尾(フェアリーテイル)最速の男・・・
 ファイヤーボールのナツとは俺の事だぜ。」

その言葉に俺達は驚いた。

「ナツーーーーーー!!!?」

「お・・・俺!?」

ナツさん自身も驚く。

「こっちの・・・エドラスのナツ!?」

「そうなりますね。」

ルーシィさんの言葉に俺はそう言う。

「ルーシィが言ってた通り、そっくりだな。」

「お・・・おお・・・。」

「で・・・アレがそっちの俺かよ?情けねえ。」

「こっちのナツさんは乗り物が苦手なんです。」

エドラスのナツさんに説明をするウェンディ。

「それでも『俺』かよ?こっちじゃ俺はファイヤーボールって通り名の運びや専門魔導士なんだぜ。」

「うぷ。」

「ちなみに、こっちのナツさんはサラマンダーという名の魔道士です。」

「迷惑はかけているけどね。」

俺とハッピーがそう言う。

「ねぇ、あの町がトライヤ?」

「ああ。何でも宿が結構ある所で有名なんだぜ?」

「・・・・・・。」

あそこには・・・エドラスの俺の父さんと母さんがいたな・・・。

「そういえばこの魔道四輪、SEプラグついてないね。」

「SEプラグ?」

「SELF(セルフ)・ENETGY(エバジー)プラグの略だ。」

「運転手の魔力を燃料に変化する装置よ。」

俺とシャルルがウェンディに説明をした。

「そっか・・・こっちじゃ魔力を持っている人いないからそれって必要ないんだね。」

ミントがそう言う。

「完全に魔法のみで走っているって事?」

「そうなりますね。」

ルーシィさんの言葉に俺がそう言う。

「なによ・・・車に関してはアースランドよりぜんぜん進んでるじゃないの。」

キキキキキ

「「うわっ!」」

「「「「きゃっ!!」」」」

突如、止まった。

「ちょっと何よ急に!」

「そうとも言えねえな。魔力が有限である以上、燃料となる魔力もまた有限。
 今じゃ手に入るのも困難だ。だから俺がつれてってやるのはここまでだ。降りろ。」

「な・・・!!」

「そんな・・・!!」

「これ以上走ったら、ギルドに戻れなくなるんだ。
 クソッ!また勝手にギルド移しやがって。」

説明と愚痴エドラスのナツさん。

「うおおお〜!!生き返った〜!!!」

「もう1人の俺はものわかりがいいじゃねえか。さ!降りた降りた!!」

そう言い、エドラスのナツさんは俺達を追い出した。

「うわっ。」

「きゃっ!」

「もォ!」

「王国とやり合うのは勝手だけどよォ、俺達を巻き込むんじゃねえよ。
 今回はルーシィ・・・お前じゃねえぞ俺の知っているルーシィの
 頼みだから仕方なく手を貸してやった。だが面倒はゴメンだ。俺はただ走り続けてえ。」

「オイ。」

「!」

俺達の知るナツさんがエドラスのナツさんのもとへ行った。

「お前も降りろ。」

ナツさんはエドラスのナツさんを車から降ろそうとした。

「バ・・・てめ・・・何しやがる・・・!!」

「同じ俺として一言言わせてもらうぞ。」

「よ・・・よせ!!やめろ!!!俺を降ろすな!!!」

しかし、ナツさんはエドラスのナツさんを車から降ろした。

「お前・・・何で乗り物に強え!?」

「そんな事かいーーーー!!!!」

「ひ・・・ひん・・・」

「「「「「「「?」」」」」」」

何か様子がおかしいぞ・・・?

「ご・・・ごめんなさい・・・僕にはわかりません。」

その言葉に俺達は唖然となった。

「はい?お・・・お前本当にさっきの『俺』?」

「は・・・はい・・・よく言われます。車に乗ると性格が変わるって・・・。」

「こっちが本当のエドナツだー!!!!」

「ひーーーーっ!!大きな声出さないでっ!!!こ・・・怖いよう!!」

「・・・・・・。」

「鏡のモノマネ芸でもする?」

唖然となるナツさんにそう言うルーシィさん。

「ごめんなさい!!ごめんなさい!!で・・・でも、僕には無理です!!
 ルーシィさんの頼みだからここまで来ただけなんです。」

「いえ・・・無理をしなくていいですよ。」

「こんなのいても役に立ちそうもないしね。」

「シャルル!」

「そう言うなよ。」

「というか・・・アンタ達、いつまでそうしてんの?」

シャルルは俺よウェンディに対してそう言った。
俺は未だにウェンディを放さないようにウェンディの腰辺りを腕を組み、俺の膝の上に乗せていた。

「あ、ああ・・・/////」

顔が赤くなるウェンディ。うん、可愛い。

「放したら?」

「え?」

「何で?」

「抱き心地最高。」

「お、お兄ちゃん!!!///////」

「わかったよ・・・放せばいいんだろ?」

俺は仕方なくウェンディを放した。

「もしかして・・・ウェンディさんとコージさんですか?
 うわぁ、ウェンディさんは小っちゃくて可愛い、
 コージさんは僕の知っているコージさんに似て女の子っぽい顔ですが、
 性格男らしいというか、ちゃんとした男ですね。
 僕の知っている方の2人はウェンディさんが姉でコージさんが男の娘の弟さんで恋仲なんですよ。」

