小説『日本式魔術師の旅〜とある魔術編〜』
作者:ヨハン()

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お久しぶりですね、皆さん。


ジルによるテロを防ぎ早二年。
ネセサリウスの研修を終え、帰省し当主を継いだ一一です。

ネセサリウスにおける日常は魔術の研鑽や、知識を蓄えることもできました。
また、たくさんの人と知り合うこともできた本当に充実した1年でした。


そうですね、今までに起こった出来事について説明をしていきましょうか。


◆◇◆◇◆◇◆◇


まずはジルのことでしょうか・・・・

ジルはあれから、騎士やネセサリウスの面々に素直に捕縛されました。
また彼の部下もまた、彼の支持の元一切抵抗を見せなかったようです。


今では、
素直に罪を償いイギリスに対する奉仕活動を行っているようです。


「全ての人が悪いわけでは無い、例え分かりやすく簡単なことでも気づくことが、
 いや、目を向けることができなかった、
 憎しみを向ける先が欲しかったのだ。
 俺たちの恨みは、悲しみは決して忘れることはできない。
 だが、こうやって働くことで相手を知ることができた、目を背けず見ることができた。
 いつかは彼らを、自分を許すことができるだろうか?」


彼らも悩んではいるようですが、少しずつ歩み始めたようでした。

今では仲良く、ローラと喧嘩をしているみたいです。
火織が手紙で愚痴っているので、よくわかります。



そうそう火織もまた、少しずつ考えを変えることができているようで

友人関係もしっかりと気づけているようで、
最近では、ステイル=マグヌスやインデックスという人たちと仲良くなったようです。


天草式とも少しずつ、向き合っていこうと考えてみているみたいですが・・・

今の自分ではまだまだだと、未だに関係は修復?していないようです。


天草式としては早く戻ってきてほしいみたいですが、
あちらもあちらで女教皇の意思を尊重するとか言って、動かないですし・・・

うまくいかないもんですねぇ


「一さん?何やってるんですか?」

「一〜まだ〜?」

「レッサー、オリアナもう少し待ってください!」


え?、何故あの二人がいるのかって?

オリアナは簡単です。
ジルとの戦いで自分の無力感を味わい、理想を実現するためにも力が欲しいということで私についてきました。

レッサーは魔術についての記憶を消去するか、ネセサリウスの一員に強制的にされそうだったため、
私の保護下に置くことで匿ったのですが・・・


どうやら孤児だったようで、あれよあれよといつの間にか孤児院から引き取ることになってました。
で、まあ引き取ったわけですからそのまま一緒に帰国しました・・・と


両親になんて言われるだろうかとヒヤヒヤしましたが、


「血は争えないわね〜」


の、一言で終わりました。
もともと一夫多妻が普通の一族だったようで、どうやら両親が異常だったようです。

まあ、当主交代で両親が死んでしまうんですから
しっかりと面倒を見る人がいなければ、傀儡になってしまう可能性が高いですからね。

信用できる人を多く作る、という側面もあったようです。


何故私には居なかったというと・・・・母さんは嫉妬深いということです・・・・


まあ、そんなことで特に問題はなかったです。

それどころか、一族の当主は魔導士としての側面も強いようで

当主が作り上げた霊装を信頼できる部下に与え、共に戦うことが多かったそうです。
そのため、早くに信頼できる人を良く見つけたと褒められましたね。


二人は母さんに何か言われ赤くなっていましたが・・・


オホンッ

まあ、魔導士としての側面が強いのも頷けますよね。
それができる道具と知識が一族の秘宝としてあり、
また作り上げた霊装を完全に使えるならば魔神と呼べる存在になれますからね。

ちなみに私たちの一族として恐ろしいところは、
前に見せた纏のように式神や部下の技・霊装を使用できることです。

ちなみに纏なんですが、契約の効果によって対象を一時的に上位次元の存在に移すことで自分に憑依させる術です。
失敗したらこの世から消えてしまうという多大な危険性がありますが、
メリットとしては式神などの存在ではなく、人のように肉体を持っている存在も対象にし使用できることです。


だからこそ、部下を強くすればするほど自分も強くなるということが言えます。

そうしたらバリエーションも豊富になりますし、魔導士のように部下を育成するのも分かりますよね〜
それに一人では限界もありますから・・・





それからは両親との別れを済まし、修行に明け暮れる日々でした。

二人とも魔術師として十分に戦えるようになったので、霊装を渡そうかな?と考えています。


そういえば、彼女達と再会するために、
神様が言っていた世界にも行ってみたんですが、凄かったです。
まず、その世界なんですが八咫鏡の向こう側にありました。


ちなみに神器の使い方なんですが、
八咫鏡は、鏡の向こう側には古来より世界があると考えられていることを利用。

また八尺瓊勾玉は神秘や向こう側の世界の象徴でもある月を模しているといいます。
そして名を曲がつ玉とも言い、現実と神様が下さった境界を曲げるために使用します。

しかしこれでは世界の維持に力が必要です。
それに使用するのが天叢雲剣。
これが一番特筆すべき能力なのですが、これは俗にいう原初の海に繋がっているようです。
天叢雲剣は草薙の剣など、関連の無い複数の名を持ち、また武力の象徴とされています。

