小説『混沌の魔術師と天空の巫女』
作者:白鋼()

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                第4章 天狼島編

                3体のドール分身



「思ったより明るいね。洞窟っぽい道なのに。」

「ああ。どうやらここには霊光虫がいるみたいだな。
 かなり前に見た事あるし、こいつの光を食べた事あるぞ。」

「そう。」

俺とミントはそんな会話をしていた。

「おっ、道が開けてきたな。」

「ホントだ〜、ん?」

「誰かいるな・・・っ!?」

俺は驚いた。そこにいたのは・・・!






























「なんで・・・エルザさんにミラさん・・・ギルダーツさんが・・・!?」

何故が現役のS級魔導士3人がいた。

「「「・・・・・・。」」」

「?何か様子がおかしい・・・?」

何もしゃべらないぞ・・・?

「ね、ねえ・・・看板があるけど・・・
 しかも上には“大激闘”って書かれてる・・・ここみただね・・・。」

「そう、みたいだな・・・それより看板には何て書いてあるんだ?」

俺は看板を見た。

「何々・・・『ここではマジックアイテム『ドール分身』で3人のS級魔導士そっくりの人形を作った。
 人形と言っても、本物より魔力はそんなになく、強くはない。
 3人を戦闘不能にするか、魔力が切れるまで戦うかで勝利となる。
 ただし、その時には人形を持ってくる事。
 また、参ったと言えば、人形は動かなくなり、人形達がお前を簡易ベースまで運ぶ。』
 ・・・以上か・・・おもしろい!勝負!!!」

俺の声と同時に3体の人形が構えた。

「・・・。」

エルザさんの偽人形の体が光り出し、鎧を装着した。

「天輪の鎧・・・ですか。」

「・・・。」

ミラさんの偽人形は体が光り出し、悪魔の様な尻尾があり、腕も変わっていた。
さらに髪の毛も立った。

「確かミラさんは・・・サタンソウルでしたね!」

「こ、怖いよ〜・・・。」

「でも、やるしかない!!」

俺はそう言い、構え、体から白いオーラを出した。

「じゃあ私はどっか隠れとく。」

「じゃあ、これも頼む。」

俺はミントにリュックを渡し、ミントはルールが書いてあったあの看板の後ろに隠れた。

「光竜の鉄拳!!!」

俺はエルザさんの偽人形に攻撃を仕掛けた。

「「「・・・。」」」

「っ!?」

3人の偽人形が集まって、俺の光竜の鉄拳を自分達の持っている魔力で攻撃した。
エルザさんの偽人形は循環の剣(サークル・ソード)、ミラさんの偽人形は手から妙力な魔力を出し、
ギルダーツさんの偽人形の手から何かだしてきた。

「・・・!」

ドッ!!

「なっ!?」

俺の光竜の鉄拳が・・・砕かれた・・・!?

「「・・・。」」

バーン!ザン!!

「ぐわぁ!!」

俺はエルザさんの偽人形とミラさんの偽人形の攻撃を喰らってしまった。

「ぐっ!!」

俺は倒れず、体勢を立て直した。

「そうか・・・。」

「え?」

「ギルダーツさんは確か触れたものを粉々にする魔法・・・
 つまりさっきのは粉砕(クラッシュ)か・・・!!」

「それってやばくない?」

「いいや・・・所詮は人形、本物より弱い、ぜったいにやれる!」

「そ、そう・・・。」

「光竜の咆哮!!」

俺は光竜の咆哮で3人の偽人形達を攻撃した。

「「「・・・!!」」」

3人は咆哮をかわした。

「今だ!」

俺はギルダーツさんの偽人形の方へ向かった。

「光竜の鉄拳!!!」

俺はギルダーツさんの偽人形に攻撃を仕掛けた。

「・・・。」

ドッ!!

「!!」

光竜の鉄拳は砕かれた。

「成程。」

「?」

「鉄拳は粉砕(クラッシュ)できたのに、咆哮はしなかった。
 つまりギルダーツさんの偽人形は咆哮の様に強力なのは粉砕(クラッシュ)できない。
 または連続で粉砕(クラッシュ)ができない、という訳だ。」

「そっか!!」

ミントは俺の説明に納得した。

「(それにもう1つ確認がある。)光から闇へ!」

俺は白いオーラを黒いオーラへ変えた。

「闇竜の咆哮!!」

俺はエルザさんの偽人形にむかって咆哮を放った。

「・・・!!」

エルザさんの偽人形は剣で咆哮をガードさせた。

「・・・もう1つわかった事がある。」

「?」

「エルザさんだよ。天輪の鎧以外の鎧を換装していない!
 もしやるんなら、闇の耐性を持った鎧を換装する筈だ。」

「ああ!!」

ミントは俺の説明に納得した。

「っ!!」

ミラさんの偽人形が俺に攻撃してきた。

「くっ!」

俺はかわそうとしたが・・・

ビュン!

