小説『混沌の魔術師と天空の巫女』
作者:白鋼()

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                 第4章 天狼島編

                  トライアル



ある日・・・

「最近ギルドが慌ただしいな・・・。」

俺が仕事から帰って来ると、ナツさんやグレイさんも仕事に帰って来たが、
また別の仕事を受ける為、ミラさんの所へ行っていた。しかも他の人達も・・・。

「俺ももうミラさんに別の仕事の依頼を頼んだし行くか・・・。」

「お兄ちゃん!」

「コ〜ジ〜。」

ウェンディとミントが俺を呼んでいた。
俺は声をした方を向くと、シャルルとリサーナさんもいた。

「どうした?」

「シャルルがね、言いたい事があるんだて。」

「言いたい事?」




















「「「「予知能力!?」」」」

シャルルの話はシャゴットが言っていた、自分にも予知能力がある事だった。

「そ。女王が言ってたでしょ?私にも未来を予知する力があるって。」

「ああ。」

「意識するようになってから、少しだけコントロールできるようになったの。」

「ほう。」

「すごいねシャルル!!」

「すご〜い!!」

「ねえ?私将来誰のお嫁さんになるの?」

リサーナさん、すごい事を言いますね・・・!!

「そんなに先の未来を見るのは無理。」

「まあ、だろうな。」

「今日はコージ達にこの事を言う事も予知したわ。
 他には・・・そうね・・・たとえばそこにマカオがいるでしょ?
 もうすぐワカバが来てギルドの若者について、会話が始まるわ。」

シャルルの言葉に俺達はマカオさんを見た。

「よォ、マカオ。」

「オウ。」

本当に来た!!

「今年もこの時期が来たねえ。」

「懐かしいな。」

「俺らも若ェ頃はな。」

「燃えてた時もあったよな。」

「今の若ェモンはすげぇよ、実際ケツとか。」

「ケツかよ!!?」

「あれ?お前チチ派?」

「オレァ、ガキいんだぞ!若ェ女のケツ見たってよう。」

「足ならどうだ?」

「そ・・・そりゃかぶりつきてぇ!!!つか踏まれてぇ!!!」

「「だははは!!」」


「当たってるといえば当たってるが・・・」

「会話の内容が酷い・・・。」

「ですね・・・。」

俺とリサーナさんとウェンディはそう言う。

「こんなの予知しても仕方ないけどね。」

「ホントだぜ。」

あまり意味がなかったし。

「でもすごいよシャルル!!」

「「うんうん。」」

ウェンディはシャルルを褒め、ミントとリサーナさんは頷いた。

「それにまだ完全にはコントロールできないの。」

「数秒先、未来が見える程度か?」

「まあ、大体それ位ね。」

「そっか・・・じゃあ、俺そろそろ仕事に行って来る。」

「そう。」

「気をつけてね〜。」

「頑張ってね。」

シャルルとミントとリサーナさんはそう言う。

「お兄ちゃん・・・。」

「ん?」

「が・・・頑張ってね!」

チュ

「!!」

ウェンディはそう言い、俺のほほにキスをした。

「あ・・・ああ・・・行って来る・・・////」

「うん////」

俺達は顔を赤くなっていた。ここに見ていたのがミントとシャルル、リサーナさんだけでよかった。
俺はそのまま仕事へ行った。というかウェンディ、どこでこんなの憶えた?
































翌日、ギルド内はざわざわしていた・・・

「ギルドメンバーのほとんどがいるな・・・。」

「マスターから何か重大発表があるんだって。」

「へぇー。」

「そうなんだ〜。」

「興味ないわ。」

俺達はそんな事を言う。
ナツさんはそわそわして落ち着かない様子だった。


ザザン


目の前にあったカーテンが開き、マスターとエルザさん、ミラさん、ギルダーツさんが舞台に立っていた。

「マスター!!!」

「待ってました〜!!」

「早く発表してくれー!!」

「今年は“誰”なんだー?」

メンバーの人達がそう言う。

「コホン。妖精の尻尾(フェアリーテイル)古くからのしきたりにより、これより・・・」

























「S級魔導士昇格試験出場者を発表する!!」

「「「「「「「「オオオオオオッ!!!!」」」」」」」」

「S級魔導士昇格・・・!!」

確かエルザさんとギルダーツさん、ミラさんがS級の魔導士だっていうあの・・・。

「今年の試験会場は天狼島。我がギルドの聖地じゃ。」

「「「「おおーーーーーーっ!!!」」」」

「へぇ。」

ギルドの聖地が試験会場か・・・。

「各々の力・・・心・・・魂・・・ワシはこの1年見極めてきた、参加者は9名。」

誰が出るんだろう・・・?

