小説『日本式魔術師の旅〜とある魔術編〜』
作者:ヨハン()

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Side-レイゴ

「こんなものですかね?」

「ええ、できることはやったと思うわ」


今現在で出来うる限りの罠・補助の魔術を張り巡らしました。
私の符や、オリアナの使用する魔術は罠等を張り巡らせるにはとても有効だったので、
今現在この広場は異界のようになっている。


「しかしまぁ、一の魔術はすさまじいわねぇ。
 転移術式に、霊脈からの魔力補助、防御結界に遠隔操作による迎撃術式・・・
 ほんと、万能ね〜」

「まあ、努力のたまものですかね?
 といっても転移術式はあらかじめ準備をしておかなければ使えませんし。
 魔力補助はともかく他の術なら使用できる人はいると思いますよ?」


確かにいろいろやりすぎたかな?と思うぐらい仕掛けまくりましたが、
ほとんどメジャーな魔術。
やり方さえ違えど同じ効果を発揮する魔術など多数あるでしょう。

霊脈からの魔力補助はさすがにできる人は少ないと思いますがね。

それに転移術式もまだまだ未完成です。
いつでもあらかじめ準備できるとは限りませんからね、
ノータイム・ノーモーションでかつラグや先読みができないようにしなければ完成とは言えません。

設置式の符では戦闘で読まれる可能性が高いですしね。
目標は設置しなくてもよい自由度の高い転移符や術式の作成ですかね。


「それでも・・・・よ。
 確かにありきたりな魔術ではあるけど、
 魔力補助のおかげで威力凄いことになるでしょ?これ?
 それに効果や術式は理解できないけど、お姉さんだって似たような術を使うもの。
 これの凄さは肌で感じるわぁ〜」

「ふふ、ありがとうございます。
 しかしオリアナの迎撃の技術はとても高いと思いますよ?」

「そりゃあ、魔道書のその能力を上手く摘出して使用している魔術だからねぇ。
 お姉さんもそこだけは一と張り合う自身があるわよ。
 それに今回は一を通して魔力の供給をしてもらってるからねぇ。
 効果もいつもより倍プッシュよ。」


オリアナはウインクしながら私に言いました。
戦闘音も大分近づいてきましたからね、そろそろ来ますかね。

広場の入り口を見つめていると、オリアナもそれ私の視線の先を見つめる。
そのとき広場の入り口から人影がこちらに向かって走ってきます。


「協力者の方々ですね?」

「はい、そうです。
 敵情報告をしに来てくれた方ですか?」

「はい!
 何人かは撃退できたため敵の残りは13人です。
 敵は5人が接近戦を持ち込み、6人が被害を考えず大規模魔術を放ってきます。
 また副リーダーと思われる人物は使い魔を召喚し、それを使役しながら周りに指示を与えています。
 しかしリーダーと思わしき人はただ私たちを観察しているだけなので情報が全くありません。」

「ふむ、使い魔の強さは?」

「一体程度ならば問題はありませんが、数が多いく物量で来るので厄介です。」

「リーダーが不気味ね〜。
 力を温存しておきたいのか、何かの準備をしているのか・・・
 一はどう思う?」

「おそらくですが、そのリーダーだけがこの魔道書を使用できるのではないのでしょうか?
 そうだとしたら、倒されるわけにはいけませんから戦闘に介入しないと説明できますし。」


オリアナはなるほどとうなずく。


「なるほどねぇ。
 ということはそのリーダーを倒すか、魔道書を援軍が来るまで守り抜くが勝利条件ね。」

「そういうことですね。
 ・・・・ふむ、オリアナがこの魔道書を守ってください。
 私は術式の維持や支持を出したいため、少し疎かになるかもしれませんから。」

「あらら、これは責任重大ね。
 わかったわ、お姉さんに任せなさい!」

「お願いしますね。
 ただし!無理はしないでくださいね?」

「わかってるわよ。」


私達が話し合っているうちに、一際大きな音が鳴り数人の人影が広場に入ってきます。


「敵が来ます!
 準備をお願いします!!」

「オリアナ!合わせてくださいね?」

「任せときなさい、一こそ失敗しちゃいやよ?」

「ええ、大丈夫ですよ」


協力者の方々がこちらにたどり着き、息を整えている。


「全員構えてください、いちばん最初に大規模術式をぶつけます。
 そこからが本番ですよ、大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫です。」


私は協力者の方々の目を見つめ、オリアナを見つめ


「全員!生きて帰りますよ!!」

「「「「「「おう!!!」」」」」」


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