小説『短編恐怖物語集』
作者:Maifa(アクアマリン)

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「じゃあな龍二!」

龍二「おう!また明日な!!」

俺は放課後、友人と別れて帰り道を一人歩いていた。
いつもは自転車なのだが、この日に限って自転車のタイヤがパンクしてしまったのだ。
おまけに冬と言うだけあって帰りはすごく暗かった。

龍二「っち、最悪だよ・・・」

文句を言いながら道をまっすぐ進む。
だが、俺はいつも通る公園の前で足を止めた。

龍二「・・・どうしたんだ?こんな時間に・・・」

俺が目にしたものは、街灯で薄暗くなっている公園の中で遊んでいる子供たちだった。
周りには大人らしき人影もないので、俺はちょっと子供たちが心配になった。
俺は声を掛けようと、足を公園に向けた時・・・・

龍二「・・・・・・!!」

数人いる子供の内、3人ほどが俺の目を見て怪しくニタリッと笑った。
俺はその瞬間恐怖を覚え、足早に公園から離れた。






龍二「ハァ・・・何なんだよあのガキは・・・・」

俺は息を整えて後ろを向いた。

龍二「・・・・・ヒッ!」

すると、俺から5m程後ろにはさっきの子供たちが居た。
暗くて表情はよくわからないが、これだけは分かる。

龍二「・・・わ、笑ってやがる・・・」

俺はさっきよりも速く歩いた。
だが・・・・

タッタッタッタッタッタッタッタッ

俺の後ろで数人の足音が聞こえる。
その音はだんだん近づいてきた。

龍二「っ何なんだよ!!」

俺は怒鳴りながらまた後ろを見た。
だがその怒鳴り声もむなしく消えた。
子供が、さっきよりも近く・・・と言うかすぐ傍に居て、固まっている。
表情は変わらず笑っている。

これじゃ・・・まるで・・・・・

龍二「・・・・・・・だる、ま・・・?」

俺も兄の龍一や母さんや父さんとやった覚えがある。
確かこの遊びって・・・・!!!!

龍二「う、うわあああああ!!!」

ある事に気付いた俺はとにかく走った。
振り返る事なく。

途中、踏切が見え、ギリギリで渡った。
その時初めて安堵の息を吐いた。

膝に手を付き息をする。
そして振り返った。

龍二「・・・・・ヒッ・・・」

もう怖くて声も出なかった。
だって――――――





           


                          踏切の向こうで子供たちが笑っていたから。                        






――――今思えば、ホントに助かってよかったと思ってる。

あの時子供たちに追いつかれていたら・・・・今頃どうなっていただろう。
考えただけでぞっとする。


貴方達も、『だるまさんが転んだ』をやる時は・・・・後ろに気をつけて下さいね?

-5-
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