「ナツ・ドラグニル。」

「おっしゃあ!!!!」

「やったねナツ!!」

まずはナツさんか・・・。

「グレイ・フルバスター。」

「やっとこの時が来た。」

グレイさんもか・・・。

「ジュビア・ロクサー。」

「え?ジュビアが?」

驚くジュビアさん。

「エルフマン。」

「漢たるものS級になるべし!!!!」

「頑張って、エルフ兄ちゃん!!」

エルフマンさんもですか。

「カナ・アルベローナ。」

「・・・・・・。」

ん?カナさん、何か暗い顔していますな・・・。

「フリード・ジャスティーン。」

「ラクサスの後を継ぐのは・・・。」

フリードさんもですか。

「レビィ・マクガーデン。」

「私・・・とうとう・・・!!」

「「レビィがキター!!!」」

レビィさんも出るんですか。

「メスト・グライダー。」

「メストだ!!」

「昨年は惜しかったよなー。」

メストさん?始めて見る人だな・・・。

「そして最後は・・・」

最後の人は・・・ルーシィさんか?それともガジルさんあたりかな・・・?






























「コージ・フォレトロス。」

「・・・ん?」

どういう事だ・・・今俺呼ばれた・・・?

「はい!?」

俺は驚いてしまった。何で俺まで!!?ギルドに来てまだそんなに経っていませんよ!!?

「よかったじゃん、コージ!」

「すごいよ!お兄ちゃん!!」

いやミントにウェンディ、おかしいとは思わないのかい?

「以上じゃ。今回はこの中から合格者を1名だけとする。
 試験は1週間後。各自、体調を整えておけい。」

1名だけなんですね・・・。

「!」

「どうかした?シャルル。」

ウェンディの声に俺もシャルルの方を向いた。

「べ・・・別に・・・(何なの?今・・・一瞬・・・)」

シャルルは予知の力があった。まだ完全にコントロールはできていないが、
その予知であるものを見た。カナが泣き、ナツが怯えて顔を下を向いて涙を流していた。
ルーシィが倒れる。ボロボロのコージ。そして、黒髪の青年がいた。
その青年は狼が襲いかかった時、青年にある何かによって狼は死に、
鳥も死に、木も枯れるという力を持っている青年だった。

「(誰・・・!?)」

「シャルル?」

何だか顔色が悪いぞ・・・。

「初めての者もおるからのう、ルールを説明しておく。」

マスターの言葉に俺はシャルルも心配だが、選ばれた人なのでルールを聞く事にした。

「選ばれた9人のみんなは準備期間として1週間以内にパートナーを1人決めてください。」

パートナーですか・・・絆も試されるという事ですかな?

「パートナー選択のルールは2つ。1つ妖精の尻尾(フェアリーテイル)のメンバーである事。
 2つS級魔導士はパートナーにできない。」

「なるほど。S級であるエルザさん達は選べれないと。」

「エルザさんと一緒なら最強すぎるもんね。」

ウェンディのいう通りだ。

「試験内容の詳細は天狼島に着いてから発表するが、今回もエルザが貴様等の道を塞ぐ。」

「「「「「「「「ええ〜〜〜〜っ。」」」」」」」」

今回もってことは、前も・・・か。

「今回は私もみんなの邪魔する係やりまーす?」

「「「「「「「「ええ〜〜〜〜っ!!」」」」」」」」

今回ミラさんも試験に出て邪魔をするって事か・・・。

「ブーブー言うな。S級魔導士になる奴ァみんな通ってきた道だ。」

ギルダーツさんがそう言う。

「ちょっと待てよ・・・。」

「まさか・・・。」

エルフマンさんとハッピーは何か嫌な予感をしていた。

「ギルダーツも参加するのか!!?」

「嬉しがるなァ!!」

喜ぶナツさんに突っ込みを入れるグレイさん。

「・・・・・・。」

ギルダーツさんを睨む様に見るカナさん。どうしたんだろう・・・?

「選出された9名とそのパートナーは1週間後にハルジオン港に集合じゃ。以上!!!!」

マスターの重大発表ことS級魔導士昇格試験の話はこれにて終了しました。

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