しかしこれは実際の能力を隠すためにされているとし、本来は生み出す力。
これによって様々なことを成し遂げたと解釈。

また生み出すための力の根源として、国を産んだ原初の海を天の雲関連付けることで得ているようです。
まあ雲の大半は海からできますからね・・・


まあ、これらの能力によって世界を作り・維持・介入をできるようにしているようです。

ちなみに、天叢雲剣の効果のおかげで神秘も薄くならず、
神や妖怪が消えるどころか、恐怖・信仰など無くとも全盛期の力が出せるようです。

最も召喚される対象には制限などが無くとも召喚する人が未熟であれば、現実では力が半減しますがね。
前の私の状況です


原理を理解し、世界を渡ったんですがもみくちゃにされてしまいました。
でも彼女たちにあえて本当に嬉しかったです。

お酒が飲めなかったのが残念でした。


まあ、そこからは先も言った通り修行を行い、道具の作成なども行っていましたね。


「・・・・・まだ?」

「こちらは、準備が全て終わりました一」

「もう少しですから、待っていて下さい恋、エスト」


そうそう、恋は基本こちら側残るようになりました。

帰そうとしてもぐずるんですよね、ですから基本受肉した状態です。
いつでも霊体できるから、隠れてついてきたりとなかなか離れようとしませんが・・・

エストというのは付喪神みたいなものです。
私の基本の獲物は鉄扇と十字剣です。
そのため刀は4本必要なんですよね、天叢雲剣があるんですが足りないので。

十束剣と神妖刀というのを作り、エストはそのうちの神妖刀です。

神妖刀は簡単に言うと聖魔剣です。
効果は今は説明しませんが、強力なため基本は妖刀と神刀に分かれています。

エストもまた基本こちらにいます。
武器である以上、私の傍にいるのが当然だということだそうです。


他の皆さんも、呼んだりしますが・・・
基本は私が会いに行くことが多いですかね。


ちなみに私たちが今準備しているのは学園都市に行く準備です。

陰陽師である以上星読みなどもできるんですが、学園都市を中心に何か大きなことが起こると分かり、
守護者として行くことにしました。


科学勢力の拠点である以上、
火織や五和など皆さんと手紙のやり取りが出来ないとは言いませんがしづらいでしょうので、
音信不通、もしくは居場所を教えないことになるでしょうから・・・・それが心配ですね。



さてと、私は行くとしましょう。
では皆様、ご元気で



(一さん!遅いです!)

(まったくよ、待ち疲れちゃったわ〜)

(それは、すいません。
 恋も寝てしまっているようですね)

(・・・・・Zzzzz)

(恋を起こしますか?一?)

(いえ、私が原因ですので、
 私が背負っていきますよ)

(・・・・・やはり起こしましょう)

(そうですね、一さんに迷惑をかけちゃいけませんし。)

(そうね、その通りだわ)

(いえいえ、ですから・・・・・)

(・・・・・・・・・・・・・・・・・

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




「ふむ、守護者が動くか」

「どうするつもりだ、アレイスター」

「何、プランを変える気はないさ
 もう準備段階に入っている、幻想殺しの性格も読めたしな。
 逆にプランに組み込むとしよう、大幅な短縮の予測ができる」

「守護者をなめるなよアレイスター、
 そう簡単に思い通りになる相手ではないぞ」

「それをするのが君だろう?土御門」

「残念ながら、それだけは断らせてもらう。
 例え何重スパイをしようが、守護者の敵に回ることだけは断る。
 守護者ならば舞夏ごと匿ってくれるだろうから、脅しも聞かんぞ」

「ならば、何故それをしない?」

「それは・・・」

「君たちの一族には遺恨があるのだろう?
 だから出来ない、いやしないのかな?
 最も君に裏切られたら、代わりの駒がいるとはいえ惜しい。
 私自身が交渉をするとしよう」

「な!?」

「君は、守護者を騙す必要も傷つける必要もない。
 ただ説明し、ここに連れてくれば良い。
 同じ日の本を守護していた一族同士、話もできるだろう?」

「・・・いいだろう、それぐらいならしてやるさ」


(さあ、日の本の守護者にして『大和の時代』よ
 君は一体何を見せてくれるのかな?)




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第一部・過去編 完


疲れた〜

今回は主人公等が、死んだ人に手紙や日記を書いているみたいな風味で書いてみました。


次からは、原作だ〜

新キャラも出してみました。
特に理由はありません、出したくなったから出しました。

今後の作品でも恋・エストは出ると思います。


ではでは、応援・コメント今後ともよろしくお願いします。


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