原作突入
「う・・・う〜ん・・はぁ〜・・・・・あん? ここは・・」
やぁおはよう、三島錬だ。とりあえず現状把握をしようか。
「えぇ〜と? たしか・・・」
そういえば、地下の設備でそのまま眠ってしまったのか・・・・春休みが終わり、明日が魔法科高校の入学式なので、CADの最終調整をしていたら寝てしまったようだ。
そして、今日が入学式と言うことになる。ちなみに中学2年にCADの調整設備を設置することになったのだが、神社には似合わないからと言う理由で、俺が地陣魔法を用いて地下に空間を作り、そこに設置した。だいたい母屋と同じくらいの床面積であるので、広さ的には十分である。
「よし、じゃあ師匠のところに行くか。」
寝起きは良い方なので、すぐに頭が冴え、階段を上り、2回の自室の窓から外に出て『空中を踏みしめながら』走る。
「いや〜やっぱり日の出前の空は気持ちがいいな〜♪」
俺の起床時間は基本的に日の出前なので、いつもどおりである。ここで今使用している魔法を紹介しよう。夜島さんの『非振』をアレンジして、空気中の窒素を固め足場を作る『風盾』という魔法である。俺は幹比古と修練をしていたため、精霊に対する適性が良くなったらしく、地精霊以外の精霊でも普通に使役できるようになっていた。風精霊にお願いして空気の圧縮をすることで可能になるこの魔法は基本的には盾代わりに使うため『風盾』と言う名前になっている。
「到〜着!」
「やぁ、錬君。相変わらず綺麗な輝きだね〜。」
「何ですか? 唐突に・・・まぁそれに関しては気をつけてますよ。じゃないと・・・」
あぁ〜ダメだ、余計なこと思い出してしまった・・・師匠が言っているのは想子の放出のことである。俺の場合は量が量なので、これに気をつけないと周りに対する影響が半端ではないのだ。母さんも師匠と同じように見えるから、うっかり気を抜くと鍛錬が鬼になるので気が抜けないのだ・・・・
「それよ・・・・・来たみたいですね。」
「ああ、みたいだね。」
「俺は今日、どちらに?」
「あとでいいかな? 今日は入学式でしょ?」
「了解です。」
バッ
とりあえず、『あいつ』が来る前に隠れることにする。御札を使い、其処にいるかのようにしておいて、別のところに『完全に』気配を消して隠れる。この方法は師匠に教わり、『あいつ』でも感知はできない。俺もいまだに師匠の本気は完全には掴めないが・・・
ダッバキャッドサッ
今の音は門前で師匠の弟子たちと『あいつ』のかかり稽古のものである。相変わらずスマートだ。
少しした後に音がなくなったので、俺の番である。ではでは、
シュッ
「っ!?」
バッ
「そっちじゃね〜よ!!」
「っ!!?」
ドッダンダダンッ
「っ!?・・・・よく反応したな? 『達也』。」
「だいたいパターンはわかっている・・・追いつけるわけではないがな、錬」
今のやり取りは、
俺が棒手裏剣を投げる
↓
達也が囮の方に向かう
↓
俺が背後から近づいて攻撃
↓
肩パンを一発当ててその後達也に防がれる
である。この程度は準備運動前のものなのであまりたいしたことはない。
「いや〜二人とも、強くなって僕も素直にうれしいよ。」
「おはようございます、師匠。しかし、俺はまだまだだと思ってますよ・・」
「いやいや、錬君がおかしいだけだから、気にしないほうがいいよ?」
「いつも思いますけど、俺がおかしいわけないじゃないですか。」
まったく失礼な二人である。師匠や両親のほうがよっぽど変であるのに・・・・
「・・・そうしておきます。」
「うんうん。」
何で二人とも悟ったような顔をしているんだ?・・・・まぁいいか。
「先生、錬さん。おはようございます。」
「ああ、おはよう、『深雪』くん。」
「おはよう、深雪。今日は来ていたのか。」
「はい。先生に進学のご報告をしておこうと思いまして・・」
「うん、いいね〜。真新しい制服が深雪くんに良く似合っていてまるで、「師匠、それ以上は達也が黙っていないと思いますよ?」」
「えぇ〜それが面白いんじゃないか。」
「はぁ〜・・・俺で遊ばないでください・・・・」
「えっ? えっ??」
師匠が余計なことを言わないようにしたのに、結局言ってしまい、達也があきれ、深雪がわけがわからず頭にはてな状態である。
いまさらだが、司波兄妹とは友人関係にある。予想通り師匠のところに体術を教わりに来たので、弟弟子ということになる。沖縄事件からすぐに二人して来たので、原作どおり仲直りしたみたいである。始めのほうは深雪も行っていたが、その後の鍛錬についてくることができずに時々見学をしにくるぐらいである。
ちなみに俺が達也よりも強いため、達也は原作よりも鍛錬に励んでいると思われる。なぜなら、深雪が制服を見せに師匠のところに来るのは2日目だったはずである。このことからも達也にライバルみたいに意識されているわけである。
「じゃあ、今日は入学式だから軽くしておこう。二人とも、いいね?」
「了解です。」
「わかりました。」
「じゃあね、三人とも。」
「それでは、師匠。」
「ありがとうございました、師匠。」
「はい、それでは、先生。」
鍛錬が終わり、俺が家に帰宅しようとしていると、
「錬さん、これからよろしくお願いしますね。」
「うん? ああ、まぁよろしくな。」
「そうだな、錬は『一科』だろうからな。深雪をよろしく頼む。」
「あ〜、なるほど・・・・そのよろしくね・・・」
この会話からもわかるとおり、俺が二科生であることは二人知らない。今までの関係性ではこのことを伝える間柄ではなかっただけだが。
「うん? 何か問題が?」
「いや、そうじゃない。気にするな。」
「それでは、錬さん。また後で。」
「ああ、またな。」
まぁ面白そうだし、学校であったときの反応を見るとしよう。なんだかんだであの両親の息子であるので、人を驚かすことは好きなほうだし。
「フッフッフッ・・・」
不敵な笑みを浮かべながら、学校であったときの二人の反応を楽しみにしている錬であった・・・・・