小説『混沌の魔術師と天空の巫女』
作者:白鋼()

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                第4章 天狼島編
 
                 レッドノート



「うぉおぉおぉっ!!!!」

ズガッ!

「ウヒィ。」

「ラァァア!!!!」

ガガ!ガ!

「竜狩りの力はこんなもんかよ。」

ナツさん相手に、かなりの余裕だな。

「よし、俺も・・・」

「こいつは俺1人で十分だ!!」

「ナツさん!!」

「つーか、なにが滅神魔導士(ゴットスレイヤー)だ!!!神様に教えてもらったってか!!?」

「マスターハデスをあるいは神と呼べるなら、これは“神”から授かりし失われた魔法(ロストマジック)。」

ナツさんの言葉にザンクロウという男はそう言う。

「なーんだ、“人間”に教えてもらったんじゃねーか!
 こっちは本物のドラゴンに教えてもらったんだ!!!!
 滅竜魔法!!!!火竜の・・・」

「炎神の・・・」




「煌炎!!!!」

「カグツチ!!!!」

ドガァァッ!!!!!

「うわー!」

「ひえー!」

「何て威力だ!!」

「すさまじい熱気!!」

「竜と神の、」

「力のぶつかり合い!?」

俺達は思った事を言うのだった。

「ウヒヒヒ。」

「くっ!」

これは・・・!

ドン!!!

「がああああっ!!!!」

ナツさんが押し負けてしまった・・・!!

「ナツが押し負けた!?」

驚くハッピー。

「やかましいってよ!!ネコども!!!」

「っ!!」

まずい!!俺達の方にも、あの黒い炎で襲う気だ!!

「はぁ!!」

黒い炎が俺達を襲おうとしてきた!!

「まずい!!ダークウォール!!」

俺はそう言い、腕を闇で纏い、巨大な闇の壁を作った。
このダークウォールは相手の魔法や物理攻撃を防ぐ事ができ、
光の魔法の場合には、その魔法の能力を無効にできる。

ガブゴォォォン!!!

「ほう、俺の炎を防ぐか・・・少しはやるな・・・。」

「みんな!ダークウォールから離れろ!!少ししかもたん!!」

「わかった!!」

「うん!」

「ええ!」

「ああ!」

「あい!」

ウェンディ達はそう言い、ダークウォールから離れた。

シュウゥゥゥ・・・ボゴォォォォッ!!!!

「何て炎だ・・・!!」

俺はあの黒い炎がダークウォールを破壊できる魔力に驚く。

「ウヒヒヒ、神の炎を防ぐすべはねぇよ。」

「・・・・・・。」

「おい、ザンクロウ。」

「!!!」

俺達は声のした方を振り向いた。
そこには、30〜40代ぐらいの男がおり、
髪の毛は後ろに結び、緑色長い筒状の髪留めをしていた。

「れ・・・レッドノート・・・さん・・・!」

ザンクロウはそう言った。

「ん?こいつらがこうなってんのはお前がやったのか?」

レッドノードが言ってるこいつらはザンクロウが黒い炎で
殺した悪魔の心臓(グリモアハート)の一員達の事である。

「そりゃ・・・悪魔の心臓(グリモアハート)に弱い奴はいらねえから・・・」

「・・・・・・。」

レッドノートは右腕を上げ、掌をザンクロウに見せた。


パァン!!


「ぐあっ!!」

「「「「「「!!?」」」」」」

突如、ザンクロウが飛ばされた!?

「面倒な事してんじゃねえよ!!」

「す・・・すみません・・・。」

「たく。こいつらに頼んで、ゼレフ探すついでに、
 初代メイビス・ヴァーミリオンの墓を探せとけって思ったのによ。」

「っ!!」

初代の墓を探す!?

「じじいと兄貴に見つからずに先に来たってのによ。」

「この野郎!!」

飛ばされ、倒れていたナツさんが起き上がった!

「なんかもう1人いるけど、てめっぇも敵だな!!火竜の咆哮!!」

ナツさんはレッドノートに向かって火竜の咆哮を放った。

「ここは俺がやります。」

そう言ったのはザンクロウだった。

「知ってるか?人間に火という知性を与えたのは神だってよ?
 火を生んだのは人でも竜でもねえ。」

まさかこの人・・・!!

「神だ!!!!!」

がぶーーーーっ!

