小説『コメディ・ラブ』
作者:sakurasaku()

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「あと3日で東京帰れるね」

「やった。嬉しい。やっと彼に会える」

スタイリストのアシスタントの女の子達が隣の部屋で喋っている。

俺はアイスを食べながら、一か月も男ほったらかしにしたら確実に浮気してるぞと心の中だけで忠告しておいた。

そこへ課長が暗い顔をしてやってきた。

「課長、どうしたの?元気ないじゃん」

「……晃さん、折り入って相談したいことがあるんですが」

「何?何?俺、今暇だから何でも聞くよ」

「ありがとうございます。俺、実は好きな女がいて……」

そうゆうことか。俺は自分の胸を叩く。

「恋愛相談ならこの俺にまかせろ。で、どんな内容なんだ?」

「……長くなるんですが、小学5年生のときにさかのぼるんですけど」

俺はなんだかワクワクしてきた。

「いいね。幼馴染ってやつ?」

「その時、お互い好きだったんです。でも俺がついつい好きじゃないって言ってしまって……彼女その日に転校することになってて」

俺は目が潤んできた。

「それで?」

「家にもいったんですが、もうもぬけのからだったんです」

我慢できずに涙か落ちる。

「ううっ。映画みたいだな」
  
「でも、4年前偶然村の小学校に教師として赴任してきて……再会できたんです。」

自分のことのように嬉しくなり、また涙がでた。

「何だよそれ!運命じゃん!」

「……でもずっと好きだって言えなくて」

怒りで立ちあがってしまった。

「何やってるんだよ。4年も放置プレイするなんて!」

課長は表情がさらに暗くなった。

「……そうですよね」

「絶対に彼女も君の事好きなはずだ。もう告白するしかない!」

俺はあることに気がついた。

「小学校にいるってことは……ことはもしかしてその相手って……」

課長はまっすぐに俺を見据えた。

「そうです」

「……そうか!いやあ、わかるよ。なんか色っぽいもんな。フェロモンいっぱい出てる気がする」

「色っぽい!?」

俺は顔が真っ青になる。

「あっ、でも今監督と付き合ってるって……ああゆう女は気をつけろよ!男を食い物にするからな!」

「ち、ちがいます!佐和子じゃありませんよ!」

「じゃあ誰だ?この村に若い女なんて滅多にいねえのに。小学校にいたかな……あっ!」

俺はその時アイスを地面に落した。

何を喋っていいかわからずしばらく突っ立っていた。

課長は俺を真剣な眼差しで見ている。

「そうです。美香ですよ」

勝手に話を聞いていた義信が口をはさむ。

「美香先生ですか?意外でした」

急に課長の顔がほころぶ。

「美香はああ見えても、優しいし、気遣いができるし、面倒見いいし、化粧してお洒落したらそれなりに美人なんですよ」

義信がうなづく。

「確かに、美香先生って顔立ちが綺麗でスタイルいいですもんね」

課長が自信たっぷりに言った。

「俺しか知らない良さがたくさんあるんです」

「そ、そ、そうか」

俺はただ作り笑いするのが精いっぱいだった。

「晃さん、今日美香に告白します。俺晃さんにはちゃんと言っておかなきゃいけないと思って」

「な、なんで俺の了承が必要なんだよ。ははははっ」

その時、タイミングよく女性スタッフが呼びに来た。。

「晃さん、リハお願いします」

「おっ、うんわかったぞ。いやあ精が出るなぁ。はははっ」

俺はそのあとのことはよく覚えていないが、きっとなんとかやりこなしたんだろう。



















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