小説『名前』
作者:es()

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ところがなぜだかあなたは
自分の名前が気に入った
ずっと認めたくなかった自分の名前
その名前があなたに呼ばれ
あなたによって文字になる

まだ全然慣れなくて
呼ばれるたびにくすぐったい
とても好きにはなれないけれど
あなたの声やあなたの字で
表されるのは嫌じゃない

大好きなあなたの名前
それと同じように
好きになる日がくるのかな
それまでずっと
呼び続けてくれるかな

-2-
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