小説『混沌の魔術師と天空の巫女』
作者:白鋼()

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                第4章 天狼島編
 
                  現在状況



天狼島の海岸付近、評議院の戦艦にて・・・

「負傷者の手当てを急げ!設備の修復は後回しでいい。」

そう言ったのはニルバァーナとラクッタ山の時にやってきた、
新生評議院第四強行検束部隊隊長ラハールであった。

「これより島へ乗り込む。戦闘準備ができた者は・・・・・・」

ビュン!

「!ドランバルト!!?そのケガは!!?」

ラハールは後ろを向くと、
そこには妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入り、
ウェンディをパートナーにしたが、リリーとシャルルによって正体がばれたメストであった。
本名はドランバルト、新生評議院、諜報部所属の男であった。

「俺は大丈夫だ。船の被害は?」

「大丈夫・・・とは言いがたいが、幸い死者は出てない。」

「通信用は魔水晶(ラクリマ)は無事か?」

「なんとか・・・一体、島で何があった!?」

ラハールの言葉にドランバルトは答える。

妖精の尻尾(フェアリーテイル)悪魔の心臓(グリモンハート)、黒魔導士ゼレフ。
 島では三つ巴の戦いが始まった。先程の船への攻撃は悪魔の心臓(グリモンハート)のものだ。」

ドランバルトはそう言った。

「通信用魔水晶(ラクリマ)を借りる!!この事を本部に通達しねーと!!」

「し・・・信じられん・・・・・・魔法界の目の上のたんこぶが、
 3つも同じ場所に集結している!?
 それは一体どれほどの確立が生んだ偶然なのか・・・・・・。」

ラハールは驚くしかなかった。さらに・・・

「議長グラン・ドマは厳格ゆえに、悪しき者への断罪を躊躇されぬお方。
 “封印されし光の一撃”が再び落とされるというのか・・・。」

ラハールの言葉にドランバルトが驚く。

「エーテリオンだと!!?」

「我々は上層部の決定に従う他、道はないのだけどね。」

「ま・・・待て!!
 確かに評議院は妖精の尻尾(フェアリーテイル)を目の仇にしてるが、
 ゼレフやグリモアと同列にすべきじゃねえ!!!!」

ドランバルトはラハールに向かってそう怒鳴った。

「それを決めるのは私達ではない。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

ドランバルトは今までの妖精の尻尾(フェアリーテイル)のギルドの様子と、
ウェンディに事などを思い出し、悲しい表情をしていた。

「さあ。早く本部へ連絡を。」

ラハールはそう言うのであった。
































一方、コージ達は・・・

「ナツさん遅いな・・・。」

あれから数分だが、何かあったのかな・・・?

「Zzz・・・。」

「寝てんじゃないわよ!!」

バッ!

「んぎゃ!!」

寝ているミントを叩き起こすシャルル。

「それにしてもナツさん遅いね。」

ウェンディがそう言う。

「しかし俺達はまだ動く訳にはいかないな。」

「ああ・・・マスターの容体が・・・まだな。」

マスターは大丈夫だろうか・・・。

「(しかしこのままじゃなあ・・・他の皆さんは無事だろうか・・・。)」

エルザさんやミラさん・・・ぐらいは大丈夫と思うが・・・あっ!

