小説『魔法科高校のイレギュラー』
作者:rassan()

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 原作の事件



 はいどうも、中1になった三島錬だ。師匠や両親との鍛錬のおかげで身体能力がおかしいことになった・・・・

 100kmの走り込みで息が切れない。素振りの1万本が30分で終わる。木剣を振ると衝撃波が出る。

 他にもあるが、大体がこのような感じだ。成長の限界が無いためにこのようなことが可能になってしまった・・・・母さんとの勝率は上がってきたのだが、師匠とはまだ負け越している・・・・どんだけだ忍び・・・

「はぁ〜、錬ちゃんはつよくなったわね〜。ママうれしいわ〜♪」

「あんだけやって勝ててなかったら、怖いよ・・・・」

「ま、まぁ錬もそれだけ頑張ったという事だ。これからは自信を持て。しかし・・」

「過信、慢心はするな、周りのためにも。でしょ?」

「うむ。」

 周りのためにもというのは、俺の力が周りに与える影響が強すぎるので、その力に振り回されないようにするための戒めだ。

 親父との修練のときに、力加減を間違えてつむじ風を竜巻にして道場を半壊させてしまったことがあった。さいわい人的被害は無かったが母さんにこっぴどくしかられてしまった・・・・親父は引きつった笑顔で固まったままだった・・・・

 それからさらに制御に関する修練が増えたのは言うまでも無いことだ。ちなみに半壊させた道場は俺が責任を持って建て直した。3日で。

「うむ、これくらいはな。」

「あら、前より素敵ですね、兼松さん。」

「よし、それではあの時の放出量を意識して制御できるように修練を課す。あの時は俺よりもすごかったからな! さすがはわが息子!」

 これが道場を建て直したときの両親の感想だ・・・・常識が通用しないのはこの家族では当たり前なのだ。

 そしてどうやら成長の限界排除は想子にも影響するようで、親父を超えてしまったようだ・・・・どのくらいあるのかは知るのが怖いのでやっていない。

 これらのことから師匠からは、

「う〜ん、これからは人であるということは考えないほうがいいかな?」

「はい?」

「いや、スーパーな修行(という名の鬼拷問)でもいいかな? ということなんだけどね?」

「それはどういった内容で?」

「いや、今までと変わらないけど密度が濃くなる(といっても10倍くらい?)だけだよ。」

「まぁ別にかまわないですよ。」

「そうかい! いや〜たのしみだな〜♪」

 嫌な予感がしたのはそのせりふを聞いてからだ・・・・



 そんなこともあったがある日、親父との修練で、

「む?・・・・っ!?」

「父上?」

「錬、そのまま座禅を組んで精神統一をしつつ、風の精霊との五感共鳴をしろ。」

「は、はい。」

 な、何だ? えらくまじめな顔がいつもの4割り増しだぞ・・・

「オンッ!」

 いまさらだが、俺は符術に始まり、言霊やCADでも魔法を使いこなせる。しかし、親父との修練ではCADを使ってはいない。

 ハード面では一から細かく作れるのだが、ソフト面は得意というほどではないため、二流どまりなのだ。これは本格的な機材が無いためであり、中2になったら専用の設備を入れてくれることが確定している。

 符術では主に戦闘を、言霊では索敵を、CADでは大規模な儀式魔法を使うために分けている。ソフト面の改良ができれば、すべてに対応させるつもりだ。

 風の精霊とは言葉が空気の振動のため、言霊が一番効率がいいので言霊を使ったというわけだ。

「そのまま、沖縄まで意識を飛ばせ。沖のほうだ。」

「はい。」

 沖縄? あれ、もしかして・・・・この時期だったか? 前世では何時かはわからなかったからな・・・・

「見えたか?」

「いえまだ・・・っ!?」

 視えた! ていうかやっぱこれって!?

「よし、見えたようだな・・・おそらく連合の軍艦だろう。」

「は、はい・・・」

「ここから私たちにできることは索敵だ。まず、軍基地に意識を向けろ。」

「はい。」

 マジか・・・絶対これって原作の過去話だよな・・・っと今は事態の収拾が先決だ。

「ここにいるのは・・・・独立魔装大隊か・・・風間がいるな。運がよかったというべきか否か・・・」

「父上? それって・・」

「む?・・・そうか、機密扱いが厳重だったな、そういえば。独立魔装大隊は軍の新開発のテスト運用をする部隊だ。実力も折り紙つきであり、機密の度合いが5,6段階厳重の部隊だ。知らなくても当然だな。」

 あぶね〜・・・知ってる風に答えるところだったな・・・しかし、

「父上。風間というと、あの風間さんですか?」

 これなら大丈夫だろう。俺は風間さんとも組み手を経験していて、勝率は五分である。これは結構自信につながった。まだ、6回しかしていないが。

「そうか、先生の弟子だからな、風間は。私の弟弟子でもある。風間経由で私は独立魔装大隊を知っていたということだな。」

「なるほど。」

「それよりも早速伝えねばな。」

「はい、父上。」

 この後、原作主人公たちとの擬似的な会合を果たすことになる・・・・

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