小説『いちかの鍵』
作者:いちか()

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くるくるなみだ



泣いてるうさぎの夢をみた
遠くの遠くで泣いていた
うさぎが泣くわけないけれど
あのうさぎ一人泣いていた

慰めてくれる子がいない
それならあたしと同じだね
あたしもちょうど泣きたかったんだ
それなら一緒に泣こうかな

涙の雨が頬を濡らして
私は傘を持ってない
迎えに来て狼に
食べられちゃう前に

泣かないで泣かないで
そんな簡単に言わないでよ
泣いてもいい泣いてもいい
そんな言葉もうれしくないけどね

要するに要するに
慰めなんていらないんだ
だけどもねだけどもね
うさぎはさみしいと死んじゃうの


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