小説『混沌の魔術師と天空の巫女』
作者:白鋼()

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                 第3章 エドラス編

              さらば、エドラス!そして友よ!!




「あれが王子だ!あの魔王とかいう奴等と戦うつもりなのか!?
 相手は火を拭く奴にエクシードの力を持った怪物だぞ!!」

エドラスのガジルさんがそう言う。

「王子?この人が?」

街の人がそう言った。

「俺が先にやる。」

ナツさんがそう言う。

「やりたい事がある。やらせてくれ。」

「・・・わかりました。」

ナツさんの小さな声に俺はそう言い、ウェンディとガジルさんの所へ行った。

「俺から相手してやるよ。」

「(バカ者め、お前達のやろうとしている事はわかってる。
 だがこの状況を収集できる訳がない!)」

ジェラールは心の中でそう思っていた。

「眠れ・・・!!」

ジェラールは杖を突きさした。だが・・・!

フシュウ

「(魔力が・・・アニマに・・・)」

「どうした?魔力が()えと怖ェか!!」

「くっ!」

「そうだよなァ!!!!魔法は力だ!!!!」

ナツさんはそう言い、建物を壊した。

ドゴォン!!

「きゃー!」

「何だこの破壊力は!!?」

「魔法・・・!!?」

街の人達はナツさんの魔法に怯えた。

「やめろォー!!」

ジェラールがそう言う。

「ナツさんやりすぎですよ!!」

ウェンディがそう言う。

「いや・・・少しやりすぎる方がいい。」

俺がそう言う。

「ああ。これで強大な魔力を持つ“悪”に魔力を持たない“英雄”が立ち向かう構図になるんだ。」

ガジルさんの言う通りである。
魔力の持つ俺達が“悪”となり、ジェラールが“英雄”と構図ができた。後は俺達が負けるだけだ。

「もうよせナツ。私は英雄にはなれないし、 
 お前やコージも倒れた()()などこの群衆には通じんぞ。」

ジェラール・・・。

「勝負だぁ!!!!」

ドカッ!

「ぐ!」

ナツさんはジェラールを殴った。
・・・悪役だから本気でやらないといけない・・・だが・・・少し心が痛い・・・。

「王子!!!」

「何て凶暴な奴なんだ!!」

よし!街の人達もこれでいい!

「茶番だ!!!こんな事で民を1つになど・・・できるものかーーーーっ!!!」

ジェラールがナツさんを殴ろうとした。

ガッ

ナツさんはジェラールの拳を片手で受け止めた。

「本気で来いよ。」

「・・・・・・。」

ジェラール・・・。

「ぬぉぉっ!!!!」

ゴッ!

「ふが!」

ジェラールは回し蹴りでナツさんに攻撃した。

「オオッ!!!」

「いいぞ王子ー!!」

「やっつけろーーーっ!!!」

「お願い!!!がんばって!!!」

街の人達がジェラールを応援している。

「ギャラリーものってきたぞ!!」

「バカモノ!!()()()なんだから、今ので倒れておけ。」

「やなこった!!!!」

ドッ!!

ナツさんはジェラールの腹辺りを殴った。

「王子ー!!」

「イヤー!!」

「コノヤロウ王子に・・・!!」

俺も今そんな感じがした・・・。

「これは俺流の妖精の尻尾(フェアリーテイル)式壮行会だ。
 妖精の尻尾(フェアリーテイル)を抜ける者には3つの掟を伝えなきゃならねえ。」

ナツさんは殴りながら、その掟を話した。

「1つ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の不利益になる情報は生涯他言してはならない。
 2つ・・・何だっけ?」

ナツさん・・・!しっかりして下さいよ・・・!!おまけにナツさん、ジェラールに殴られた。

「過去の依頼者にみだりに接触し個人的な利益を生んではならない。」

「そうそう!」

ジェラールの事にナツさんがそう言う。

「3つ、たとえ道は違えど、強く力のかぎり生きなければならない。
 決して自らの命を小さなものとして見てはならない。愛した友の事を・・・」

「生涯忘れてはならない・・・。」

ドン!!!

相打ちになった・・・!

