小説『日本式魔術師の旅〜とある魔術編〜』
作者:ヨハン()

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Side-火織

悔しいですが、真正面からの接近戦は向こうの方が有利です。
先程は感情任せなんて愚を犯してしまい、いなされてしまいましたが。
おそらく冷静な状態でも、カウンターの餌食になってしまうでしょう。

ならば


「行きます!!」


私の取るべき最も効率が良いのは

遠距離からの牽制を伴う一撃離脱戦法
まだ完全に使用できるわけではありませんが、これしかないです。

Side-out


Side-レイゴ

「行きます!!」


その掛け声とともに神裂さんが、先ほどと同じように突撃してくる。
前回と違うことは刀を抜いていないこと。

接近戦による不利は理解いしているはずです。
ならば真正面から来るはずがない、何かからめ手があるはず。

そう考えあらゆる動作を見逃さないように見つめる


「ハァ!」


神裂さんの掛け声とともに刀が抜かれる。
それと同時に3つの斬撃らしきものが飛んでくる!


「っ!、オン!」

”シャァン”

自らの呪と供に錫杖を地面に突きつける。
その動作によって結界が作成され、斬撃をはじく。


「ワイヤー?」

「その通りですよっ!」


その声が後ろから響き、それと空気を切り裂く音が響く。
見なくてもわかる、神裂さんが刀を振り下ろしている音だ


「甘い!」

体を半回転させることで刀を紙一重で避ける。またその回転運動を利用し錫杖を振りぬく!

「くっ」


しかし、先ほどのように怒りによって判断力が落ちていない聖人。
見事に反応し攻撃に逆らわず、後方に飛ぶ。

「次はこちらの番です」

”シャン”

錫杖を振る。
それに合わせ魔力弾を飛ばす。
これは自らの魔力ではなく場の魔力を錫杖の音により集め、放つ。
事実上限界数がなく、魔術師が戦うことによって魔力濃度が高くなればなるほど威力が高まる。


際限がない魔力弾を神裂は避ける。
避けれない弾は刀で切り伏せ、
ワイヤーで迎撃する。

しかしあまりにも多すぎる弾幕にその場からほとんど動くことができない。


見事ですね、数は力なりとはよく言ったもので大半の敵はこれで倒せるのですが・・・
見事にさばいていますね
ですが・・・・

「さらに一手多くなったらどうなりますかね」

懐からビー玉サイズの塊を5つ出し、神裂さんに向かって投擲をする。
それは素人どころか生半可の人では認識できぬ速度で飛んでいく
彼女はちゃんとこちらにも注意を払っていたようで、ワイヤーで迎撃をはかる

ワイヤーといえど霊装であり、いくつもの魔力弾をはじいたしっかりとしたつくりである。


「残念ですが、ワイヤー程度では防げませんよ?」


迎撃に使用されたワイヤーを弾きそのまま突き進む、
予想外の結果に彼女は一瞬止まってしまい、刀がその塊によって跳ね上げられる。
そしてその塊はその場で爆発し完全に神裂さんの体制を崩した。
その瞬間に魔力弾が殺到し彼女を吹き飛ばした。


「きゃぁ!」


最もその魔力弾は威力より、吹き飛ばすことを重視いていたため、大きな威力はない、
しかし彼女が着地した場所には、先ほど投げた塊に囲まれている場所


「結!」


その瞬間その塊同士を結んだ線を境界と認識させ、それを起点にし四角形の捕縛結界を発動させる。
また先ほどより塊といわれているものは文殊であり、
今回の結界の起点とした文殊は『捕』と『縛』を二つずつの計四個を使用されている。
文殊の文字にあった術に使用しているため、霊装としても強力な効果を持たせることができる。
また結界を発動すると同時に、文殊の効果も発動しているため捕縛結界はさらに強固になっており


「その結界は例え聖人であろうとも、完全にとらえますよ。」

「そのようですね、破壊できる気がしません」


聖人であろうとも完全に無効化できる。


「そこまで、勝者一一!」


-21-
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