「いっ!!!?」

なんとナツさんの火竜の咆哮を()べた!!?

ガブ、ガブガブ

「そりゃ・・・ねぇ・・・って・・・。」

驚きを隠せないナツさん。

「うめえ炎だな。荒々しくて決して燃え尽きる事のねえ炎。
 だが竜を殺せる力があっても、神は殺せない。
 これが悪魔の心臓(グリモアハート)の魔法だ!!!!炎神の怒号!!!!!」

やばい!かなり強力な魔力だ!!咆哮を軽くしのいでる!!

「ダークウォ・・・」

「ふん。」

パァン!!

「ぐわっ!!」

何だ!?飛ばされた!!?まるで何かに押されたかのような感じだ・・・!

「ぐあああああ!!!!」

ナツさんは攻撃を受けて、崖から落ちてしまった。

「ナ・・・ツ・・・ナツーーーーーーー!!!!」

ハッピーはそう叫んだ。

「ウハハハハハッ!!!」

「ザンクロウ、さっきの奴はちゃんと始末しておけ。
 俺はこいつらから初代メイビス・ヴァーミリオンの墓を聞く。」

「へい。わかりました。」

ザンクロウはそのままナツさんの所へ向かって行ったのだった。

「さて、ガキと猫ども、初代メイビス・ヴァーミリオンの墓はどこにある?」

レッドノートが俺達に尋ねてきた。

「(初代の墓に何の用だ・・・一体・・・それに・・・)」

こいつの魔力・・・さっきのザンクロウとは違う、強力な魔力を感じる・・・!

「聞いてんのか?」

レッドノートは右腕を上げ、掌を俺の方に見せた。

「(まさか・・・!)」

パァン!

「っ!」

「ほう。軽めとはいえ、さっきのをかわしたか。」

肩に当たったが、俺は何とかかわした。

「この魔法は・・・。」

「かわしせたから特別に教えてやる。
 失われた魔法(ロスト・マジック)斥力(リッポーシャン)。」

「リッポーシャン・・・斥力?」

「そうだ。反発し合い、物体などを遠ざける力。
 さっきのはそれを応用した攻撃だ。」

レッドノートはそう言い、右腕を上げ、掌を俺の方に見せた。

「次は外さん。」

「っ!!ウェンディ!!ここから離れろ!!」

「え?」

「いいから!!ナツさんの所へ!!!」

「でも!お兄ちゃん!!」

「ウェンディ!ここはコージに任せましょ!」

「俺達がいては、足手まといだ。」

「・・・っ。」

「早く!!」

「気をつけて・・・!!」

ウェンディ達はナツさんの元へ走っていった。

「雑魚がいなくて助かるよ・・・遠慮なくやれるしな!!」

くる!!!


パァン!!


「っ!」

なんとか・・・かわし・・・

「甘いぞ。」

レッドノートはそう言い、左腕を上げ、掌を俺の方に見せた。

パァン!!

「ぐわあっ!!・・・っ!!」

俺は飛ばされたが、体勢を立て直した。

「光竜の咆哮!!」

俺はレッドノートに向かって、光竜の咆哮を放った。

「っ!!(間に合うか!!)」

レッドノートは右腕を上げ、掌を光竜の咆哮の方に向けた。

「はっ!!」

パァン!!

「何っ!?光竜の咆哮までも!!」

「俺の魔法はお前の魔法も遠ざける。
 ま、さすがに今のはギリギリだったが・・・なっ!」

レッドノートはそう言い、左腕を素早く上げ、掌を俺の方に見せた。

パァン!!

「があっ!!」

また飛ばされた!!

「ほらよ。」

パァン!!

「がああっ!!」

連続で俺は飛ばされた。

ダァン!!

「くそっ!!光竜の鉄け・・・」

「させん!!」



パァン!

「ああっ!!」

パァン!!

「ぐあああっ!!」

連続かよ・・・!!

「徹底的に貴様を倒そう。」

レッドノートはそう言い、両腕を上げ、掌を俺の方に見せた。

「そうはさせない!!」

俺はレッドノートの魔法攻撃をかわした。

「(よし、今の内に奴の後ろに・・・)」

「甘いぞ。」

パァン!!

「ぐわあっ!」

しかし、2回目はかわせなかった。

「(隙がないのか・・・!?)」

これはかなり苦戦するぜ・・・!!

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