「届いたか?」

「・・・・・・。」

ジェラールは何も言わなかったが、届いた様だな・・・。

「ギルドの精神があれば、できねえ事なんかねえ!!
 また会えるといいな、()()()()()!」

ナツさんはそう言い、わざと倒れた。

「ナツ・・・」

「「「「「オオオオオオ」!!!!」」」」

「王子が勝ったぞー!!」

「やったー!!」

「スゲー!!」

「王子−!!!」

「ステキー?」

町の人達がジェラールの勝利に喜んでいた。まだ時間がある・・・よし・・・!

「ウェンディ、ナツさん頼む。」

「え?」

俺はそう言い、(エーラ)を出した。まだ少し苦しいが、言いたい事がある!

「ジェラールに言う事がある。」

俺はジェラールに向かって行った。

「王子ぃぃぃぃっ!!!!今度は俺が相手だぁぁぁぁ!!!!!!!!」

「!?」

俺はジェラールを掴み、かなりのスピードで移動した。できるだけ街の人達に見られないようにな。

「もう1人の魔王だ!!」

「気をつけて王子!!」

「そいつはエクシードの力を奪った奴だぞ!!」

町の人達がそいっている中、俺はジェラールに言う事を言った。

「ジェラール。」

「!」

俺は小さい声でジェラールに話した。

「もうすぐお前と別れる事になるから、話を聞いてくれ。
 後、俺もナツさんみたいに戦うから、うまくのってくれ。」

「!?」

俺は建物の上でジェラールを殴りかかった。本気で・・・。

「っ!!」

ジェラールは何とかかわした。町の人達にはまだ気付かれていない様だ。まぁ、それでいいけど。

「俺はお前との旅をして・・・お前と別れてギルドに入って・・・
 そして新しく入ったギルド『妖精の尻尾(フェアリーテイル)』で、違う形になったが、
 お前と再会して・・・俺はお前に感謝してる・・・。」

「感謝・・・?」

「ああ。旅をしてウェンディと出会って、ギルドに入って仲間ができて・・・
 そして・・・お前という友ができて・・・俺は嬉しかった・・・だからな・・・。」

俺はジェラールの拳をかわさず、そのまま受けた。

バァン!

「!!」

「このお前の故郷で・・・頑張っていけよ・・・ジェラール・・・!」

「コージ・・・。」

俺はそのままわざと倒れた。

「王子がもう1人の大魔王を倒したぞ!!」

「王子、バンザーイ!!!」

これでいい・・・これでお前の立場が安定するから・・・。

キィィィン!

「「!」」

「お前・・・体が・・・!」

「そろそろっか・・・。」

「始まった。」

「さーて、ハデに苦しんでやるか。」

「だな。」

俺達の体から突如、光が出て、俺達はこの事をわかっていて、そう言った。

「何だ何だ!!?」

「魔王達の体が・・・!?」

驚く街の人達。

「これは一体・・・!」

城の方にいるリリーとナディの体からも光が出ていた。

「逆展開させたアニマは()()の魔力をエドラスから消し去る。
 つまり、体内に魔力を持つぼきゅ達エクシードや滅竜魔道士(ドラゴンスレイヤー)達はみんなアースランドへ流れるんだ。」

ナディは歯をガチガチ振るわせてそう言った。

「何だと!!?」

驚くリリー。

「女王様もたぶんわかってらっしゃると思うよ。」

































「女王様〜!!」

「体が・・・!」

一方、逃げ延びたエクシード達の体も光り出していた。

「大丈夫です・・・怖くありません。」

シャゴットは子供のエクシードにそう言う。

「エドラスにはもう(エクシード)は必要ありません。
 私達も勇気を持って新しい一歩を踏み出すのです。」































「うわ!」

「な・・・何?」

「体が光ってる!?」

「どうなってる・・・!?」

「アニマに吸いよせられてる」

一方、エドラスの妖精の尻尾(フェアリーテイル)と一緒にいたルーシィ達の体も光り出していた。
そして、ルーシィ達はどんどん空にあるアニマへとゆっくり飛んでいくのであった。

