小説『続・黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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前書き
あけましておめでとう! そして今年もよろしくお願いします!
できるだけ書いていくつもりですが・・・・・ね、時間がないんだ。その辺ご理解お願いします!

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第四四話


 シャル、ラウラが心の世界に来て数十分ぐらいだろうか。それぐらいがたち、フリーダムの軌道実験に付き合ってもらうことにした。
シャル「・・・・ねぇ葵? 本当にするの?」

葵「むろん。でなければお前らにISを装備させている理由にはならんだろ」

 そう。今二人には二人のISを実際に装備してもらっている。

ラ「・・・・・お手柔らかに」

葵「それは難しいかもな」

シャル・ラ「「え!!?」」

 後ろで「どういうこと!?」と聞いてくるが、・・・・まぁ無視だな。

葵「じゃあ行くか。フリーダム」

 フリーダムを起動させると新庄みたいな両手にビームライフルが構えられておらず、ビームラフルは一丁、そしてシールドが装備されていた。

葵「〈フリーーダム。ほかの装備は?〉」

フ≪はい。ほかには背部ウィングに搭載されているプラズマ収束ビーム砲が二つ、腰部にはレールガンが装備されています≫

 そうか。あれ? でも確かビット兵器とかなかったか?

フ≪はい。ですがあれは二次移行(セカンドシフト)によって変更されてますから≫

 へぇ。セカンドシフトか。・・・・・セカンドシフト!?

葵「〈じゃあ何か? あいつはセカンドシフトであの程度の強さだっということか?〉」

フ≪はい。まぁ神様特典でしたからね。私も彼の能力も≫

 ・・・あほらしい。そんな実力も何もなくてよくこんな強大な力を御すると思い立ったな。無謀だ。

葵「では始めるか」


SIDE観客


 葵たちとの戦闘を観客席から見ていたのは道真、束、エクス、ルミルの四名だ。

道「なるほど。あれでまだ初期段階さねか」

束「さてさて、あーちゃんがどう出るかな。でも言っちゃ悪いけど分が悪いかな」

 その言葉にその場の残りの者たちは驚きとあきれがあった。

道「・・・・束、一つだけ言わせてもらうさねがこの戦い最初っから勝敗など目に見えているさねよ」

束「まさかあーちゃんが勝つとでも?」

エ「むしろマスターが負ける理由は何ですか?」

 その言葉に束は考える時間を必要としなかった。まぁ理由としては至極当然すぎたのだ。

束「一つは見た感じ一対多を想定しているみたいだけど接近戦に持ち込まれたら不利になる。そして最大の理由は「使い慣れていないからさねか?」そうだよ。やっぱり使いこなせてなんぼだよ」

 すると、その場にいた皆が苦笑いするもの、失笑している者もいた。

束「なんでそこで笑うかな?」

ル「いやなに。われらがマスターがたかだかがそれぐらいで苦戦を虐げられるとは思わないからな事実今有利に事を運んでいるのはマスターだぞ?」

 そう。実際戦いで有利に運んでいるのは葵だ。

リイン「それにパパに勝てる条件はあくまでも手を抜いていること。練習、訓練。これらが条件です」

束「じゃあいっちゃんやあの銀髪赤目に負けたのは?」

アギト「答えは簡単だろ。あの二人の仲は犬猿だったかもしれないが、コンビネーションは一級品だ。中の修復さえかなえば最高品に上り詰める。でもそれが理由で兄貴が負けることにはならない」

 そして静かに闘技場を見ていたエクスが、

エ「マスターは勝ちます。しかも誰もが驚く置き土産を置いて」


SIDEOut


SIDEアリーナ


シャル「くっ、彼と違ってビット兵器がないのに―――そこ!」

葵「狙いは悪くないが、速度がいまいちだ」

 そしてシャルが完全にとらえたと思い発射した弾丸もいとも簡単によけ、レールガンを放ちけん制する葵。

ラ「(これがケルベロスと候補生との差・・・・高すぎる、壁があまりにも高すぎる・・・)だからと言ってあ決めるわけにはいかないんだ!」

 レールガンにはレールガン。一言にレールガンといっても連射性を重視したものか、それとも一撃に重視したものとでは威力、速度、次弾装填時間がすべて違う。

ラ「くっ、連射性か。(それに翼部分のブースターが厄介すぎる)」

シャル『聞こえるラウラ?』

ラ「あぁ。要件は何だ? なかったら格好の的だ」

シャル『あの翼壊せる?』

ラ「無理だろ。こちらのすべてのスピードを完全に上回る。それに嫁自身の反射速度が良すぎる。下手な策練ればそれが私たち自身の落とし穴になる」

シャル『確かに。でも「だから私がおとりになる」え!?』

 ラウラの意外な一言にシャルは驚きを隠せなかった。まぁそれも彼との出会いによる変化ともいえよう。

ラ「私の場合底まで速度が出ない。また武器も遠距離系はこのレールガンだ。そうなれば隙が大きい。だが、お前のはそれを上回るだろ?」

シャル『・・・・わかった。無理はなしだよ?』

ラ「ふっ私を誰だと思ってる? 私は嫁のパートナーで嫁に勝ってる」

シャル『勝ってることは認めるけど、葵のパートナーの座は譲れないよ。対抗戦でのパートナーは僕なんだから』

ラ「お前とはこの後きっちり嫁のことで白黒つけなくてはいけないな」

 なにやら女性は女性で火花を散らしてはいたものの作戦は決まった。

ラ「はっ!!」

葵「む?」

 ラウラから砲弾が放たれたのを見て葵は回避よりも相殺を選んだ。レールガンに対しビームライフル4、5発を放ち爆破。たちまち爆発による煙が空中にまかれる。

葵「止まっていては何も出来んぞ!」

 ビームサーベルを構え、ラウラに突っ込む。それをラウラは腕にプラズマ刃を構え攻撃を防ぐ。

ラ「くっ」

 だが、力の差は圧倒されていた。それでもなぜかよけようとしない。

葵(おかしい。なぜこうも? まるで・・・・まさか)ちっ!?」

 攻撃をやめ急いで背後に来るであろう攻撃に備えようとした。だが、これが間違えだった。

ラ「隙を見せるものではなかったのか?」

葵「くっ」

 前方にはラウラがレールガンを構え、後方からはシャルがその細い腕に二丁のマシンガンを構えていた。

葵(なるほど、武装の破壊か)

