小説『vocaloid note』
作者:幻想狂想曲()

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番凩


かわいた木枯らし そよそよと
かわいた木の葉は ひらひらと
相見 (あいまみ)える日を 待ちながら
刻 (とき)を数え歩く


綴る言の葉に 彩られ
紅く色めき 刹那に踊る
紅葉 (くれは)一枚 手の平に滑り
語るは…


焼けた故郷に 別れを告げて
木の葉の手に引かれ 走り去る
未だ見ぬ未来への 不安など
感じる 暇 (いとま)など ありもせず


かわいた木の葉は ひらひらと
かわいた木枯らし そよそよと
繋いだ手と手を 離さずに
刻 (とき)を数え 翔ける


普 (あまね)くヒトの命 背負い
その小さき手で 何を紡ぐ
ほんの微かな 綻 (ほころ)びに
死ぬるこの世で


信ずる道を ただひたすらに
歩むお前の 支えとならん
紅 (くれない)の 剣 (つるぎ)を 携 (たずさ)えて
この身 木の葉と
吹かれて行こう


戦 (そよ)ぐ 風となりて
数多 (あまた)の 癒しとなり
生きとし生ける
この世の者への
追い風とならん


紅 (くれない)、 黄金 (おうごん)に 彩られ
揺れる 樹々たち
横切りながら
枯れ葉 共に 道連れに
翔け抜ける 木の葉と
つがゐこがらし


擦 (こす)れさざめく 木の葉と共に
翔ける 一陣の風と共に
留まる事なく 直 (ひた)走る
かわいた唄と
つがゐこがらし

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