小説『日本式魔術師の旅〜とある魔術編〜』
作者:ヨハン()

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Side-レイゴ

神裂火織・・・どこかで聞いたころがある名前ですね。
一体どこででしょうか


「・・・それで、神裂さんが一体何のご用でしょうか?」

「あなたは日本を守護する一族なんですよね?」

「ええ、そうであると自負しています。」


名前からしても日系人ですが、聞きたいことは日本に関することとみたよろしいようですね

例え日系人だとしてもネセサリウスに所属する以上、
一族の一員としてこちらの利益・不利益を計算しなくてはいけないため、
全てを見極める。

そういう気概で見つめる


「あなたは天草式十字凄教を知っていますか?」


天草式十字凄教。それは日本における魔術組織の一つでその名の通り十字峡の一派である。
特徴は偽装や偶像のスペシャリストであり、得
点でいただいた偶像理論の研鑽にネセサリウスのように研修に行った組織でもある。
その際に代理を務めている建宮斎字さんに世話になり、
五和という少女とともに修行も行った。

今現在も五和など何人かとは連絡を取り合っていたり修行、遊んだりする仲でもある。

しかし何故彼女が天草式を?
・・・いや、そういえば建宮さんはあくまで代理でした。
確かその前に女教皇という存在がいたが、彼女が離脱したため代理を務めていたはずだ

その彼女の名前は


「・・・・女教皇神裂火織」

「!!知っているのですね!彼らは!彼らは今一体どうなっているのでしょうか!!」

「・・・何故あなたが知りたいんです?
彼らを見捨てたあなたが。」

「っ。そ、それは」

「まあ、別にかまいませんが」

天草式を気にし、ここで言葉を詰まらせる以上何かしらの理由があるみたいですね・・・


「元気ですよ。
まな精一杯魔術の研鑽をすみ、チームワークを磨き努力していますよ。」

「そうですか。」


いかにも安心している様子でしたが、すこし現実を伝えるとしましょうか


「ええ、今は元気ですよ。
しかし女教皇の足を引っ張らないようにと、
守られる存在から、供に戦える仲間となれるように。
自らの限界を超えた修行を行っています。
あれだはいつ潰れてもおかしくはないでしょう。」

「なっ!」

「潰れるのは明日か、明後日か、一月後か、一年か、まあほぼ確実につぶれるでしょう。
物理的にか、精神的にかは知りませんがね。」

「な・・なぜそんなことがわかるんですか」


神裂さんは声を震わせ、手を握りしめながら、声を絞り出したようだ


「簡単です。
彼らを鍛える存在がいないからですよ。
彼らの目標の女教皇がいくら聖人であっても、まだ少女だったでしょう。
まだまだ強くなる余地があり、おそらく強くなっているでしょう。
しかし彼らにはそれを想像できても、見ることができない。」


アークビショップは何も言わず紅茶を飲んでいる。
しかし意識がこちらを向いているのがわかる。


関与する気はなしですか

「百聞は一見にしかず。
その通りたとえ努力しても、現実に見ることができない以上それに対応した修行ができない。
そのため差は開く。しかしそれに気づかず努力を行う。
自らの度を越えた敵と相対し体を痛めても、目標のために戦い潰れていくでしょう。」

「・・・れ・・」

「そしていつかは実際の差を目のあたりにするときも来るでしょう。
その時におそらく才能というものに絶望し精神が潰れるでしょう。」

「・・まれ」

「神裂さんに見捨てられたことで彼らの運命は決まったも当然です。」

「だ・・・れ」

「彼らが強くなる機会は奪われてしまったのですから。」

「だま・・・・」

「別に攻めはしませんよ?だって自分より弱い存在は邪魔ですからね」

「だまれーーーーー!」


机を蹴り飛ばし、当たりのものを蹴散らしながら神裂は進む
風のように、何もない平野を走るように


「ぐっ、何をですか?私が語っていることは真実ですよ?」

「黙れ黙れ黙れ!彼らのことを!私のことを知らないど素人が好き勝手喋ってんじゃねえぞ!!」

「ふむ。それはそれは、すいませんでした。
で?これでよろしいでしょうか?」

「キサマッ!」

「そこまでになりけるのよ。」


神裂さんが私を殴ろうと振りかぶった瞬間に待ったが入る


「これ以上ここで暴れられたら、困るのでけるよ。
それに殺人沙汰は困るのでな、しかしここで止めたら後腐れが残るであろうから、
どうであろう?一よここにいる火織と模擬戦というのは。
そうすれば一の実力も知れるし後腐れも残らないであろう?」

「私は構いませんよ」
聖人とやらの実力も見れますしね

「うむ、で?火織はどうであるかな?」

「一つだけ条件があります。」

「何でありけるのよ?」


神裂さんが私を睨みつけ


「私が勝ったら先ほどのようにではなく、誠心誠意彼らに謝りなさい」


アークビショップがどうするという目で私を見つめてきますね。
まあ、もともとそんな風に思っていませんし。
負ける気もしませんし


「構いませんよ」

「ふむ。では決まったのでありけるな。
ではこれより一刻後に模擬戦を開始するのであるのよ!」

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