小説『日本式魔術師の旅〜とある魔術編〜』
作者:ヨハン()

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「まさか、再び戦場に戻ってくるとはな」


どこからともなく声が響く

その声は敵である、ジルの声
しかし本人は海魔の中であり、海魔に喋る口は無い


「伝達魔術ですか。
 海魔に精神を飲まれているかと思いましたが、しっかりとコントロールしているようですね」


海魔の召喚に使用しているのは『螺湮城教本』、つまりルルイエ異本のイタリア語訳版。

さらに分かりやすく言えば、精神汚染が最も深刻なクトゥルフ神話による魔導書
魔導書自体に毒はありますがクトゥルフ神話別格だと聞きます。

宗教防壁が意味をなさないというレベルとも・・・


「貴様も言っていただろう、理性的な狂人と。
 もともと狂っている俺がそう簡単に狂うことは無いさ、そしてこの本の持ち主は俺だ。
 魔導書自体との相性も良い・・・・狂う理由がないだろう?」

「相性・・・魔導書が持ち主と認めているわけですか。」


魔導書が持ち主に力をかし、本人も使えるだけの技量・精神を持っている


「脅威ですね・・・しかし」


隣に立っている、恋を横目で見つめる。


「・・・・?」


恋は周囲の警戒をしていたが、視線を感じたのかこちらを向き疑問の視線を向けてくる

一人では勝てなかったでしょう、
いえ肉体が戻った以上勝敗は五分ですか。

・・・・アンサートーカーというものは、凄まじいですね。
疑問を持った瞬間答えが出てきましたよ・・・・

まあ、恋がいる以上勝率は7割越え
安心感でいえばそれ以上ですがね・・・


「負ける気はありませんが・・・ね?」

「・・・・・ん」


恋も私と同じことを考えていたのか、私の同意を求める声に肯定で返す。


「たいした自信だな・・・
 例え怪我が治ったとしても、体力・魔力はそれほど回復していないだろう?
 それに左目も閉じている以上見えていない・・・
 驕りか、確固たる自信か見極めさせてもらおうか。」


確かに、大技を放つ体力はほとんどありませんし
恋もまた大技を放てるだけの魔力を供給されていない以上、放てません。

肉体が戻っているので、両断できるかもしれませんが再生されるので意味がないでしょう。
再生封じの術式があるわけでもありませんので、敵は常に回復してしまいます。


これだけを見れば勝率など0に見えますが・・・いえ実際0でしょう。
ですが私にとっての、今回の勝利条件は生き延び能力の発現を待つこと。

能力さえ目覚めたら10割で勝てますから・・・


実際のとこと勝率というよりは、発現まで生き延びる可能性が7割越えですね。
まあ、発現さえすれば勝てるらしいので勝率と言っても間違いではないですが・・・


つまりは後のことも考えず、一気に攻められると厄介なのですが


「教える気はありませんけどね・・・・」


そして先の私の発言の内容以上、有能なジルのことです。


’隙の大きい海魔の腕ではなく、触手が伸び私たちに襲い掛かる’


様子を見ながら攻撃をしてくるでしょう
そして、それが私達の勝率を上げる。


「恋!正面に炎の斬撃を!」

「ん!」


恋に指示を出しつつ、左右から襲い掛かる触手の迎撃を行う。

”木符よ”

木符を発動することで、地面から根を生やし相手の触手のように操作しぶつけ合う。


『根よ我が敵を束縛せよ!』

そのまま、言霊でブーストを行い海魔の動きの牽制を行う。

言霊の通り根が敵を束縛するため成長し、海魔の根元から一気に生え縛り始める。


「■■■■■■■■■■■■!!!」

だが言霊も完全にコントロールできないため、海魔の圧倒的な力によって引きちぎられる。
しかし、隙はできる


「・・・燃えろ」


その隙に恋が溜めた炎を斬撃として、方天画戟から放つ

”炎撃一刀”

方天画戟の一撃より放たれた炎は一瞬にして、触手を巻き込み海魔本体に向かっていく


「追加です!
 ”木生火よ 我が身を糧に火を活かせ!”」


触手と相対していた根や、海魔を縛っていた根を糧とし炎はさらに燃え上がる。

オリアナとも同じことを行っていたが、恋の方が火の質が良く
根もまたオリアナより一が作り上げた物の方が、魔力・質とも良いため

先の一撃より威力が段違いに高い。


”ゴバッッッッッ!!!!”