――ズガァッン

――ドドドドドッ

 連射される後方にでかい一発を放つ前方。それを葵がよけきれることができなかった。そして、


―――ズガァーーーーーーーーン!!!


 激しい爆発音が鳴り、その場に爆煙が広がった。


SIDEOut


SIDE観客席


束「やっぱり。あーちゃんには厳しいこと言うかもしれないけどこうなるよ」

エ・ル「「・・・・・」」

 エクスとルミルは黙ってその場を見ていた。ただ、その眼にはどこかやっぱりという目があった。ただ、束と違い、敗北という意味でのやっぱりではなかった。

リイン「やっぱりパパです」

束「え?」

アギト「兄貴は負けてねぇ。それどころか兄貴自身を成長させた」

束「どういうこと?」

道「見てればわかるさねよ」

 そして、束は再びアリーナに目を向けると、そこでは先程まで上がっていた煙が次第に晴れて行っていた。

 そして、その場から姿を現していたのは、

束「・・・・あーちゃん。束さんはますます君に興味を抱くよ♪」

 そこには興味を示しているのか、はたまた別の意味での顔なのか、束の口の端吊り上がっていた。


SIDEOut


SIDEアリーナ


ラ「やったか?」

シャル「わかんない。でも葵だからこれで終わらないと思う」

 そして煙が晴れると、そこにいたのは、

シャル「あの姿って・・・・まさか!?」

ラ「あれがフリーダムの二次移行だったのか!?」

 その姿に二人は明らかに驚愕の色を隠せなかった。葵の居間の姿は二丁のビームライフル、胸部に複相ビーム砲、ビームサーベルが2本、そして目を引くのはその翼。ただのスラスターがビット兵器となっていることだ。

ラ「だが、装備はこちらも記憶している。数での有利はゆるぎない!」

シャル「圧倒するよ!」

葵「さて、そううまくいくかな?」

 するとフリーダムの翼部分が射出されて向かう先は、

シャル「え!? 僕!?」

 そう。シャルである。通常なら武装が少なく、小回りが利きにくいラウラのもとへ行くと予測するだろう。

葵「ラウラにはAICが装備されている。ビットも意味をなくす。ならシャルのお相手をと思ってな」

 その予測は正しかった。そしてその俊敏さはシャルだけでなくラウラですら驚いていた。

シャル「何この不規則な動き!?」

ラ「(それでいてこちらに攻撃を平然となすだと!?)やるな嫁」

葵「お褒めのお言葉ありがたく頂戴する。そして勝利もな」

 接近戦は不利と判断したラウラは距離を取り、レールガンを構える。

ラ(あの武装ならビームライフルは届かない。なら、レールガンか、あの胸部の高圧縮ビーム砲だろ)

 だが、葵は意外な装備、そう元の持ち主もあまり出さなかった、というか知っていたかどうかも怪しいが。

葵「これはこういう使い方もあるみたいだぞ?」

――ガチャンッ

ラ「なっ!? 連結だと!?」

 そしてそのまま迷いなくラウラの肩のレールガンを破壊。そして、

葵「(フリーダム。一斉射撃いけるか?」

フ≪イエス。ドラグーンがないですけどそれでも十分いけます!≫

 そして、胸部、レールガン、二丁のビームライフルの一斉射撃がラウラに向け放たれる。

ラ「くっ!?」

―――ズガァアアアアアアアアン!

道『ラウラ・ボーディヴィッヒ残存エネルギーゼロ』

 道真から伝えられるその一言は当然といえば当然だが、まだ余裕があったエネルギーを簡単に奪える威力にラウラは驚いていた。

 そして一人残されたシャルもただでさえドラグーンに苦戦していたにもかかわらずそこに葵が参加したことにより、

シャル「くっ、接近戦と360度全方位をカバーする兵器を同時に相手するのはつらいよ!?」

葵「ほぉ。まだ余裕があるみたいだな」

シャル「これがそんな状況に見える!?」

 結果はラウラ同様一斉射撃、といっても今度はビット兵器も加わっため威力は先程よりもあり、当然シャルも驚いていた。

 二人の戦闘不能によって商社は葵となった。


SIDEOut


シャル「ぶぅ〜〜〜〜〜」

ラ「・・・・・・」

 試合終了後、ふくれっ面をしたシャルと、黙ってこちらをにらんでくるラウラがいた。

葵「えっと、その、すまん。少し熱くなりすぎた」

シャル「最後のあれはないと思うんだけど?」

ラ「いくら私でもあれはないと思う」

葵「・・・・すまん」

 なぜこうなったんだ?

道「はっはっは。途中から若干本気を出してたのが原因さねよ。というか一回目であそこまでいくとは、いやはや予想通りさねよ」

束「束さんも驚いたよ。というかそこの二人は何でさもあーちゃんが自分のモノみたいに言うかな?」

 そこからはなぜか女同士、といっても束、シャル、ラウラの三人での物言いだった。

 なぜに?

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