小説『短編恐怖物語集』
作者:Maifa(アクアマリン)

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私は、文化委員でよく音楽室に来ていた。
ある日、音楽室の整理当番で音楽室に向かった時に・・・・



  『〜〜〜♪〜〜〜♪――――…』


凛「(歌・・・?)」

音楽室から誰かの歌う声が聞こえた。
私はその歌声に聞き惚れてしまった。

凛「綺麗な声・・・。」

私は歌っている人が誰なのか知りたくなって、少しだけドアを開けて中を見た。
そしたらそこには、黒いロングヘアーの顔の整った女の人が居た。

声をかけたかったが、女の人の放つオーラのせいで話しかけられなかった。

私は歌を聞いていたかったので、整理をしずにドアの前で歌をずっと聞いていた。






あの日から、私はいつも音楽室に通っていた。
でも今日は歌声が聞こえてこなかったので、不思議に思った私は音楽室の近くにあるクラスの人に聞いた。

凛「ねぇ、いつもこの時間に音楽室で歌ってる綺麗な女の人は?」

女子1「ぇ?歌?
    何言ってるの?」

凛「え・・・?」

女子2「私たち、この時間までいつもこの教室にいるけど・・・














                  歌声なんて、全く聞こえないけど・・・?」












その言葉に私は「ウソ・・・」と声を漏らした。

女子1「それに、この時間に音楽室に行く人なんていないと思うよ。
    文化委員の人は別として・・・。」

女子2「うん。
    だって、



      4年ほど前に、あの音楽室で自殺した女子生徒が居るらしいから。

     それで、その人の生き霊が未だに音楽室にいるんだって噂になってるから・・・。」











その日の帰り道、私はゆっくりと考えた。
初めて歌を聴いたあの日からの事を・・・

凛「・・・歌ってる時のあの人、幸せそうだったな・・・・・」

あの人の表情は、すごく幸せそうだった。
あの人が霊だったとしても、歌に注ぐ想いは人間そのものだった。




私は、あの人が帰って来てくれる事を願った・・・・・・。






 人間でも霊でも、その中にある想いは全く同じなのですよ・・・


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