小説『魔法科高校のイレギュラー』
作者:rassan()

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原作との会合


 えぇ〜再びだるまと会ってから3年が過ぎた、三島錬だ。これまでは普通の日常だったから、報告するとしたらものすごく短くなるため、この年までになってしまった・・・・まぁ3年間を要約すると、


 1歳:一人で立つ

 「さすがはわが息子!」

 「すごいわ、錬ちゃん!」


 1歳半:一人でトイレ(おまる)

 「さすがはわが息子!!」

 「すごいわ、錬ちゃん!!」


 2歳:しゃべる(流暢に)

 「さすがはわが息子!!!」

 「すごいわ、錬ちゃん!!!」


 2歳半:腕立て伏せをしてみる(成功)

 「さすがはわが息子!!!!」

 「すごいわ、錬ちゃん!!!!」


 ・・・うん、基本的にはこれで済んだ・・最後のは冗談半分でやってみたのだが、転生特典の身体能力が確認ができたことはうれしさ半分恐怖が半分だ。

 もっと何かあるだろうとは思うのだが・・・夜島さんは両親が俺をほめてそこから桃色空間を作るいつものやり取りを見て、こめかみを押さえながらため息をついていた・・・・いつものこととはいえご苦労様です・・・

 ここで出てきた夜島さんについてだが、彼は父親に雇われている執事長兼護衛の人で、長とはついているが使用人はこの人しかいない。夜島さんは父親の友人のようで、夜島さんが以前の仕事をなくして探しているところに父親が誘った形になる。父親の考えでは護衛だけでよかったようだが、夜島さんはそれだけでは満足せず、家の管理もしている。

 この世界では、家事はHAR(ホーム・オートメーション・ロボット)に任せるのが先進国の共通認識になっているが、我が家では夜島さんと母親で行っている。母親は元々料理を作るのが趣味であり、実際においしい。夜島さんは料理以外の家事を担当している。ただ、魔法を使って一瞬で掃除や洗濯などをしているため、家事をしているようには見えない。

 まぁ長々と前置きがあったが、3年間は普通の日常だったのだ。そして、今日3歳の誕生日にうちに呼んでいる家族がいる。そうその名は・・・

「ひさしぶりだな、『吉田殿』。」

「ああそうだな、三島殿。」

「元気そうでよかったわ、義姉さん。『エリカ』ちゃんもつれてきたの?」

「ええあなたもね、真理。今は寝ているからあの人がおぶっているわよ。」

「あぁ本当だ。兄さんも娘ができてデレデレね・・」

「何を言う。こんなにかわいいのにかわいがらないわけが無いだろう。」

「その台詞は兄さんの発言だとは思えないわね・・・」

 えぇ〜ただいま『吉田』家と『千葉』家の面々が家に来ている・・・そう、原作メンバーの吉田幹比古と千葉エリカが来ているのだ!!

 幹比古は兄と思われる人の後ろに隠れている。けっこうかわいい・・・将来は確実にイケメンである。兄の方はさわやか系イケメンである。うらやまねたましい・・・俺もイケメンの片鱗を覗かせているが。

 エリカの方はダンディーな父親の背中でよだれをたらしながら気持ちよさそうに寝ている・・・これだけでエリカの性格がわかってしまうような寝顔をしている・・・・あと、かなりかわいい。

「そういえば義兄上、寿和君と修次君は?」

「ああ、あいつらは修練を課しているから来れんぞ? まだ体作りをしているから一日も欠かせんからな。」

「ふむ、少し残念だがしかたがないか・・とりあえず玄関ではなんだしあがってくれ。」

「ああそうしよう。」


 ゾロゾロゾロ


「う〜〜ん・・・パパ? どこ、ここ・・」

「おっ起きたか。真理おば「キッ!!」・・真理お姉さんの家だぞ・・・・」

「うん? あっお姉ちゃん!」


 バッ


 お〜すげぇ〜エリカが父親の背中から直接俺の母親の胸に飛び込んだぞ・・・さすが千葉家。

「ふぅ〜、相変わらず元気ね、エリカちゃん。それよりもうちの錬ちゃんに言うことがあるんじゃないの?」

「あっうん・・よっと・・・うん、はじめましてっ! 千葉エリカよ!! 錬、お誕生日おめでと!!」

「う、うん・・ありがとう、エリカちゃん・・・(いきなり呼び捨てかよ・・・)」

「どうしたの? 元気ないわね? あっあたしがかわいすぎて緊張しているのかしら? ふふん、お姉ちゃんってよんでもいいのよ?」

「あっそれはいいです。」

「あっそう・・」

 スゲェ泣きそうな顔しているんだが・・・しかし、エリカを姉呼ばわりはないな、うん・・・

「あの・・・」

「うん?」

 袖を惹かれた感じがして後ろを向くと幹比古がいた・・・その後ろから吉田家の面々が手に汗を握る表情で無言の応援をしていた・・・人見知りはこの頃からか、幹比古・・・・

「えっと、お、お誕生日おめでとう、錬君っ!!・・・・・うう、ぼ、僕は吉田幹比古といいます・・・・い、いえた(ボソっ)」

「うん、ありがとう幹比古君。僕は三島錬、呼び捨てで良いから、僕も幹比古って呼んでもいい?」

「えっ・・うんっ、ぜんぜんいいよ、れ、錬っ!!・・・・やった(ボソっ)」

 後ろのほうでガッツポーズをしている吉田家の面々。それを微笑ましそうに見ている我が家と千葉家。

「むぅ〜、錬、あたしのこともエリカって呼びなさい! それかエリカお姉ちゃんでもいいよ?」

「エリカで。」

「む〜〜・・」

 どうしても姉と呼ばせたいのか・・・一応年下になるが学年は同じだろう・・・学校に通うようになれば恥ずかしさで悶え死んでしまうので、絶対に呼ばない・・・

「よし、それぞれの挨拶も一通り終わったことだし・・・錬、誕生日おめでとう。乾杯っ!!」





 初の原作キャラは予想通りだったが、こんなに早くなるとは思わなかった・・・これからのことはどうなるかはわからないが、流れに身を任せよう・・・ここはもう原作とは関係ないのだから・・・・

「錬っ、お姉ちゃんと呼びなさいっていってるでしょ!!」


 ドスっ


「グハッ!?」

「錬!?」

 タックルをかましてきたエリカにのしかかられながら、俺が幹比古の苦労人体質を受け継ぐのだろうかと嫌な予感に戦慄しながら意識を手放した・・・・

-5-
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