「っ!!」

エルザさんの偽人形の件が俺に襲い掛かってきた。

ズバン!

「ぐっ!!」

俺はガードするが、斬撃を受けてしまった。さらに・・・

「「っ!!!」」

バ、バァン!!!

「ぐあっ!!」

ギルダーツさんとミラさんの連続攻撃を喰らってしまい、飛ばされた。

「コージ!!」

ミントが叫ぶ。

「っと!!」

俺は何とか体勢を立て直した。

「結構きいた・・・!!」

「「「・・・!!!」」」

3人の偽人形が俺に再び襲いかかろうとしていた。

「ならこれでいくぜ!!」

俺は手に闇を纏い、その闇を放つ。その数は10!

「闇の舞蛍!!」

放たれた闇はとても小さな追尾型のミサイルの様に3人の偽人形達に向かって行った。

「・・・!!」

ギルダーツさんの偽人形は向かってきた1つの舞蛍を粉砕(クラッシュ)した。しかし・・・

ババン!ババン!!

「・・・!!!」

残りの2つがギルダーツさんの偽人形にダメージを与えた。

「・・・!!」

エルザさんの偽人形の方は剣で3つの舞蛍を斬ろうとしていた。

「無駄です。ふっ!!」

ヒュイン!

「!!?」

舞蛍はエルザさんの偽人形の斬撃をかわし、エルザさんの偽人形の腹部分に当たった。

「・・・!」

ミラさんの偽人形の方へ向かった残り4つの舞蛍はミラさんの周りをまわっていた。

「!!!」

ミラさんの偽人形は俺に殴りかかろうとしてきた。

「させません!」

俺は闇に纏った指で十字架を作り、そのままミラさんの偽人形へ回転させながら飛ばした。

「ブラッディクロス!!」

ブラッディクロス、この魔法は昔ある闇ギルドの一員の1人が持っていた本を拾い、
その本に書いてあった内容を解析して、習得した闇の魔法。

「!!!」

ミラさんの偽人形はやってきたブラッディクロスを両腕を×にし、ガードした。

「「・・・!!」」

エルザさんとギルダーツさんの偽人形が俺の方へ接近してきた。
どうやら残りの舞蛍をどうにかしたようですね。

「っ!イビルゲート!!」

その言葉と同時に周りから闇が現れた。

「「!!?」」

エルザさんとギルダーツさんの偽人形はその闇に引き寄せられていった。
イビルゲート、この魔法も本を拾い、書いてあった内容を解析して、習得した闇の魔法。
周囲へ広げた闇で触れたもの全てを闇の中へ引きずり込み、
 闇の引力で凝縮させ押し潰す。魔力を多く使えば使うほど威力は強くなる。

「ミラさんの偽人形さんは申し訳ありませんが、終わらせます!」

俺はそう言い、こう言った。

「ダークフォース!!!」

ババン!ババン!!ババン!!!ババン!!!!

「!!!!!」

ダークフォース、この魔法も本を拾い、書いてあった内容を解析して、習得した闇の魔法。
闇の舞蛍、イビルゲート、ブラッディクロスのいずれかを使っている時にできる。
イビルゲートで相手を引きずり込んだ時またはブラッディクロスは回転している時に、
闇の舞蛍が出ている時に、闇の魔法で連鎖爆発を起こす。今回は舞蛍が連鎖爆発を起こした。

「・・・っ!・・・!!」

ミラさんの偽人形はそのまま倒れ、ただの人形へとなった。

「よし!後2人!!」

「頑張れー!!コージ!!!」

バリィン!!

