小説『魔法科高校のイレギュラー』
作者:rassan()

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 原作突入前



 やぁどうも、三島錬だ。今は中学の卒業式である。

 うん、いいたい事はわかる。あの沖縄のことだろう。一言で表すなら、


 達也TUEEEEE!!


 だった。

 俺いらなくね? っていいたいぐらい必要なかった。だから俺がしていたのは達也君がばったばったと敵を倒していくのを見ていただけだ。ちなみに俺は精霊を通してみていたので、達也君の精霊の眼には認識されていない。

 まぁ原作でも怪我らしい怪我を負っていなかったから大丈夫だったのだろう。正直、俺と比較すると俺が勝てると思えるぐらいの強さだった。慢心するわけではないが、あれだけの鍛錬で勝てないとしたら、ドンだけだ主人公と思えるので・・・・

 とりあえず原作の主人公には一方的な会合となった。ついでに司葉深雪と四葉深夜も見つけていた。原作でも綺麗といわれていたが、その通りだと思える容姿をしていた。




 まぁそんなこんなでこれといって活躍できなかった沖縄事件のことは置いといて、中学時代のことを語ろうか。

 中学では、エリカと幹比古は3年間同じクラスにはなれなかった。なので、言い訳にしかならないが、いつの間にか幹比古の想子量が減っていることに気がつくことができなかった・・・・

「幹比古?・・・・っ!? ど、どうしたんだ、それ!?」

「あぁうん・・・ちょっとね・・・・」

 くそっ! 久しぶりに幹比古と会うことができたのに、気がつかなかったなんて・・・

「ちょっとじゃねぇだろ!? なんでそんなことに・・」

「いや、『神童』なんて呼ばれて調子に乗ってしまっていた御仕置きなんだと思うんだ・・・錬に追いついたと思って自制心がなくなってしまっていたんだよね・・・」

「幹比古・・・」

「ああ! 錬のせいじゃないよ。僕は今の自分に納得しているんだ。今は術の効率化を研究していて、これが結構楽しいんだ・・・そうだ! 錬も手伝ってくれる? CADの設備あったよね?」

「ああ、もちろんだ。」

 そうか・・・俺の存在で幹比古はやけになっていないんだな・・・・俺が幹比古の近くにいた理由がこれならうれしいな・・・





 幹比古とはそんな感じで魔法の修練を時々教えあうようなことをした。俺の修練を聞いたときの幹比古の表情が引きつっていたことには疑問があったが。(このときの錬はすでに感覚が麻痺している)

 問題はエリカのほうである・・・剣の鍛錬は千葉家に行った時に時々しているのだが、事あるごとに絡んでくるのだ・・・これがとても厄介で、

「錬、そこに立って。」

「うん、わかった・・」

 なにをするの、エリカさん?

「じゃ、いくわよ・・」


 スチャッ


 あれ〜? 何で耳あて? すげ〜嫌な予感が・・・・

「ふっ!」

「っ!?」


 ガンッ


「っ!!?・・・・はぁ〜まだまだね。」

「いやいやいや!! 何普通に俺に向かって『山津波』の鍛錬してるの!? 完成しちゃったら俺はしんじゃうよ!?」

「完成したらでしょ? まだまだだから錬で試しているんじゃない。この方が効率いいし。」

「はぁ〜〜・・・」

 このように俺を信頼しているのか、千葉家の誇る秘剣『山津波』の習得に俺を使うことをしている。たしかに対人の方が集中するのでわかるのだが、俺を使わないでほしい・・・そういうと決まって、

「錬だからできるんじゃない。」

 何を当たり前なことを見たいな顔をされる・・・・確実に幹比古の苦労人体質が俺に移っていた・・・・

 そんなこともあり、中学校ではエリカに対しての最終兵器扱いだった・・・つまり、エリカがやんちゃをすると俺がそれの後片付けをするというパターンが学校中で認識されていた・・・幹比古には、

「どんまい・・」

 と肩をたたかれて励まされていたが、幹比古はちゃっかり自分に火の粉が降りかからないようにしていたようだった・・・・



 そんなこんながあり、ようやく・・よ・う・や・く、中学を卒業となったわけだ。

「じゃあ、錬はなんで二科になったの? 一科に入れる実力あったでしょ? ミキもだけど・・・」

「ミキはやめてっていてるだろ、エリカ・・・僕は単純に実力不足だよ。CADの扱い方がまだまだだからね・・・それよりも僕は錬がどうして二科なのかがわからないんだけど。」

「あぁ〜、まぁどうしてといわれてもな・・・」

 そう何を隠そう、俺は二科生になったのだ!・・・いや、確かに実力では一科で十分なのだが、両親に言わせると、

「錬は別に二科でもいいだろう。担当者がつくかつかないかだけだからな。ああそうだ、一科で二科を穢すような発言をしたやつは安心して痛めつけていいからな。三島の名は伊達ではない!!。」

「エリカもたぶん二科だから、面倒を見てやって錬ちゃん。尻拭いにがんばって♪」

 などといい、やっぱり常識は通用しないと、改めて思ったりもした。




 さて、春休みが終わったら、ついに原作に突入だ。安全第一で過ごしてきた為、これからの事件に対して冷静になれるかは不安だが、がんばっていこう。

「も〜黙っていないで何とか言いなさいよ、錬!!」

「ガハッ!?」

「錬!?」

 とりあえず、エリカの不意の攻撃に対処できるようにしよう・・・なぜかこの攻撃からはいつも避けられる気がしないが・・・

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