小説『混沌の魔術師と天空の巫女』
作者:白鋼()

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                第4章 天狼島編
 
                 ブルーノート



一方、ナツ達の方では天狼島に雨が降り、近くの洞くつにいた。

「星霊界のお召しものでございます、姫。」

「ありがとう、バルゴ。」

「わ・・・私の分まであるんですか。」

ルーシィとウェンディは洞窟の奥でバルゴが星霊界から持ってきた服を着替えていた。
ちなみに、洞窟の中で入り口近くに寝ているマカロフとドランバルトがおり、ナツは外にいる。

「雨やまないわね。」

「シャルルとミントとリリー、大丈夫かなぁ?」

シャルルとリリーとミントは仲間達と悪魔の心臓(グリモアハート)の飛行船勘を探しに行っていた。

「お。」

ナツはシャルルとミントの姿を見てそう言う。

「シャルル、ミント。リリーはどうした?」

「途中で私達のキャンプがあったの。ガジルやミラが重体よ。リリーはそこで降りるって。」

「あと、悪魔の心臓(グリモアハート)が私達のキャンプのある場所からさらに東の海岸にあった。」

シャルルとミントはそう言う。

「大丈夫だった?」

「うん。」

「ええ。」

ハッピーの言葉にシャルルとミントはそう言う。

「俺達のキャンプか・・・・・・。」

「ねえ・・・一旦そこまで行かない?カナもそこにいるかもしれないし。」

「そうですね。みんなと合流した方がいいと思いますけど・・・」

「コージか?」

ナツの言葉にウェンディは頷く。

「大丈夫よ。」

「コージならきっとわかると思うよ〜。」

シャルルとミントがそう言う。

「俺は・・・」

そう言ったのはドランバルトだった。

「評議院を止めてくれ。」

「・・・・・・。」

ナツの言葉に何も言わないドランバルト。

悪魔の心臓(グリモアハート)もゼレフも、必ずあたし達がなんとかするわ。」

「島への攻撃をなんとか止めてください。」

ルーシィとウェンディはドランバルトに向かってそう言う。

「できる訳がない。」

ドランバルトはそう言う。

「じゃあ時間をかせぐだけでいい。頼むぞ。」

ナツはそう言い、マカロフを背負う。

「違う!!そっちじゃない!!
 今のお前達の置かれてる状況をどうやったら打破できるというんだ!!!」

ドランバルトは怒鳴ってそう言う。

「全力でやる!!!!それだけだ!!!!」

「・・・・・・。」

こうして、ナツ達はキャンプへ行く事となった。




































一方、悪魔の心臓(グリモアハート)の飛行船にて・・・

「まさかメルディまでやられるとは。七眷属が半数を切る事は予想しておらんかったな。」

ハデスがそう言う。
メルディはエルザとジュビアと戦っていたが、
途中でジュビア1人との戦いをし、ジュビアの説得により終わったのだった。

「ブルーノート。」

ハデスがブルーノートの名を呼ぶが、ブルーノートはそこには居なかった。

「フゥ。やれやれ手遅れか・・・。悪いなマカロフ。
 奴だけは使うまいと思っていたのだがな、終わりだ。」

ハデスはそう言うのであった。


























一方、ナツ達は・・・

「ドランバルトさん、大丈夫かなぁ?」

「ほっとけばいいのよ、あーゆーのは。」

ウェンディの言葉にシャルルがそう言う。

「あたしはカナが心配。どこかではぐれたんだろう。」

「キャンプにいるといいね。」

ルーシィの言葉にハッピーがそう言う。

「ん?誰かいるぞ。」

「「「「「!」」」」」

ナツ達はその場で止まる。


オオオオオ、ドドド、ドドドド、バシャ!バシャ!


「!こいつさっきの!でも匂いが少し違う・・・!?」

「な・・・。」

「なに?この魔力・・・・・・!」

「何でアイツがいるの・・・!?」

「たしかコージにやられたんじゃ!!」

「肌がビリビリする・・・!」

ナツ達はその人物に驚いていた。魔力と姿に・・・

「てめぇ!なんでここに・・・!!」

レッドノート(あいつ)のことか?まぁいい・・・飛べるかなァ?」

「「「「「「?」」」」」」

「いや・・・まだ飛べねぇなァ。落ちろ。」

その男は、レッドノートの双子の兄、ブルーノートであった。
そしてブルーノートの言葉と同時にナツ達にブルーノートの魔法が襲いかかってきた。


ゴガッ!!!ドドド!!!!


