小説『日本式魔術師の旅〜とある魔術編〜』
作者:ヨハン()

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ここは・・・?


<久しぶりじゃのう>


何もない真っ白な空間
上も下もなく、また自分の肉体もなくただそこに意識だけがある状態


あなたは、神様ですね。
ということは私は死んだのでしょうか?


そして目の前には以前にあった老人があった


<嫌、死んではおらんぞ。
 ただワシがそなたを連れてきただけじゃ>

何のためにです?

<そなたに謝らねばならぬこと、そして聞かねばならぬことがあるからじゃ。
 主を転生させてから気づいたのじゃが、どうやら主は以前にも何度か転生をしていたようなのじゃ>

しかし私にはそのような記憶はありませんよ?

年齢によって記憶を忘れるにも、そんな私は年を取っていません。
また記憶が飛ぶような怪我をしたこともありませんしね。


<その原因はのう、主を以前に転生させた神がワシにばれることを恐れ隠蔽したのじゃ。>

なるほど、私に記憶が残っていればあなたへに対する反応などでばれてしまう可能性が高いですからね。


<その通りじゃ。
 しかしあ奴も相当焦ったのじゃろう、術がむちゃくちゃになっておるんじゃよ。
 それこそ完全に治すことはできないようにの>

どのような問題があるのです?

<ふむ、どうやらあ奴は主を何度も転生させるつもりじゃったようでな。
 その術式を消すことができないようじゃ。
 最もわしの力で封印してあるんじゃがな。>

記憶はどうなっているんです?


<ワシが気づくことが遅れたために、多くの記憶は抹消されてしまったようじゃ。
 今はワシの力でとめてやったからの、主が以前にいた世界のひとつ前の世界の記憶は思い出せるじゃろう
 後は分からんのう、部分部分では残っておるかもしれんし
 奇跡的に一つの世界の記憶が全部残っておるやもしれん、逆に全くないかもしれん。>


そうですか、ありがとうございます。
記憶がなくなってしまったといっても、覚えていない以上実感がいまいちわきませんね。


<これは、こちら側の失態じゃ。
 礼などはいらん。
 もう一つの要件なのじゃが・・・・今回そなたを転生させたことによって、
 つらい運命を選択させることになってしもうた。
 今ならば、違う世界に送ることができる。
 それを聞くためじゃ>

・・・つらい選択とは一族のことですね?


神様は深くうなずき、言葉を続ける


<こちらのミスで主には迷惑をかけてしまったからのう、是非にとも幸せになってほしいのじゃ
 ・・・・どうするかの?>

確かに他人から、一般の視点から見たら私は不幸なのかもしれません。
いえ不幸なのでしょう。
しかし、私は両親の愛情を知りました。
美琴ちゃんや、火織、オリアナ、騎士団長、美鈴さん、ローラさん様々な人に出会いました。
例え一般の人から見て不幸でも、些細な幸福でも私にとっては十分に幸せです。

大きな不幸があっても、私は絶望することはありません。
私は不幸ではなく、幸福を見つめることができるからです。
そしてその小さな幸せは私を支えてくれ、歩む力を与えてくれるからです。

<・・・・誰から見ても不幸でも、本人が幸せだけを見つめれば。
 本人が幸せだと思えばそれは幸福であると同じというわけか・・・>

ええ、その通りです。

神様は目を閉じ、思考するかのように顔を上げ
自らの思考を整理するかのようにつぶやく。


<じゃが、おぬしも認識しておるじゃろう?
 そなたの一族は異常であると。
 そのまま進めばおぬしは人間ではなくなるぞ?>

承知の上です。

<・・・人外になってしまえばワシの力による封印の効力も失われるじゃろう。
 それによってお主は何度も転生や、世界移動を行ってしまうことになるぞ?>

それは予想外ですね。
しかし私は未来のことよりも、今を大切にしたいんですよ。


神様が心意をはかる様に見つめ、
私も眼をそむけず神様を見つめかえす。


<どうやら、本気のようじゃな
 ・・・・せめてもの償いじゃ、主の肉体を前世の肉体そのままにしといてやろう>

それはありがたいです。

<本来はする予定はなかったんじゃがな。
 主の肉体は強すぎるからのう・・・・
 円神理念流はすさまじいのう、
 人類最強、人類最終、鑢七実や錆黒鍵のような存在を生み出すとわの>

前半二人は確かに強かったですね、後半二人は伝承でしか知りませんが。
似たような存在なのでしょうね。

<うむ、同類じゃろうな。
 あとは・・・アンサートーカーかの。
 どうやら転生してからの肉体にある能力とケンカして働いてないようじゃの>

ケンカ・・・ですか?