進向上にあった触手をものともせずに突き進み、威力を減衰させることなく海魔本体に襲い掛かる。


「・・・・手ごたえ・・・あり」

「ですが、」

「・・・・・生えた」


炎の斬撃は、触手を燃やし尽くし海魔の腕も切り落とし燃やしたが

触手は瞬く間に生え、
腕は生えはしていないが再生が始まっている。


「まさか、ここまでの攻撃とはな・・・
 負けるつもりはないというのは本気らしい」


ジルの声が再び響き渡る。
その声には驚きが含まれている


「嘘だと思っていましたか?」

「あまり、信じてはいなかったな。
 イギリス清教からの援軍来るまでの時間稼ぎだと思っていたんだが。
 どうやら違うらしい・・・ならば」


先ほどまでの倍以上の触手が現れ、
腕までの大きさとは言わないが大きめの触手も生える。


「牽制によって徹底的に体力を削らせてもらおうか」


触手が雨嵐のように一気に襲い掛かる

先ほどのように恋が攻撃の溜めを出来ないように、
隙間なく連撃で行われる。
また時々不意を衝くように襲い掛かる、大きい触手が一気に薙ぎ払う邪魔を行う


作戦通りと言えばその通りだが、予想以上に触手が多い

アンサートーカーのおかげで必要な時間が分かるし、戦いやすくなるが・・・
アンサートーカーと能力が馴染むのに時間がかかるため、能力の発現が遅れている。

体力と慣れないアンサートーカーがどこまで持つか・・・時間稼ぎも楽ではないですね


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短編ゼロの使い魔2話目を更新しました!

七夜和さん、この世の紙さんコメントありがとうございます。


これからもここを書いていこうと思います。

この世の紙さんが言っているのはおそらく、オリアナの説得シーンでしょうか?


一応あれは狙って書いてみたんですが・・・

一応キャラのコンセプトとしては、
当麻が偽善?独善?の熱血キャラとしたら
中立の冷静・達観キャラですかね?

どのような悪にも理由がある、正義があると考え、それもまた良しとするキャラです。

また精神年齢も高いですし、前世での自分の実力の強さから

強者としての責任やら、今まで倒してきた者たちの為やらで
上から目線が多いかもです。

あと固執している奴に肯定も否定も駄目かな?と思い一般論に近いものにしました。
それに迷っている状態ですから、上から目線の方が説得しやすいですし

まあ、状況によって使い分けるですかね。
なんせ中立ですから、なんにでもなれます。

人なんてそんなものでしょう?ペルソナでしたっけ?

不義理に聞こえますが、いうならばすべてを受け入れる懐の強さですかね?

もちろん、自分の中にはしっかりとした筋・明確な境界があります。
(不義理・人の感情を無視・高慢(ISのセシリアみたいな)などは嫌い)


それにオリアナの考えは肯定はしやすいですが、否定はしづらいんですよね。
衛宮君みたいに理想しか見ないわけではないですし、どちらかというと切繋やアーチャーよりですから

間違いではないでしょうし、原作の時みたいに誰かに迷惑をかけているわけではないですし

まあ、衛宮君の考えを否定するわけではないですが。

まあ、結局一番いいたことは

一人でやろうとするな、
夢を見るのはいいけど夢を目指すな、目標を目指し夢に向かえですかね。

これは今後の作品の指針になります。
だから仲間チート好きなんですよね。

一つ目は一般論ですが・・・二つ目も一般論ですかね?

・・・まあ、いいか


ではコメント・応援を今後ともよろしくお願いします。

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