「そうだ!」

「お兄ちゃん?」

「みんな、俺ちょっと行って来る!!」

「ちょ、行くってどこへ!?」

「あの人達を呼びに行くんだ!できるだけ早く戻ってくる!!」

俺は急いで(エーラ)を出して、飛ぼうとするが、その前にウェンディの方を見た。

「戻ってくるからな。」

「お兄ちゃん・・・うん。気をつけて・・・。」

ウェンディがそう言った後、俺は空へと飛んでいった。

































それから数分がたち、悪魔の心臓(グリモンハート)の飛行船にて・・・

「ふははははは!これは愉快!」

椅子に座っていたハデスは笑っていた。

「ずいぶん上機嫌だなじじい。」

そこに、1人の男がいた。

「くくく・・・我が七眷属が3人もやられたようだ。
 やるではないか、マカロフの子らよ。」

ハデスはそう言い、頭にかぶっていた兜をテーブルに置いた。
ちなみに、その3人はザンクロウとカプリコ、華院=ヒカルである。
ザンクロウはナツにやられ、カプリコはロキによって倒された。
さらにカプリコは実は星霊で、磨羯宮のカプリコーンであった。
しかし、実際の正体はカプリコーンと融合した人間ゾルディオだった。
戦いの途中でロキと融合したが、ロキがゾルディオと融合する直前に
カプリコーンに魔力の受け渡しをした。
カプリコーンはその受け取った魔力でロキに融合したゾルディオを攻撃し、
ロキとの融合を解除した。そしてゾルディオは消えていったのだった。
華院=ヒカルは最初ルーシィと戦い押していたが、
途中でナツとウルティアに遭遇し、ウルティアがゼレフを捕獲し、
ハデスの所へ持って行く為、華院=ヒカルはナツとルーシィ達を足止めするのだった。
華院=ヒカルは自分の魔法である丑の刻参りを使った。
華院=ヒカルの丑の刻参りはノーロさんに髪をつける事で、
その髪をつけた者を操る事ができる。
だがそれだけではない、自分の髪を使い、
ノーロさんの材質を変える事で自分自身の強化も可能となる。
華院=ヒカルは取っておいたルーシィの髪を人形であるノーロさんにつけて、
ルーシィを操り、ナツを攻撃した。しかしハッピーによってノーロさんを奪われた。
取り返そうとハッピーを攻撃したが、ノーロさんはナツが奪った。
ナツは華院=ヒカルに攻撃するがかわされ、逆に華院=ヒカルの攻撃を受けてしまい、
近くの崖にぶつかり、下半身が動けなくなってしまった。
ルーシィも魔力が切れてしまい、華院=ヒカルによって殺されかけてが、
ナツがルーシィの髪をつけたノーロさんを利用し、
ルーシィを操り、華院=ヒカルを攻撃した。
そして最後にナツは自分の炎をルーシィの髪をつけたノーロさんの腕につけて、
ハッピーがスピードMAXで空へ飛び、一気に急降下した。
それど同時にルーシィも一気に上へ飛び、全身が炎を纏い、下へ一気におり、
そのまま華院=ヒカルの顔面を蹴って、勝利したのだった。

「俺の出番かい?」

「いやいや主が出る様な戦ではない、ブルーノート。」

男の名はブルーノートであった。

「俺にも少しは遊ばせてほしいな。
 体がなまっていけねぇし、レッドノートの奴は勝手に行くし。」

「貴様の双子の弟はせっかちじゃの。」

そう、レッドノートはブルーノートの双子の弟であったのだった。

「あ〜あ・・・退屈だ・・・。」

ブルーノートがテーブルに手を置いた、次の瞬間であった・・・!


ガタガタ、ゴゴゴゴゴゴゴゴ、ズズズ・・・ズズズズズズズズ!!!


悪魔の心臓(グリモアハート)が大きく揺れたのだった。

「これ、よさんか。」

「何だよ。船を沈めときゃ奴等に見つかる事もねぇだろ?」

ブルーノートはそう言い、テーブルに置いた手を離した。

「晒しておけばよい。マカロフの子らはここに集まる。
 ここが悪魔の口の中とも知らずにな。」

「エサを口まで運んでもらわなきゃ食えねぇのかよ。俺なら食いに出る。」

「主はここにいろ。主が動けば場が荒れる。鎮まれ。」

「ち。七眷属(ボウズ)共はあと4人、約半数だ。
 あと1人減ったら出るぜ。今日は飛べそうなんだ。」

ブルーノートはそう言い、椅子に座った。





































一方、評議院の戦闘艦にて・・・

「ブルーノートとレッドノートだと!?あのスティンガーの兄弟が!!?」

「カブリア戦争でゴウラ中佐率いる青竜連隊と
 クラーゴ少佐率いる白虎連隊を壊滅させた双子の兄弟。
 奴等の通った道には雑草すら残らんと言われるほどの大魔導士。」

「そんな大物が・・・悪魔の心臓(グリモアハート)にいたのか・・・。」

ラハールの話にドランバルトは驚き、体が震えていた。

「もはや我々だけで手に負える相手ではない。もちろん、妖精の尻尾(フェアリーテイル)にもな。」

しかし彼らは知らなかった。レッドノートがコージにやられた事を。

「さっさと本部に連絡をしよう。その結果までは我々の知る範疇ではない。」

ラハールは通信用魔水晶(ラクリマ)の方へ行き、本部へ連絡をしようとした。しかし・・・!