「ぐはあ!!」

「きゃああ!!」

「あああ!!」

「う・・・動けない・・・!!!」

「重い・・・!!!」

「重力!!?」

そう、ブルーノートの魔法は重力である。その魔法がナツ達を襲ったのだった。


ズガガガガガガガガ!!!!


「うあああ!!」

「ああああ!!」

ブルーノートの重力魔法はまだ襲ってきた。
その魔法により、溝ができ、その溝にナツ達が倒れるかのようになっていた。

「俺はよう、妖精の尻尾(フェアリーテイル)にもゼレフにもあまり興味はねえのよ。」

「うぐ・・・。」

「うう・・・。」

「ああう・・・。」

「だけど、1つだけ()()()()がココにあるんだ。
 妖精の尻尾(フェアリーテイル)初代マスター、メイビス・ヴァーミリオンの墓はどこだ?」

ブルーノートはそう言うのだった。

「(この人も初代の墓を・・・!?)」

ウェンディは心の中でそう言った。
先程のレッドノートもそう言っていたのを思い出した。

「俺が探している物、妖精の輝き(フェアリーグリッター)がそこにある。
 妖精の法律(フェアリーロウ)に並ぶと言われてる、
 てめえ等のギルド三大魔法の1つだろ?」

「なんだよそれ・・・」

ズン!!

「ぐおああああ!!!」

「ナツさん!!」

「ナツ!!」

「つ・・・潰れる・・・!」

ナツはブルーノートの魔法を受けていた。

「その輝きは敵の存在を許さない無慈悲なる光。」

「そんなの知らな・・・」

ズン!!

「ぷぎゃ!」

「ハッピーしっかりしなさい!!」

ハッピーがブルーノートの魔法を受けて、ルーシィはそう言う。

「俺はその魔法が欲しい。」

「こんのヤロォォォ!!!!」

ナツはブルーノートへ接近しようとした。

「メイビスの墓に封じられてるらしいな。その場所を教えてくれんかね?」

「オオオオオ!!!!」

ブルーノートが話している中、ナツはブルーノートへ接近し様と走っていた。
ブルーノートは右腕を少し上げた。

ドムッ!!

「がっ!」

「俺の話聞いてる?」

「あ・・・あ・・・あ・・・。」

「ナツーーーーーー!!」

「そんな・・・」

「なんなのコイツ・・・」

ナツはブルーノートの魔法を受け、ダメージを追い、そのナツの名を叫ぶハッピー。
ウェンディは体を震え、怯え、ルーシィはブルーノートの魔法に怯えていた。

「ん?そこでヨレてんのマカロフ?」

ブルーノートは倒れているマカロフを見た。

「なーんだ。そいつに聞けばいいのか。」

「じっちゃんに手を出してみろ!!!!ただじゃおかねえぞ!!!!」

ブルーノートの言葉にナツはそう怒鳴った。

「(コイツ・・・強すぎる・・・)」

「(どうしよう、どうしよう・・・お兄ちゃん・・・!)」

「(誰か・・・)」

「(まずいわね・・・。)」

「(やばいよ〜・・・!)」

ナツ以外のウェンディ達は心の中でそう思っていた。
ブルーノートはゆっくり歩き、ナツ達に近寄ってきた。
目的は妖精の尻尾(フェアリーテイル)初代マスター、メイビス・ヴァーミリオンの墓をマカロフから聞き出す為である。


だが次の瞬間だった・・・!


「お前かァ!!!!」

「お!」

「カナ・・・!」

「カナさん!!」

ルーシィが途中でいなくなったカナであった。

「これ以上仲間をキズつけるんじゃないよ!!!」

カナはそう言い、カードをブルーノートめがけて投げる。しかし・・・


ギャウッ、ズドドドン!


ブルーノートの魔法により、カナの投げたカードは方向が変わり、下へ落ち、地面が割れた。
しかしカナはそんな事を気にせず、ブルーノートへ接近しようとした。

妖精の(フェアリー)・・・」

キュイイイイン!

