「わけのわかんねーTwitterだな」
息を大きく吸いながら携帯を鞄にしまった。
今日もトニーのおばちゃんは忙しそうに注文をとったり料理を作ったりしている。
「じゃああの熱愛報道は違ったの?」
佐和子が心配そうに顔を覗きこんできた。
「うん」
そう呟くとカクテルの氷をストローで何回も突っついた。
「美香ちゃんはどうしたいの?」
佐和子が笑顔で尋ねた。
「……どうしたいんだろうね」
溶けかけたカクテルを一口飲んだ。
「いらっしゃい」
おばちゃんの威勢のいい声が耳に飛び込んでくる。
「……美香ちゃん自分でももうわかってるんでしょ?」
私は思わず佐和子を見上げた。
「明日は土曜日だから、東京行きの電車混むかもしれないわね」
佐和子は優しく微笑んでいた。
「……ありがとう」
色んな感情が頭の中に溢れすぎて、自分でも自分のことがよくわからない。
けれど佐和子のおかげで綺麗に整理することができた。
「会いたい。ただ傍に居たい」
どうしてこんなに単純なことに気がつかなかったんだろう。
「あっ明日のスケジュールよしくんに電話して聞くわね」
佐和子は携帯電話を取り出しよしくんにかけている。
よしくんって、いつのまに義信にまで……
思わず余計なことを考えているといつの間にか電話は終わった。
「美香ちゃん、明日は午前はスタジオで午後3時ぐらいには終わって事務所に休みに帰るんだって」
「……ありがとう」
男癖の悪さは置いておいても本当に佐和子と友達で良かったと心から思う。