ガシ

「!」

ドランバルトがそれを止めた。

「少しだけ時間をくれ。」

「な・・・何を・・・!」

ドランバルトは通信用魔水晶(ラクリマ)に手を置いた。そして・・・

ヒュン!

「!」

ドランバルトは瞬間移動でどこかへ消えたのだった。

「ドランバルト様!!」

「通信用魔水晶(ラクリマ)を持っていっちゃうなんて〜!」

「これじゃ本部への連絡が遅れちまう!!」

ドランバルトがいなくなった事で周りの評議院の部隊達は驚いていた。

「何をする気だ、ドランバルト!」

ラハールはそう言ったのだった。































一方、ウェンディ達は・・・

「一体コージはどこへ行ったの・・・。」

「お兄ちゃん・・・。」

コージがどこかへ行き数分が経った。その時・・・!

「コージーーーー!!ウェンディーーーー!!」

「!ナツさん!!」

「ルーシィ!!」

「ハッピーもね。」

ナツ達が戻って来た。

「マスターの具合は?」

「まだ何とも言えないわ。」

ルーシィの言葉にシャルルがそう言う。

「コージは?」

「どこかへ行ったみたい・・・詳しくはわからない。」

「そうか。」

ミントの言葉にナツはそう言う。

ドヒュン!

「「「「「「「!!!」」」」」」」

突如、ドランバルトがナツ達の前に現れた。

「貴様は!!」

ドランバルトの登場にリリーは驚く。

「(彼がいない・・・!?)」

ドランバルトは心の中でそう言った。その彼とはコージの事である。

「どこ行ってやがったんだコノヤロウ!!」

ナツはドランバルトに向かって、そう言う。

「この人が評議院のメスト・・・。」

「本当の名はドランバルトだ。」

ルーシィの言葉にドランバルトがそう言う。

「ドランバルトさん?」

「心配しなくていい、ウェンディ。俺はお前達を助けにきた。」

「!?」

「え?」

「ほへ?」

「俺の魔法があれば、妖精の尻尾(フェアリーテイル)のメンバーだけを
 この島から脱出させる事ができる。何とか全員の居場所がわかれば・・・」

ドランバルトはナツ達をこの天狼島から脱出させようとしたのだ。しかし・・

「お断りしますってヤツだ。」

「な?」

ナツの言葉に驚くドランバルト。

「何で私達が評議院の助けを借りなきゃならないの?」

「ギルドの問題は自分達で片づけるさ、ここの連中は。」

「詩文の尻は自分で拭くってヤツだよ!」

シャルルとリリー、そしてミントがそう言う。

「そうじゃない!!
 今のこの状況を本部に知られたら、島への攻撃もありうるって話だ!!!」

「またエーテリオンを落すつもり!?」

ドランバルトの言葉にハッピーがそう言う。

「こりないわね、アンタらも・・・。」

ルーシィがそう言う。

「その前にカタをつければいいだけだ。」

ナツはそう言う。

「マカロフもやられた!!悪魔の心臓(グリモアハート)にはまだ恐ろしい奴が残っている!!!
 勝てる訳ねえだろ!!!!」

「オイオイ・・・だから島ごとふっ飛ばそうってか?」

ドランバルトの言葉にナツはそう返す。

「この島は私達ギルドの聖地、初代マスターのお墓もあります。
 そこに攻撃するなんて・・・!」

「信じられない!!そんな事をしたらみんな・・・ただじゃおかないわよ!!!」

「オイラ達はそうやってギルドを守ってきたんだ。」

ウェンディとルーシィ、ハッピーがそう言う。

評議院(俺達)を脅すつもりか!!!!魔導士ギルドごときが!!!!」

ドランバルトは怒鳴ってそう言う。すると・・・

「いいか、よく憶えとけ。」

「!」

ナツがドランバルトの顔を近づけて言う。

悪魔の心臓(グリモアハート)だろうが評議院だろうが関係ねえ。
 家族(ギルド)に手を出す奴はみんな敵だ。全て滅ぼしてやる。」

ナツは怒りの表情でそう言った。

「!」

ウェンディは空を見上げた。空には黒い雲が現れていた。

「この空気・・・空が荒れそうですね。」

ウェンディはそう言うのであった。
































時を少し戻り、コージは・・・

「どこだ・・・どこだ・・・!」

俺はアレを探していた。

「あの人達を・・・っ!」

あれは・・・!!

「見つけた!!」

俺は急いで行った。

「あの人達となら!待ってろ、みんな!!!」

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