小説『Re:Write(仮)』
作者:桃飴()

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 授業の後はから特に伝達事項のないHRも終わりやっとこの空間から開放された。

 目が覚めてから2〜30分経つのにまだ眠気は完全に醒めないまま、とりあえず家に帰って今日は寝ようと

決めて中身が空っぽのカバンを手にとって教室に出ようとしたら

「おーい久坂今日バイトだろ?俺もだから一緒に行こうぜ」

 そう声をかけてきたのは、背丈は170cm前後で茶髪を黒染めしたのが薄れてきたのか赤みがかった頭髪

で、腕っ節が強そうな筋肉質のちょっとやんちゃしてます的な奴前原だった。クラスで唯一の友達でもある。

「あぁ、今日バイトだっけ?すっかり忘れてたっちゃ」

「バイトの日を忘れるなんてお前にしたら珍しいな」

 眠気が醒めきってないからすっかり忘れていた。

「どうせ足がないんだろ?とりあえず俺の家で時間つぶそうぜ」

「そうやね。そうさせてもらうわ」

 遅れた5月病が発症したのか、ただ単に疲れが取れてないのかと考えながら前原と学校を後にした。

 前原宅は学校から徒歩5分程度の距離で、外観はプレハブの進化した様な少し古い2階建ての1Kアパート

で、2階の一番右端が彼の家だ。

 1人暮らしで何でも市外から単身引っ越してきたと以前言っていたが、個人的には溜まり場としてはもっと

も最適な条件がそろっているので詳しい事はよく知らないし、詮索もしようとは思わなかった。

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