小説『日本式魔術師の旅〜とある魔術編〜』
作者:ヨハン()

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Side-???

「・・・ここは一体・・・どこでしょうか?」


目の前一帯に広がるのは春夏秋冬様々な花に、蒼天輝く美しい空。
それこそ、いままでの人生で見たこともない・・・いや見ることができないような世界


「こんなにも美しい世界は見たことがないですね。
 いえ、むしろ通常ではありえない美しさでしょうか。
 人がいる世界ならばありえないく、また人がいなければありえないという矛盾した世界ですかね?」

<ほう、なぜそう思うのかの青年よ>


すると突然頭の中に声が響く。その声は優しく慈しみあふれている、そう愛する子供たちを見守るような親の声であった

「誰でしょうか?あなたは?・・・それとも何ですかと聞いたほうがよろしいでしょうか?」

<ほっほっほ、今までに人をこの場所に呼んだことがあるが・・・
 そのような反応をする者は久しぶりじゃのう>


今度は頭の中ではなく、実際に聞こえてきた。そしてそれと同時に頭上に老人があらわれ、舞い降りてきた


<ふむ、ワシを何か・・・か、実際に言葉に出すことはできぬが神とでもいっとくかの>

「神・・・ですか。ならばこの世界にも納得ですね。」


そういって私は周りを見渡す。


<先もそういっておったが、なぜそう思うのかの?>

「なぜも何もこの景色はあり得ない。春夏秋冬の花が咲き空は人が汚した大気のせいで
 こんなにもきれいなことはあり得ない」

<主の知らぬ間に科学が進んだのかもしれぬぞ?>


老人・・・いや神様は楽しそうであり、ほほえましいものを見るような声で問いてきた。
しかし私は周りの自然を見渡しながら答える


「真っ先にその考えは浮かびました、しかしそれではこの自然がおかしいのですよ。
 春夏秋冬の花が入り乱れており、人が管理を行っている形跡がない。
 ここまではいいのですが、ひとが手入れをした形跡がないのに植物の配置があまりにも調和しすぎている。
 それこそ何者かの意志のように・・・ね。
 人ではできぬが、人のような感性を持つ存在でしかこのようなことはできない。ゆえに納得したのです   よ。」

<素晴らしい観察眼じゃな。あっぱれじゃ>

「私には必要な技能でしたゆえ、それほどでもありませんよ」


そこで私は神様に目を合わせ問いた


「私に何か用があるのではないのでしょうか?神様?」

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