「!」

カナの右腕から光が集まってきた事にブルーノートは気づく。

「光?何だあの魔法!?」

「コージのとは・・・なんか違う・・・。」

ハッピーとミントがそう言う。

「まさか・・・!」

ブルーノートは自分が探している魔法だと気づく。

ズドン!

「うあっ!」

ブルーノートは魔法でカナを下へと落とした。

「くっ!」

「てめえが持ってるその魔法は・・・」

妖精の輝き(フェアリーグリッター)!!?」

「「え!?」」

シャルルの言葉にハッピーとミントは驚く。

「ルーシィ、置いてっちゃってごめんね。
 弁解の余地もないよ・・・本当にごめん・・・。」

カナはルーシィに向かってそう言ったのだった。
実はカナはどうしても試験を続ける為、ルーシィから墓の場所の答えを聞いた後、
ルーシィを眠らせて、1人で行ったのだった。
墓に着いたが、その後でルーシィがピンチだという事に気がつき、
己のやってしまった事にも気がつく。
そんな時に墓から声が聞え、妖精の輝き(フェアリーグリッター)を貸す事となったのだった。

「だけど今は私を信じて。あいつにこの魔法を当たりさえすれば、確実に倒せる。」

カナはそう言う。

「すごい!!!お墓で手に入れたの!!?」

ルーシィがそう言う。

「墓に行ったって事は・・・オイ・・・まさか試験は・・・」

ナツは二次試験の事を思い、そう言おうとしていた。

「今はその話はおいとかない?あいつを倒す為に協力してナツ。」

「ムゥ。」

「私が“魔力”をためる間、あいつをひきつけて。」

「むう〜。」

カナの言葉にどうしてもナツはしたくない様子。

「フン。」

ズン!!!!

ブルーノートはナツ達を魔法で突き飛ばすかのように攻撃した。

「ぐぁ!」

「あう!」

「きゃあ!」

「にゃー!」

「ううっ!」

「ふげっ!」

「くっ!!」

「俺の重力下で動ける者などいねぇのさ。
 まさか探してた魔法が向こうからノコノコやってくるとはなァ。」

ブルーノートはそう言う。

「その魔法は俺が頂く。」

「くぅぅ・・・この魔法はギルドの者しか使えない・・・お前らには使えないんだ!!」

ブルーノートに向かってカナはそう言う。

「“魔”の根源をたどれば、それは1つの魔法から始まったとされている。
 いかなる魔法も、元はたった1つの魔法だった。」

ブルーノートはそう言う。

「(たった1つの魔法・・・?この話・・・昔どこかで聞いたことあるような・・・!)」

ルーシィはブルーノートが言った言葉で「たった1つの魔法」に何か心当たりがあった様だった。

「魔道の深淵に近づく者は、いかなる魔法も使いこなす事ができる。」

「う!」

ブルーノートは魔法でカナを浮かせた。さらに・・・

メキメキメキメキ!!

「ぐあぁ!!」

「カナ!!」

カナを浮かしたまま、重力の重さを加え、カナを苦しめた。

「逆に聞くが小娘。」

「うう・・・ぐ・・・!」

「てめえの方こそ、妖精の輝き(フェアリーグリッター)を使えるのかね?」

ブルーノートはカナに向かってそう質問した。

「う・・・ご・・・け・・・。」

ナツはブルーノートの重力下により、体が思うように動かなかった。

「あた・・・りま・・・えだ・・・!」

「太陽と月と星の光を集め濃縮させる超高難度魔法。てめえごときに使える訳ねえだろうが。」

ブルーノートはそう言う。

バキバキバキ!!

「うあぁああ!!」

「安心しろ。その魔法は俺がもらってやる。」

バキバキバキバキ!!!

「ああああぁあぁあ!!!!」

ブルーノートの魔法でカナは更に苦しめられていた。

「オォオオ!!」

ズボッ!

「ナツさん!?」

ナツが自分の顔を地面に埋め込んだ事にウェンディは気づく。

「火竜の・・・咆哮!!!!」

ドゴォン!!

