小説『短編恐怖物語集』
作者:Maifa(アクアマリン)

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(※夏設定です。)


 キーンコーンカーンコーン
 

凛「ハァ・・・・疲れた〜」


今日はもうすぐ体育祭と言う事もあってすごく忙しかった。
家に帰る途中、汗が止まらないほど暑かった。


凛「今年の夏は猛暑かな・・・」


そんな事を呟きながらなんとか家に着いた。


  ガチャ

凛「ただいまー・・・・って、誰も居ないか。」


今日はみんな用事があるって言ってたからな・・・


私は階段を上がり、自分の部屋に行って着替えた。






凛「あっつぅ・・・ジュースジュースっと。」


冷蔵庫からジュースを取り出し飲み始める。
飲んでいる時に、視界に映ったのはリビングのテーブルに置いてある花束。

コップを台所置き、リビングに行ってその花束を持って見る。


さっき見た時は無かったのに・・・


そんな疑問が頭に浮かんだが、すぐに打ち消した。

私は花に興味があって、よく調べたりしていたから何の花かはすぐに分かった。


凛「・・・ブーゲンビリア・・・?」


濃いピンク色をした花だ。
原産地はブラジルで、日本では温室で栽培されているらしい。
この花は初夏、今の時期に見られる花だ。


凛「ん?・・・何だコレ?」


花束の中に紛れて、小さく折りたたまれた紙があった。
その紙の外側には私の名前『凛様へ』と丁寧な字で書かれてあった。


私宛の花と分かって機嫌が良かった私は、その紙を少し笑みを浮かべて開けてみた。
だが、紙を見た瞬間その笑みは消え去った。


凛「ヒッ・・・・!」













『凛・・・・愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる
 キミは俺のモノだ俺のモノ俺のモノ俺のモノ俺のモノ俺のモノ俺のモノ絶対に誰にもワタサナイ・・・』












表の丁寧な字とは違って、乱れた字。
私の頭は混乱状態だった。


どうしてっ・・・・ストーカーなんて居なかったしこんな事もなかったのに・・・っ!


今までこんな経験がなかった私は、気分が悪くなってすぐに手紙と一緒に花束も燃やして捨てた。



最初は無かったのにいつの間にか置かれていた花束。
乱れた字で書かれた手紙。
そして今思いだした。ブーゲンビリアの花言葉・・・。



   (俺はもう・・・・【貴女しか見えない】・・・・)


風に乗って、そんな言葉が聞こえた気がした。

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