「そうなんですか?」

「俺とウェンディがね。」

「でも、ウェンディさん、コージさんの事になるととても怖いんです・・・。」

「あんたと同じね。」

エドラスのナツさんの言葉にそう言った、シャルル。

「そっちがアースランドの僕さん。」

「どこにさん付けしてんだよ。」

「オイラハッピー、こっちはシャルルとミントだよ。」

「どうも〜。」

「ふん。」

「あたしは・・・もう知っていると思うけど・・・」

「ひーーーーーーー!!!ごめんなさい!!!何でもします!!!」

「・・・・・・。」

「お前さ・・・もっと俺に優しくしてやれよ。」

いえ、どっちかと言いますと原因はエドラスルーシィさんですが・・・。

「こっちのルーシィさんは・・・・・・皆さんをここまで運ぶだけでいいって・・・だから僕・・・。」

後ろを見ると、そこには城と城下町がある。

「これって・・・!」

「もしかして王都!!」

「だな。」

「大きい。」

「大きいねぇ〜。」

「何だよ、着いてんならそう言えよ。」

「うわわ〜ん。ごめんなさい。」

「いいぞ!!!こんなに早く着くとは思わなかった!!」

「あのどこかに魔水晶(ラクリマ)に代えられたみんなが・・・」

「さっさと行くわよ。」

シャルルはそう言い、王都へと向かって行った。

「ちょっと、シャルルー!」

「待ってよ〜!」

「それでは失礼。」

「じゃ・・・ありがとな。」

「あたしによろしく!」

俺達はエドラスのナツさんにそう言い、王都へと行った。
しかし、途中でナツさんが止まり、エドラスのナツさんと何か話をし、俺達の所へ来た。









































王都城下町、そこは王都と言う割には他の街と違い、賑やかであった。

「何これ・・・?」

「意外だな。」

「うん。独裁国家の統治下って言うから・・・」

「もっとくたびれてる街かと思ったのにね。」

「だね〜。」

「街の中にもあっさり入れたしな。」

「ルーエンやシッカと全然違う。遊園地みたい。」

俺達はそれぞれ思った事を言う。

「魔力の無駄使いだわ。全ての国やギルドから魔力を奪って、
 この王都を集中させているわ。国民の人気を得る為にこんな娯楽都市にしたんだわ。」

「あきれた王様ね!」

シュルルの言葉にエドラスの王に対してそう言う、ルーシィさん。

「ん?」

何か人が集まっているな?

「なんか向こうの方が騒がしいね。」

「ああ。」

ウェンディの言葉に俺も同感だ。

「パレードとかやってんのかしら?」

「ちょっと見に行ってくるか!」

「あいさー!」

「アンタ達・・・遊びに来たんじゃないのよ。」

確かにですね・・・でも気になるので俺達も行く事にした。

「ずいぶん多いなぁ・・・ウェンディ、大丈夫?」

「うん。」

俺とウェンディは手をつないで離れられないようにした。

「あれ?」

夏s何とルーシィさんが止まっていた・・・何を・・・

「っ!?」

そこには切り取られた魔水晶(ラクリマ)があった。

「魔水晶(ラクリマ)・・・!」

「これって・・・!」

「まさか・・・!!」

「マグノリアのみんな・・・!!」

「しかも一部分よ。切り取られた後もあるし・・・!!」

「残り全部は何処か、か・・・。」

「・・・・・・。」

俺達はそう言っていると、王様の様な人が座っていた椅子から立ち上がった。

「陛下!!!」

「バンザーイ!!!」

間違いない・・・!エドラスの王だな!!

「エドラスの子よ。我が神聖なるエドラス国はアニマにより10年分の魔力を生み出した。」

「何が『生み出した』よ・・・!」

「オイラ達の世界から奪ったくせに・・・!!」

ミントとハッピーがそう言う。

「共に歌い、共に笑い・・・この喜びを分かち合おう・・・!!」

「「「「「「「「オオオオオオオッ!!!!」」」」」」」」

そっちが喜んでも、こっちはそれどころではない・・・!!
その後、エドラス王の演説は少し続いた。エドラス王との国民は喜んでも、俺達はそれを受け入れなかった。

「これしきの魔力がゴミに思えるほどのなァ!!!」

「っ!!」

これしきの魔力をゴミ・・・!俺達の仲間を・・・!!!

「・・・」

がし

「ナツ・・・我慢して・・・」

「できねぇ!!あれは・・・あの魔水晶(ラクリマ)は・・・!!!」

「お願い・・・みんな同じ気持ちだから・・・」

「「「「「・・・・・・。」」」」」

俺やウェンディ、ハッピー達も同じだった。今すぐに助けたいという気持ちは・・・。
だが今は戻す手掛かりはない・・・。

「ね。」

「・・・・・・。」

「ナツさん、取りあえず、一旦ここから離れてどうするかを考えましょ。」

「・・・わかった。」

「お兄ちゃん・・・。」

ウェンディは悲しそうな顔で俺を見つめた。そんな顔、俺はあまり見たくはないな・・・。

「ウェンディ・・・絶対に取り戻そうな。」

俺はそう言い、ウェンディを優しく抱きしめた。

「うん。」

俺のせいでみんながああなったんだ・・・絶対に取り戻してやる・・・絶対に・・・!!!

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