小説『呪い使いの転生者』
作者:unworld()

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呪い使いと希望

プレシアとフェイト戦力がいるのは時の庭園なるところだった。
なのは達本隊と俺やクロノがいる分隊は二手に別れて別行動。
そして、クロノは敵を見つけそれに交戦中だったのだが、俺だけが取り残され奥の部屋に進むと…

「フェイト…」
「薫…」

黒いバリアジャケットに身を包んだフェイトがバルディッシュを構えて部屋にいた。
休んでたとかそんなことではないことはバカではないので理解はできる。
待ち伏せ…か…
俺も分かってはいたが交戦しなきゃいけないわけだ…

はぁ…俺はため息をついてオーダーを構えた。

「できれば退いてほしいんだが」
「それはできない…」
「ですよね〜。じゃあ、せめて負けてくれ。」
「それもできない」
「ですよね〜。分かってはいたけどフェイトと戦わなきゃいけないわけね。」
「そうなるね。薫は強いの?」
「全く?俺は弱いぜ?」
「そう、それじゃいくよ。バルディッシュ!!」
「いきなりだな!?まぁいいか。
オーダー!!」

俺がデバイスを構えた刹那黄色の弾丸いや、シューターが飛んで来た。

「ほんとにいきなりだなっ!?」
「シュートー!!!」
「ぐっ…」

まずい、速い。
目にも止まらぬ速さというのはまさにフェイトのことではなかろうか…
余談だが、フェイトに勝るものは俺にはほぼ存在しない。
魔力
魔法
速度
攻撃
どれもとっても俺は劣る。
弱っ!?とか思ってもどうにもなることではないので諦める。

「カースシューター!」
「プラズマランサー!」

俺とフェイトのシューターはぶつかり合い弾け空中に煙を撒き散らす。
すると、その煙のなかからフェイトが飛び出してきて俺にデバイスの攻撃を加えた。

「ごっはっ!」

俺はそのまま壁に突っ込み背中を打ち付ける。
そして首のところに魔力の刃をつけた鎌状のデバイスを突きつけられる。

「これで終わり…」
「くっそ…」

カッコ悪りぃな…
もっともっと俺に力があれば…
そう思う。
ただの一撃で終わるスライムでも、少しは敵にダメージを与えておきたいね。
そう思った俺は残酷な方法をとることにした。

「なぁ…フェイト。殺せよ」
「っ!」
「終わりなんだろ。だったら俺のこと殺さなきゃいけないだろ?
早くしろ」
「っ…」

フェイトの肩とデバイスを持つ手が微細に震え、目にはすこし涙が溜まっていた。

俺は知っている。フェイトがいくらプレシアに従っているとはいえそんな簡単に人は殺せない優しい奴なのだということを…
俺はその一瞬の隙をついて魔法を紡いだ。

「カースシューター!」
「しまっ…」

弱い俺には不意打ちしかできなかった。
しかし、それでもフェイトは一瞬のうちにプロテクションを貼ったのかそこまで対したダメージはなさそうだ。
だが、きいていた。

本当はこんなことはしたくない。
まぁ、騎士道なんて大それたものを語るつもりはないが俺も勝負は正々堂々の方が好きだ。
頭脳戦も大事だが、俺はバカなのでとりあえず突撃。
一に突撃、二に突撃、三に撤退だ。

俺に残された魔法はまだある。
ここを耐えよう…
そういやぁさっきのフェイトの魔法すごかったな。
…マネしてみるか…
俺は手に魔力を収束…圧縮。
それの貫通性能と速度性能を飛躍的に上げそれをフェイトに放った。

「ダイレクトランサー!」
「プラズマ…っ!」

それは物凄いスピードでフェイトに飛んでいき命中した。
まさに『直接なる槍』。
まぁ、これの弱点は真っ直ぐにしか飛ばないという点が大きい。

「どんどんいくぜぇ!!!
上手くさばけよ!!」
「くっ!アルカス…きゃっ!!」

やらせるかっての!!
俺は必死にダイレクトランサーを撃ち込んだ。
だが…

「はあ…はぁ(さすがにやったか?)」
「まだまだだよ。薫。」
「堕ちろよ…」

フェイトのデバイスは健在。
魔力も少なからず消費したらしいが、まだまだ余裕がありそうだ。
すると、フェイトの後ろに黄色の魔力スフィアが現れる。
おいおいまさか俺にあの技を撃ち込むつもりじゃああるまいな!

「いくよ!
アルカスクルタスエイギアス…」

「ファランクスシフトッ!打ち砕け!
フォトンランサー!!!」
「やめっ…」

俺に黄色の槍を思わせる砲撃が炸裂する。
突然俺には防御する術はなく。
だが、俺には防御する術はなくても、吸収する術ならある!

「喰らい尽くせ!
デッドイーター!!」

俺の眼前に黒い靄が出て、フェイトの
シューターを飲み込む。
しかし、数えるのも面倒な程の沢山のシューターだったため…

「ぬぉっ!?」

かなりデッドイーターがやばい状態に…このままじゃあ、破られるぞ!

そして
カシャーンという音と共にガラスが砕けるように、俺の最後の砦が崩された。

…………


「…ハァハァ…はぁ…」

未だフォトンランサーを撃ったフェイトの息は荒く、肩は忙しなく上下している。
やっぱり辛かったとフェイトは思いつつ、自分のデバイス、バルディッシュを杖の代わりにして立ち上がる。
さすがに、あの頑丈な薫でも倒れただろうと思い、ふらつきながらもそこから去る。そして、こういった。

「ごめんね。薫…」

そして、今までの戦いの現場が崩落し、後には黒い空間がぽっかりと見えそれ以外は何も残らなかった…




どうも、unworldです。
今回のお話は期間を開けてすいませんでした。
やはり同時並行というのは並大抵のことではないですね。
しかし、もう一つの作品『東方羅刹記』もこの『呪い使いの転生者』に関してもなぜか主人公が不幸ゆえに力を求めその先に何かを探す作品?になってしまいます。
自分にはこういうお話しか生まれないのかっ!と思いつつ、やはりネタはこういうのしか浮かんでこないので書くしかないですね。
ではでは、これからもunworldの作品をよろしくお願いします!
コメントなどお待ちしてます。

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