小説『日本式魔術師の旅〜とある魔術編〜』
作者:ヨハン()

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Side-レイゴ

「ふむ、この通りが脱出には最適ですかね」

「あら?この服いいわねぇ、お姉さん好みだわ。
似合うかしら?」

「・・・・・・そうですね。
オリアナの髪や雰囲気に合って似合うと思いますよ。」

「んふふふ、ありがと。
店員さ〜ん、これくださいな」


デートというのは緊張をほぐすような冗談だと思っていたんですが、
2日たってもこの様子から見るに、これは本気のようですね。

いや確かに街並みの観察はしていますが、デートが主になっています。
まあ、受取日はまだ先なので余裕はあるのですが・・・・
それに、知り合ってまだほとんど時間がたっていない私とデートしても楽しいものなのでしょうか?


一応女性を蔑ろにはできいないし、したくもないためエスコートを心がけていますが・・・・
女性とは前世も含めてよくわかりませんね。


「さあ、次に行くわよ〜」

「はいはい、わかりました。」


まあ、見た感じ楽しんでいるようなのでいいとしますか。
店を先に出ていくオリアナの後に続いて私も店の外に出ます。
するとそこには


「よお、嬢ちゃん。あんた美人だね〜。
どうだい俺たちとデートしないかい?」

「天国まで連れて行ってやるぜ〜!ぎゃははは!!」


これはこれは、なんというか


「べたなナンパね〜」
(べたなナンパですね)


心の声がオリアナとかぶりましたね。
まあ、ナンパする気持ちもわかりはしますが。
中学生程度には似つかわしくないスタイルに妖艶さ、顔も美人ですし。
ここまで来るまでにも注目の的でしたからね。


「残念ながらお姉さんは、あなた達に付き合うほど暇じゃないの。
それにあなたたち好みじゃないしね。諦めてくれる?」

「ああ?なんだとごら?」

「お前は俺たちの言うことにしたがっとけばいいんだよ!」


わざわざ挑発するようなことを・・・
ケンカを売っているんでしょうかオリアナは

まあ、とにかく
今現在私は彼氏役ですし、目の前でからまれている人を無視することはいけないことですしね
止めますか・・・・悪化した原因はオリアナですが・・・


「すみません」

「なんだてめえは?」

「あなた方が今ナンパしている女性の彼氏ですよ。」


そういいつつ、オリアナを掴もうとしていた手を逆に掴む


「お前がこいつの彼氏だと?」

「ええそうよ。彼が私のダーリンよ♪」

「(オリアナさん・・・・)
まあ、そういうことなので諦めてくれます?」

「嫌だね、こんな美女そうそう見られないからね。
逆にお前には不釣り合いだよ、お前が諦めな!」


その言葉と同時に殴り掛かってくる。
不良らしくケンカ慣れしているんでしょう。殴ることにためらいがありません。

しかし、


「相手が悪かったですね。」


例えケンカ慣れしていようと、こちらはプロです。
アマチュアではそう簡単にはプロには勝てませんからね・・・・

紙一重で不良のこぶしを避け、足を引っ掛け転ばす。
そして手を掴んでいる不良を重心やベクトル操作し、
転んでいる不良の上に背中から落ちるように自分で飛ばせる。

不良には何が起こったかわからないでしょうね。
私の武術は力0で柔10で相手を操作し投げることや、自由に操作できますからね。


あっという間に自分の仲間二人を倒され混乱状態になっている不良を確認しつつ、
オリアナを自分の背後に守り、周りの状況を確認する。

周りの市民は警察を呼ぶ気は0ですね、野次馬とかしています。
もしくは不良に目をつけられたくないか・・・・
不良は・・・・混乱が落ち着いてきてますね。
このまま逃げ帰ってくれれば良かったんですが。


「落ち着けお前ら!相手はたかが一人だ!
変な技を使っていようとも複数でやっちまえば問題はない!」

「そ、そうだ!相手は一人なんだ囲んじまえばいいんだ!」

「てめえら!必ず2人以上同時でかかれ!
変な技を使う暇を無く倒してやれ!
あいつを倒しゃあお楽しみタイムだ!!」

「おっしゃぁ!」

「ぶっ殺してやるぜ!!」


なんというか団結力は高いようですね〜
しかしまあ、言っていることは最低ですが。
それに女性の前で言うことではないですよね。


「うわ〜、お姉さん引くわ〜。
あんな時代遅れの野蛮な奴に見られるのもいやだわぁ」

「安心してください。
あなたには指一本触れさせませんよ。」

「ほざきやがったなぁ!やっちまえ!」


さてと、女性の扱いがなっていない不良たちにお灸をすえますかね。

Side-out


Side-オリアナ

「安心してください。
あなたには指一本触れさせませんよ。」


一の言葉と優しい笑みに思わず見とれてしまった。
今までの仕事が仕事だから女性として扱われること自体少なかったし、
ましてや女性として守られることもなかった。

その何とも言えない感じに包まれつつ、一のことを見つめる。
彼は立ち振る舞いから強いとわかっていたし、
肉弾戦を学んでいるプロならばこの程度の数の不良ならば簡単に倒せるだろうし、
お姉さんでも倒せる自身はある。
だからこそ安心して見ているのだが、彼は予想以上だった。


「きれい・・・/////////」


彼の肉弾戦の強さは、技自体は全く分からなかったが予想通りの強さだった。
しかし、彼の舞うような戦闘。

彼の戦いには一切の無駄がなく、洗練されつくされ一種の芸術としての完成品だった。

不良が一人、また一人と倒されてゆく。
あんな野蛮で下品な不良たちでさえ、彼の舞いの中では彼を引き立てる芸術品になっている。


周りのやじ馬たちも彼の武に見惚れている。
男ならばその完成した武に、女ならばその舞に。


思わず誇らしく思ってしまう。
彼は私を守るために戦っていてくれるのだと

彼の背中を思わず熱のこもった目で見つめてしまう


(あ〜あ、お遊びのつもりだったんだけどね〜、
一緒にいればいるほど彼に夢中になっていくことがわかるわ〜。
まさか年下に恋するなんてね、お姉さんも予想外だわ。
でも、ねお姉さんは安くないわよ?
しっかりとこの恋を、あなたを見定めさせてもらうわよ?本気になるかどうかはそれからね・・・
ふふっ、逃がさないわよ?少なくともお姉さんを恋に落としたのだから)

Side-out


オマケ

(ゾクゥ)

な、なんでしょうか。
なにか目をつけられ、狙われているような気がします。

ここには不良しかいないんですがね


「隙ありーー!」

「ありませんよ、そんなもの」

「ぎゃぁーーーー」



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毎日更新がつらくなってきたこの頃です。

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