勘違い(前編)
はい、ど〜も〜三島錬だよ☆うん、ないわ・・これはない・・・
気を取り直して。あれから2ヶ月が過ぎた。現状をわかる範囲で確認したところ、
ものすごく甘い
いや、母乳のことじゃないよ? 母親は美人というよりかはかわいい系だけど、赤ん坊の体に引っ張られているからか、あまり気恥ずかしいとは感じていない。
そうじゃなくて、父親と母親の桃色空間がものすごくきつい・・・・
どこでもかまわずキスをするのは当たり前で、常に抱き合っていたり、腕組みをしたり、お姫様抱っこをしたりと、とにかく俺がいるにもかかわらず常にイチャイチャしている・・・
「兼松さん、はい、あ〜ん♪」
「あ〜〜んっ」
そして今、目の前でも起こっている食べさせあいに関しては毎食である。これでも慣れてきた方だ・・
「あい〜うう〜(飯〜くれ〜)」
まぁまだ生まれて2ヶ月だからこうなるのは仕方ないが、はじめのうちは違和感だらけだったがこれも慣れたらあまり気にならなくなった。
「うん? どうしたの錬ちゃん? おトイレ?」
ブンブンっ
「じゃあ、ご飯?」
ウンウン
「はい、じゃあどうぞ♪」
「うむ、やはり錬はこちらの言葉を理解しているようだな! さすがは私たちの息子だっ!」
「えぇ本当に。まだ2ヶ月なのに。えらいわ〜」
この会話からわかる通り、両親は極度の親バカでもある。生まれた瞬間からやらかしてしまった感があったのだが、この人たちと暮らすうちにそういう不安感はなくなってしまっていた。
これは素直にありがたかった。
普通ならすごいなどを通り越して異常といえるのだろうが、この人たちの場合は、
「さすがわが息子っ!」
「えらいわね〜錬ちゃん♪」
ですませてしまう。
なんだろう・・もっと何かあるだろう?
まぁそんなことはどうでもいい。もっと重要な問題がある。今目の前にある存在が。
精霊
まぁぶっちゃけ光の玉が父親の周りに浮いている。初めて目を開けたときには、
「うぎゃあぁ〜〜」
と大声で泣いてしまい、
「うおっ、どうした錬!」
「うん? どうしたの錬ちゃん?」
と両極端の反応を返されてしまい、こちらもそこから何も発することができず二人を交互に見るくらいしかできなかった。
「おお、やっと目が開けられるようになったか。初めて目が見えてびっくりしたのか。」
「兼松さんがかっこよすぎてびっくりしたのかしら?」
「何を言う、真理があまりにもかわいいからだろう?」
「兼松さん・・」
「真理・・」
といつの間にかものすごく甘い空間が形成されたが。
少し脱線してしまったが、何で精霊が見えているのだろうか? 特典にはなかったはずだが・・・・
「うむ、少し・・いや、かなり早いが『あそこ』にいこうか・・・」
「兼松さん? 錬ちゃんは確かに賢いですが、『あれ』をみても大丈夫なんでしょうか。」
あん? 『あそこ』? 『あれ』? 何だ・・すごくいやな予感がする・・・
「おそらく大丈夫だろう。普通は小学校に入ってからだが、錬はかなりの理解力があると思われるからな。」
「まぁあなたがそうおっしゃるときは大丈夫だとは知っていますが・・・・」
えぇっ! それはいくらなんでも早過ぎないですか、父上っ!?
「あっあう!(ちょっ待って!)」
「うん? 錬もやる気満々だな! よしっ、早速行くとしようか。」
「う〜ん、錬ちゃんも行きたがっているみたいだし、行きましょうか。」
「あうあうっ!?(いってないっ!?)」
と俺の叫びを無視して『あそこ』にある『あれ』を見せられるために連れて行かれた・・・