小説『日本式魔術師の旅〜とある魔術編〜』
作者:ヨハン()

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Side-レイゴ


「襲撃者たちは死兵となって襲ってくるのですよね?」

「は、はい。おそらくそうだと思います。
私にはそう感じられました。
しかしなぜ供に戦うのです?戦わないほうが正解だと思いますが?」


彼は戸惑いながら私にそう答えた。

オリアナは縋るように、私を見つめてくる。
助けてほしいと、導いてほしいという願いが感じ取れる。


「ええ本来ならそうなのですが・・・
今回は死兵となっている存在が町中にいるのです。
そのため私たちがネセサリウスに到達するまでに一般人に多数被害が出ると考えられるからです。
理由としては単純。
自らの死を受け入れているものが町の、一般人に対する被害を気にする必要がありますか?」

「そ、それは・・・」

「・・・・考えるわけがない。
たとえ失敗したとしても自分は死ぬのだから責を追う必要がないのだから。」


オリアナは言葉に詰まり黙ってしまう。
それは事実を認めたくないとというかのように。

しかし彼は冷静に判断し言葉を発した


「ええ、その通りです。
ならば人数が多いこの状況で撃退すること方が被害を減らせる可能性が高いのです。
逃亡戦ならば人がいる場所を通りますが、
この広場ならば人払いの術式が張ってあるため、
一般人が来ることがないため被害を気にしなくて済みます。」


彼の言葉に返答しつつ、有効的な案と根拠を上げていきます。


「それに今ならばあなたの組織の人が時間を稼いでくれています。
そのため私とオリアナが罠や迎撃系の魔術を仕掛けることができます。
そして私たちが罠を仕掛けている間にあなたには仲間を連れ戻しに行って来てもらいます。」

「ここに仲間を連れてくるのですね?」

「ええ、そうです。
しかし気を付けてもらわないといけないことは・・・
可能な限り相手の進行を妨害して時間を稼いでください。
その時間で罠の数が決まりますので。
だからといって無理もしてはいけませんよ?人手が多いことも重要ですから。」


私たちは冷静にこの状況を打破するために計画を練ります。
犠牲を少しでも減らすために。
しかしオリアナはその会話に入ってきません。
冷静そうに見えますが、混乱しているよですね。


「わかりました。
敵が接近した時には誰か一人を使いに出して合図をすればよいですか?」

「ええ、音などでわかると思いますが。
そうしてもらえると助かります。
さらに欲を言うならば相手の戦力を判断し報告できる人物がありがたいです。」


その言葉を聞くと彼はすぐに仲間のもとにかけていきました。
私はそれを確認したのちにネセサリウス本部・騎士団長のもとに式を送り増援をお願いしておきます。

後はオリアナを落ち着かせるとしましょうか。


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