第十話 明かされるカイルの魔法!
「ナツ!グレイ!お前達はエリゴールを追え!!」
ルーシィに起こされたナツとグレイはエルザに指示を受けていた。
「「はあ⁉なんで俺がグレイ(ナツ)なんかと!!」」
一斉に不満を言う二人。
「ここは俺とエルザとルーシィで充分だ。お前らならエリゴール程度の雑魚に負けるわけないだろう?」
「あ、あの〜。私を勘定に入れないで欲しいんですけど〜」
「いけ!!お前達!!」
まだ不満を垂らしつつエリゴールを追うべくホームの中に走って行く。
「さてと、俺たちはコッチを何とかしますか…」
鉄の森の連中に向き直ると、
「相手はたった三人。しかも二人は女だ!楽勝だぜ!!」
「しかし二人ともいい女だな。男さっさと殺して愉しもうぜ」
下卑た笑いをもらす鉄の森。
「下劣な……」「可愛いってのも大変ね」
「ルーシィ、あんま調子のんな」
一言ルーシィに忠告した後、カイルは鉄の森全メンバーに殺気を向けた。
一気に萎縮する雑魚共。
「おい、てめえら。誰を殺すだと?調子乗ってんじゃねーぞ」
カイルはイフリートを呼び出し、エルザは剣を換装し構えた。
「火の魔法に換装魔法?珍しくもねえ!!コッチにも山ほどいるぜ!!」
次の瞬間おびただしい数の炎と剣士が襲いかかる。が、カイルはそれをよけようともせず、エルザは素早く武器を構え、応戦した。
「えええええ!!!か、カイルよけなかったよ!!」
「大丈夫。カイルも炎は効かないから」
狼狽するルーシィにハッピーが落ち着いて説明する。そして炎を纏ったカイルが爆炎の中から悠々と歩いて来た。
「人数集まってこの程度かよ。ぬるいな」
「な、何だこいつ!!炎を着ている?!」
「カイルには炎というか、自然系全ての魔法が効かないんだ。ありとあらゆる事象を司る精霊王。その全てを支配する魔法。その名は
ローレライ」
「これがホントの炎って奴だ。受け取れ!!」
手から目の前を覆い尽くさんばかりの炎が出される。鉄の森の連中は一気に無力化された。
「く、この女、換装速度が早すぎる!!」
一方エルザは一人で大人数相手に大立ち回りを繰り広げていた。
「ふむ、多すぎる。キリがない。面倒だ、一掃する」
エルザの体が光に包まれたかと思うと、鎧が剥がされていった。
「「「おお!!」」」「エロイ!!」
鉄の森の連中とルーシィが叫ぶ。
「エルザは鎧ごと換装してその力を最大限に引き出す魔法。
騎士(ザ・ナイト)」
「舞え、剣達よ!!」
飛び交う剣が敵を一斉に貫く。
魔法の正体を明かし、鉄の森と一人が悲鳴を上げた。
「お、思い出した。こいつらフェアリーテイル最強のコンビ…シルバリオ・ティターニアだ!」
「カイル!」「おう!」
二人が呼び合うと空を舞っていた剣達にカイルが炎を纏わせる。
「「ユニゾンレイド!!」」
炎でできた剣を構えるカイルと羽の鎧を身につけたエルザが敵陣を駆け抜けた。
「「スカーレットファング!!(天をも焼き尽くす剣の乱舞!!)」」
そして全ての敵をなぎ払った…
「す、凄すぎ……」
二人の戦いを見たルーシィは腰を抜かしている。
「私とカイルが組んで勝てぬものなどいない!」
「それは言い過ぎだ」
死屍累々の中を悠然と歩く二人。だが、エルザがよろめいた。カイルがしっかりと抱きとめる。
「やっぱ魔道四輪で無茶し過ぎたな。ちょっと休んでろ」
「あ、ああ。すまない。か、カイル…その…ひ、膝借りていいか?//////」
「………ったく。好きにしろ」
カイルの膝を枕にエルザが真っ赤になって寝転ぶ。それを見たルーシィは羨ましそうな顔で
「いいなぁ」
とつぶやく。
「ルーシィは何もやってないから無理だよ」
ハッピーが追い打ちをかけた。
「うわーーん!次は役に立つ〜〜。ところでカイルってあんなに強かったのね」
「言っとくけどあれゼンゼン本気じゃないよ?憑依(ゴースト)タイプじゃ精霊王の力を五十パーセントも出せないらしいから」
「アレで半分!!」
「うんにゃ、三割ぐらいだ」
話を聞いていたカイルが答えた。
「まだ上があるって…ど、どんだけ強いのよ」
冷や汗を流すルーシィ、しかしカイルはもう違うことを考えていた。
(俺の予想通りだとすると、早く動かないとヤバイな)
「エルザ、もういいだろ。俺はエリゴールを探しに行く。お前はもうちょい休んでろ」
エルザの頭を優しくどける。
「あ///」
名残惜しいのか。唇を少し尖らせる。
(急がねえとな……閉じ込められちまう前に…)
あとがきでーす。ついにカイルの魔法名が明らかになりました。しかしローレライの種類は憑依するだけではないのです。次回もよろしくお願いします。コメントもよろしく!!