小説『短編恐怖物語集』
作者:Maifa(アクアマリン)

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  ザザァァァァァァーーーーー



凛「うっわ雨だ・・・どうしよう明日・・・。」



学校に居た時は青い空が出ていたはずなのに家に帰るといきなりの土砂降り。
明日は龍一のサッカーの試合があって応援に行く予定が入っていた。



凛「これじゃ明日の試合が・・・・」



サッカーの試合は決勝。
龍一は明日の試合をすごく楽しみにしていて今日も練習していた。

私は不安になってテレビをつけた。
すると、ニュースが流れていて天気予報は5分後から始まるらしい。

天気予報が始まるまでニュースを見ていようと思い、窓から離れ床に座ってテレビを見ていた。


凛「・・・・アレ?」


私はテレビ画面に釘付けになった。


(ただ今入ったニュースです。
 今日の午後5時49分、○○市を歩いていた●●学園の生徒が大型車と衝突し死亡しました。
 死亡した生徒は男子で部活の帰りだったと推測されました。
)


●●学園・・・・龍一たちの対戦相手の学校だわ・・・。


そんな事を考えていたら、ぱっと死亡した男子生徒の顔写真が出された。


凛「・・・この人・・・!
  対戦相手のサッカー部のキャプテンじゃない・・・!」


そう、死亡した男子生徒とは対戦相手のキャプテンだったのだ。

私はその事を知ると、申し訳ないけど安心してしまった。
安心してしまった事に心で謝った。

その後、天気予報が流れ、明日張れる確率は50%らしくわからない状況だった。


私は晴れる可能性があるならと思い、幼稚だけどてるてる坊主を作ってみた。
てるてる坊主を作ったのは初めてだけど、割とよくできたので窓際に飾って明日晴れるように祈った。







――――翌日、朝起きて私服に着替えた。


凛「・・・アレ?」


窓にてるてる坊主は無かった。


・・・・落ちちゃったのかな?


そう思って窓を開けて外を見る。
空は多少の雲はあるけど何とか晴れてくれたみたいだ。

空を見上げて笑みを浮かべていると、頬に何かが落ちてきた。


――――ポタッ


凛「?・・・・・!?」


指で拭ってみると、それは赤いモノ。
私は自然と下を見た。

するとそこには・・・・



凛「っきゃあああああああああああああああ!!!!!!!!」








            

         赤く染められたてるてる坊主が、首と体を引きちぎられた状態で落ちていた     






その残骸を見た時、不気味に男性の声が脳内に響いた。
その男性の声は音となり歌を歌っていた。



   
            てるてる坊主 てる坊主 明日天気にしておくれ

                それでも曇って泣いたなら 




       ―――――――――そなたの首を チョンと切るぞ―――――――――





歌っていた男性の声は・・・もしかしたら・・・・―――



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