5月25日 土曜日
目が覚めるとそこは自分の部屋ではなく、あくびをしながら周囲を見渡して前原の部屋だと認識するまで
およそ15秒。電気はつけっぱなしで、前原はベッドで大の字になって寝ている。
携帯電話で時間を確認するとまだ6時23分で、締め切った部屋の空気の入れ替えと眠気を覚ます為に窓を
開けると少し冷たくて気持ちいい風が顔にあたる。
いつ寝たのかさえ覚えてないのだが、そういえば昨日
「いつまで寝てるんか?帰らんのか?」
と前原が言っていたような気がするが、あくまでも気がするだけで確証はない。だが、ブラウスと制服ズボ
ンのままで、体も汗で少しベタついている。バイトが終わってここに戻ってから程なくして眠ってしまったの
だろうからと思いつつ、とりあえず浴室に向かった。
何気にここで寝過ごす事があるせいか、洗面所にある他なの一角には自分の下着一式やら学校着・普段着をス
トックしてある。ある意味半同居人みたいなものだが、毎日ここで寝泊りする理由もないし、そもそもそうし
たとしても前原から家賃を請求されそうだから嫌だ。
とりあえず脱いだ衣類は持って帰る用にスーパーのビニール袋に詰めて昨日の汚れを流す為にシャワーを浴
びた。