小説『Re:Write(仮)』
作者:桃飴()

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 俺らのバイト先は前原宅からバイクで10分程度の場所にあるファミレスで、お互い裏方で週3〜4日労

働。調理やら、掃除やらそこらへんをしている。ここでのバイトも半年以上やっている慣れのせいか、どんな

に忙しい時でも淡々と仕事をこなすことができる。

 個人的には忙しいほうが時間経つのが早く感じるから好都合なのも事実だ。

 17時から22時までの5時間労働の後は、まかない料理代わりに社員割というメニューが半額で食べる事

ができるので、今度は客になって客席に座る。でも食べる料理を作るのも自分達だ。

 バイト終わりの開放感と疲れも相まっていつも食べるのはメニュー表の2倍以上量のあるバニラアイス。

本当は普通に定食みたいなのを食べたいのだが、食欲を見事に相殺させてくれる理由が隣にいた。

 前原が持ってきたのはプレートに2段になっている3つのハンバーグと、幼少期に作った砂の山を連想させ

るような量のライス。しかもぱんぱんに詰めたのかふっくら感が全くない。何これどこのおはぎの中身?

さらにそれを食べる姿はもう食べるとかではなく、胃にダイレクトに流し込んでいると言っても過言ではない

食べっぷりで、見ているこっちが食欲をことごとく失せてしまう。

 そういえば以前に、ガツガツ食べる人が好きと言っていた前原の元カノすら、その食べっぷりに幻滅して別

れた逸話をもっている。その元カノはガツガツ食べる人はもう生理的にダメと言わしめ、感性を捻じ曲げてし

まう前原はある意味すごい。

 その後は前原宅に戻ってとりあえずゴロゴロして過ごす。

 これが大抵1日の流れであり、バイトがない日は自宅でゴロゴロする。もしくは近隣を徘徊するか位の違い

で、バイトを始める前からこんな生活を送り怠惰な日常を貪るような毎日だ。

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