小説『旅の思い出』
作者:ヨナ(ヨナ日記)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

何もかも嫌になって、手に入れたのは航空チケットだった。

小さな頃、大好きだった一枚の写真。それがいつどこで撮影されたものなのか全く知らなかったけれど、きっと、どこか南の国なのだと信じていた。真っ青な空。白い砂浜の上に転がる黒い丸太のような流木。左側から空へ向けてしなやかに伸びる一本のやしの木。そして、悠々と横たわる、海。

あそこへ、行こう。

そう思いついた。



-1-
Copyright ©ヨナ All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える