<両方とも強力すぎる能力じゃからの、
 防衛本能も働いておるのかもしれんな。
 最も肉体を変えたため、アンサートーカーは無事に働くじゃろうし、
 今回の戦闘で命の危機に陥っておるからの、まもなく能力の方も開眼するじゃろう。>

そうですか、楽しみにしておきましょう。


<そうしておけ・・・・
 あとはお主達に任せるとしようかの。>

私・・・達?


<そうじゃ、どうやら主は前世ででもモテていた様じゃの?
 お主の前世を調べるにあたって、その者達をしっての。
 主に会いたいようなので、転生させてやったのじゃよ>

転生って


<無論、人として大量の人数を転生させるのはまずいからの。
 人以外の種族になってしまっているがの、勘違いするではないぞ?
 彼女らとの相互の同意によってこれはなされておるし、これは彼女らの覚悟でもあるのじゃ。
 それを否定はさせんぞ>

その言葉に私の考えは封殺されました。

その通りですね、人の考えは忠告はできても否定はできません。
それに私のために人の身を捨ててくれたのです、私ができる事は感謝と一刻も早く記憶を取り戻すことですね。


<その遠りじゃ。
 それと彼女らが住む場所として、3種の神器を主が今いる世界の者達のようにように改造しておいた。
 つまりは新たな解釈の仕方をさせることで、能力を増やしたということじゃな。
 使い方は彼女らに尋ねるがよいぞ。
 それと彼女ら以外にも住人がいるからの、その者達とも仲良くする事じゃな。
 最も主が生まれ自我を持った時点から、主は主の一族の宝具と繋がっているようじゃからの。>

三種の神器に関してはありがたいのですが・・・
最後の意味は?


<十二神将や悪魔たちは、自我が生まれたときからお主を知っておるということじゃ。
 そしてお主の人柄に惚れているようじゃからの、あとは主が認め受け入れるだけじゃろうがの。
 しいて言うならば力量も必要かのう?>

なっ

<くくく、昔も今も持てるようじゃのう?
 さてとワシはそろそろ行くとするかの、
 ワシらのような存在はあまり物語に関与してはならんしのう。
 後は若い者同士頑張るのじゃな>


言いたいことは全て言ったのか、
次の瞬間には神様は初めからいなかったかのように忽然と姿が消え去っていた。





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アンケートに答えてくださってありがとうございます。

結果?で行こうと思います。


そのため内容を変更し更新しました。


アンケートに答えてくださった
カナクリネコさん、夜草さん、月詠さん、影夜さん、ZEROさん、ティッティーさん、七夜和さん

本当にありがとうございます。


今こうして名前を挙げてみますと、1回以上コメントしてくださった人が多いですね。
夜草さんに至っては一番最初にコメントしてくださった、古株ですしね。

こうしてずっと読んでいただいていることが、コメントがあるとよくわかり大変うれしいです。
今後ともごひいきにお願いします。

それにしても、やっぱりコメントするのは敷居が高いのでしょうか?
あんまり増えないんですよね・・・


話は変わりますが、バイタリティさんコメントありがとうございます。

黒子のヒロイン入りはできないこともないですが、インデックスですか〜
両方とも今までに要望などで出てなかったので、考えてなかったんですよね(汗)

黒子自体はヒロインにしてもストーリー上問題はありませんが、
インデックスの場合上条さんの行動をどうしましょ?

参考になる方の小説はありませんかね?
それによってヒロイン入りできるかどうか決めたいんですが、

バイタリティさんすいません、文才がないので少し決めかねます。

まあ、上条さんならば”友人のため”で原作と同じ戦いをさせても問題はなさそうな気がしますが・・・

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