小説『天使の声』
作者:ミカエル()

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ある日

泣いていた私の耳元で

優しい声が聞こえた

「私はずっとそばにいるよ
 あなたが私を求めれば、私はあなたに愛を送るよ」

悲しみでいっぱいだった私の心に
愛の感情が広がっていくのがわかった

悲しいと
打ちひしがれていると
悲しみは悲しみを呼ぶだけで

愛の感情に意識を向ければ
愛はあなたの元に寄ってくる

なぜかは知らないけれど、
そういう考えが頭の中でパッと浮かんだ

悲しみは今だけで
明日になれば、もう忘れよう

今は悲しい
でも明日は幸せかもしれない

明日なんてどうなっているのかなんてわからないし
今を本当に大事に生きていこうって

そう思い始めたら
悲しんでいた自分が馬鹿らしくって
なんだか時間がもったいない気がした

私は何を悲しんでいるの?

そんな自分も愛しい
すべてを受け入れてこそ
本当の愛を味わえる

私は幸せな存在であるべきなのに
どうして悲しんでいるの?

そう思えたら、笑っている自分がいた

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