「そっか・・・あのアニマはエドラスにある魔力全てを・・・つまりあたし達も追い出すつもりなんだ。」

ルーシィがそう解説をした。

「おおっ!ルーシィ、ハッピー!」

「「ナツ!!!」」

ナツさんの声にルーシィさんとハッピーが返事をした。
俺達もアニマによって吸いよせられ、ゆっくりと上へ飛んでいた。

「無事だったか!お前等!!」

グレイさんがそう言う。

「お前達・・・!」

「本当にこの世界から魔力が消えるって事なんだ・・・・・・。」

「何もかもなくなっちゃうの・・・?」

エドラスのルーシィさんとアルザックさん、ビスカさんがそう言う。

「私達、これからどうすればいいのですの?」

「そんなのジュビアだってわからないわよ。」

エドラスのカナサンとジュビアさんがそう話をしていた。

「そんな顔するなよ!ギルドってのは、魔力がねーとやっていけねえのか?」

「・・・。」

「仲間がいれば、それがギルドだ!」

グレイさんがエドラスの妖精の尻尾(フェアリーテイル)にそう言った。



















同じ頃、エルザの方も体が光り出し、アニマへ吸いよせられていた。

「スカーレット。」

「ナイトウォーカー・・・いや、元気でな」


「「エルザ。」」


2人はそう言った。
















「オ・・・オイ、これは一体!?」

「流される・・・!」

あのハッピー達を助けてくれたエクシードの夫婦もアニマに吸いよせられていた。





「メェーーーーーーン!?せっかく復活したというのに今度は何だぁ〜!?」

「ニチヤ様〜!!」

魔水晶(ラクリマ)されていたニチヤ達も元に戻っていたが、アニマに吸いよせられていた。













「ぐわあああ!!」

「きゃあああ!!」

「うああああ!!」

「ぎゃあああ!!」

こんな感じかな・・・?苦しんでいる姿を俺達は演技した。

「(ま・・・まさか人間までも吸い込むとは・・・予想外だ。)」

「オオオ!!」

「魔王達が空に流されていく!!!」

「王子が私達を救ってくれたァーーー!!!」

「王子!!!!」

「バンザーイ!!!!」

町の人達はそう思って言ってる。それはそれで好都合だけど。

「王子!」

「!」

空へ流されるリリーがジェラールにしか聞こえないように話をした。

「変化に素早く順応する必要なんてありません。」

「もっとゆっくりでいいのです。」

「歩くような速さでも、人はその一歩を踏み出せる。未来へと向かっていけるのです。」

「ああ・・・。」

ジェラールはリリーにそう言う。

「バイバイ!エドルーシィ!!!!もう1つの妖精の尻尾(フェアリーテイル)!!!!」

「お〜い!頑張れよ俺!!あ、じゃなかった、お前!!」

ルーシィさんとナツさんがもう1人の自分にそう別れを言った。

「うん!僕さん!じゃなくって、君もね!!」

「2人で何混乱してるんだよ。」

エドラスのナツさんに向かってそう言うエドラスのルーシィさん。

「バイバイ、お姫様!」

ココって子がそう言う。

「さようなら、エドラスの俺。」

「さようなら、アースランドの私。」

俺もエドラスの自分に別れを言う。

「じゃあね、アースランドの私。」

「はい。さようなら、エドラスの私。」

ウェンディももう1人の自分にそう別れを言う。

「みんなぁまたね〜!!!」

「バイバ〜イ!!」

「何言ってんの、もう会えないのよ。二度と。」

「「っ!!」」

シャルルの言葉に今気がつくハッピーとミント。

「うわぁーん、バイバ〜イ!!」

「バイバイだよ〜!!」

「だらしないわね、泣くんじゃないわよ。」

シャルルこそ、涙出てるぜ。

「さようなら、王子。」

「さようなら、リリー。」

ジェラールはリリーを見た後、今度はナツさん達を見る。

「ナツ・・・ガジル・・・ウェンディ・・・我が家族(フェアリー・テイル)・・・。」

ナツさんとウェンディは手を振っていた。ガジルさんは手を組んでジェラールを見てはいた。

「そして・・・。」

ジェラールは俺を見る。

「さようなら・・・我が友、コージ。」

「さようなら・・・ジェラール・・・!」

俺は忘れない。お前との出会い、旅全て・・・決して・・・!































その後のエドラスがどうなったのかはわからないけど・・・、
頑張って生きていくだろうな。それに、ジェラールならうまくやってくれる。





















頑張れよ・・・!



















「魔王ドラグニルとその下僕はこの私が倒したぞ!!!
 魔力など無くても、我々人間は生きていける!!!!」


「「「「「「「「「「「「オオオオ!!!」」」」」」」」」」」」

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