「!!」

「!?」

「「・・・。」」

どうやらギルダーツさんの偽人形が粉砕(クラッシュ)でイビルゲートを破壊したみたいだ。

「「!!!」」

「くるか!!ミント持って置いてくれ!!」

「わかった!!」

俺はそう言い、ミントにドール分身を投げ渡した。

「「!!!!」」

エルザさんの偽人形は剣で俺を攻撃してきて、
ギルダーツさんの偽人形も粉砕(クラッシュ)で攻撃しようとしてきた。

「何の!!ダークカッター!!」

俺は腕を闇で纏い、手刀の様に構えた。

「はっ!!」

手刀で俺はエルザさんの偽人形の剣を全て弾いた。

「!!」

ギルダーツさんの偽人形が俺に襲い掛かってきた。

「やばい・・・!黒い霧!!」

俺は息を吸って、息を吐く感じで口から黒い霧を出した。

「うわーーー!!見えないよ〜!!」

ミントがそう言う。もともと眼くらまし程度にしか使えない上に、
俺以外の黒い霧でも目が見える人でないと使えないからな。

「「・・・っ。」」

「ここですよ。」

「「!?」」

「始めっからすればよかった。闇竜の翼撃!!!」

俺はそう言い、エルザさんとギルダーツさんの偽人形に闇竜の翼撃を当てた。

ズドォーーーーン!!!!!

「「っ!」」

エルザさんとギルダーツさんの偽人形は闇竜の翼撃を、
エルザさんの偽人形は剣で、ギルダーツさんの偽人形は腕でガードした。

「(今だ!)ブラック・ダート!!!」

俺は体に闇を纏い、そのままエルザさんの偽人形に向かって突撃した。

「っ!!!」

エルザさんの偽人形に直撃できた!!

「止めだ!覇邪闇竜拳!!」

覇邪闇竜拳、闇竜の鉄拳を連続で放ち、闇の拳の連撃を叩き込む闇の滅竜魔法の1つ。

バババババババババッ!!!!!

「・・・っ!!・・・!!!!」

エルザさんの偽人形はそのまま倒れ、ただの人形へとなった。

「よし!後1人だ!!」

「おお〜!!どう倒せたのか分からないけど、すごいよコージ!!」

ミントがそう言う。

「・・・っ!!」

ギルダーツさんの偽人形はまだ俺を見つけていない様だ。今がチャンスか!!

「(だが、攻撃すると、気配を感じて粉砕(クラッシュ)をしてくるな・・・よし!)
 闇から光へ!」

俺は黒いオーラを白いオーラへ変えた。

「・・・。」

ギルダーツさんの偽人形は俺を探している様だ。

「(今だ・・・!)」

ギルダーツさんの偽人形は気づいていない!

「光竜の鉄拳!!」

「っ!?」

後ろから俺は光竜の鉄拳を放った。

ズドーンッ!!!

「っ!!!」

ギルダーツさんの偽人形は俺の光竜の鉄拳を受けながらも、攻撃をしようとした。

「なんの!!光竜の鉤爪!!!」

「!!!」

光竜の鉤爪と粉砕(クラッシュ)が激突した。

ドゴォォォォォ!!!

「今だ!!」

「っ!?」

俺は光竜の鉤爪は粉砕(クラッシュ)により破られたが、
蹴りあげて上へあがったので、そのまま俺は滅竜魔法を放った。

「これで終わりだ!!白魔光竜拳!!!」

白魔光竜拳、光竜の鉄拳を連続で放ち、光の拳の連撃を叩き込む、光の滅竜魔法の1つ。

バババババババババッ!!!!!

「・・・っ!!・・・!!!!」

ギルダーツさんの偽人形はそのまま倒れ、ただの人形へとなった。

「よっし!!3体とも倒したぜ!!」

それと同時に黒い霧もなくなった。

「やったね、コージ!!」

ミントが俺によって来てそう言う。

「ああ・・・しかし・・・。」

「?」

「本物より魔力はそんなになく、強くはないっとはいえ、
 本人だったらどうなってたんだろうな・・・って思って。」

「ああ・・・エルザとミラはまだしも、ギルダーツ、めちゃくちゃ強そうだしね〜。」

「だな。」


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!!

「うぇ!?」

「!?すごい魔力・・・一体何だ・・・!?」

この魔力は、実はギルダーツの本気の魔力であった。
ナツがギルダーツを倒してS級魔導士になる意味がないと言っていた。
ギルダーツはそれを知ってあえて、自分の本気を見せた。
ナツに足りないものがあるっと言う事で・・・。


少しして・・・

「収まった・・・。」

「何だったんだろう・・・。」

「さあな・・・とりあえず、行こうぜ。」

「うん・・・。」

俺とミントは人形を持ち、先へ進んだ。

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