「!!!」

ナツはそのまま、火竜の咆哮をブルーノートに放ったのだった。
ブルーノートは「ギロ」とナツを睨みつけた。

「邪魔だクズがァ!!!」

ズドン!!

「うあぁ!!」

「きゃああ!!」

「あうう!!」

ブルーノートの魔法により、ナツとルーシィとウェンディは飛ばされた。

「ナイス!ナツ!!」

「!」

「行けーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」

そう、ナツはカナのいう通りにブルーノートを気を逸らせ、カナに魔力をためる時間を作ったのだった。

「(私にはこの魔法が使える!!!!)集え!!!妖精に導かれし光の川よ。」

カナの言葉と同時に光の柱が現れ、カナの右腕に集まってきた。

「(妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士だから!!!!)
 照らせ!!!邪なる牙を滅する為に!!!」

「バカな・・・!?」

妖精の輝き(フェアリーグリッター)!!!!」

強力な閃光がブルーノートに襲い掛かった。

「ぐおあああ!!!!」

「すごい光!!」

「これがギルドの三大魔法の1つ!!!」

ルーシィとウェンディがそう言う。

「消えろォオオオオオオ!!!」

「オォオォオオ!!!!」
























「フン!」

パァン!!

「あああっ!!!」

突然、カナが飛ばされたのだった。

「何やってんだよ?」

「・・・レッドノートか。」

カナを飛ばした人物は何とコージが倒したと思ったレッドノートだった。

「(この人・・・!お兄ちゃんが倒したんじゃ!!?)」

ウェンディは心の中でそう思った。

「ち。これを外すんだった。」

レッドノートはそう言い、持っていた枷の様な物を投げた。

制限の枷(リスレクトシャコー)か。」

制限の枷(リスレクトシャコー)。行っての魔力を制限するマジックアイテムである。

七眷属(ボウズ)共と同じにしてはおいたが、強ぇボウズとな・・・。」

「負けたのか。」

「うるせぇ。それにしても・・・」

レッドノートはカナを見た。カナの右腕が傷だらけになっていた。

「今の魔法、妖精の輝き(フェアリーグリッター)のようだったか?
 しかし術者がクズの様だな。」

「ああ。あの程度で妖精の輝き(フェアリーグリッター)とは・・・笑わせんな。」

レッドノートとブルーノートはそう言う。

「兄貴、妖精の輝き(フェアリーグリッター)はくれてやる。
 俺はじじいからアレをもらうぜ?」

「・・・ああ。別にいいぜ。」

「よし。させと。」

レッドノートはある人物の元へ行った。

「え?」

ウェンディだった。レッドノートはウェンディの髪を握り、持ち上げた。

「ああ・・・うう・・・。」

「おい、さっきの小僧はどこへ行った?」

レッドノートはそう言う。どうやらコージを殺したい様子だった。

「(そんな・・・)」

「知ってるかね?殺した後でも“魔法”を取り出せるって。」

ブルーノートはカナの所へ行き、そう言ったのだった。

「(私の力不足で・・・・・・。)」

カナはもはや戦う気力が無くなってしまった。
敵の2人から妖精の輝き(フェアリーグリッター)が使えても、
クズだと言われ、仲間を危機にさらせてしまった事に・・・。

「カナ・・・ウェンディ・・・。」

「やめ・・・て・・・。」

「ウェン・・・ディ・・・!」

「誰か・・・助けて・・・!!」

ナツ、ルーシィ、シャルル、ミントがそう言う。

「小僧はどこだ?」

レッドノートはそう言う。

「お兄・・・ちゃん・・・。」

ウェンディは泣きながら、そう言う。

「お前は地獄に落ちろ。」

「・・・・・・。」

ブルーノートはそう言い、カナは何も言わなかった。
もはや、絶体絶命となってしまう状況になった・・・

































だが次の瞬間だった!




















ドーーーン!!

「ぐおっ!!」

「何!?」

バァーーーン!!

「ぬおっ!?」

突如、レッドノートとブルーノートが飛ばされた。


「あ・・・!」

ウェンディの目にはある人物がいた。

「お兄ちゃん・・・!」

兄で恋人のコージだった。そしてブルーノートの方にいた人物は・・・


「ギルダーツ!!!!」

「ギルダーツだーーーーー!!!!」

ギルダーツがいたのだった。

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