オッス!オラ、平賀才人!秋葉原で修理が終わったノートパソコンを持って家に帰る途中で変な鏡みたいなものの中に入ってしまい、気がつくとファンタジーだったんだ。
色々混乱したけど多分異世界ということがわかった。それと俺と一緒に飛ばされて来たのがもう一人いた。名前は竹脇カイト。20歳だそうだ。俺より冷静でなんか凄そうなオーラ(?)が出ていたけど、この世界じゃ珍しい黒髪黒目だ。多分俺と同じく地球から来たんだろう。しかも十字架のペンダントをしているからもしかしたら神父さんかもしれない。そんなことを思っていたらさっき俺のファーストキスを奪ったわけわからないルイズとかいう生意気な女の子が言ってきた。
「起きたなら早く退きなさいよ」
ルイズと才人が帰って来たとたん言い合い始めた。それを見ていると胸元の十字架のペンダントにナニカが入ってくるのを感じた。
なんだ、そんなことか。
だから自業自得だ。
と、不意に誰かが近づいてくる気配があったので念話を切る。
「ちょっと、あんた聞いてるの?」
「すまん。聞いてなかった」
「はぁ・・・もういいわ。サイトは異世界とか変なこと言ってたけどあんたは何処から来たのよ?」
「そうだな。俺も違う世界から来た」
「・・・・・証拠はあるんでしょうね」
「証拠か・・・・平賀はどうやって証明したんだ?」
「あ、サイトで良いですよ。俺はそこのノートパソコンで・・・」
パソコンか・・・。ここ数十年触って無かったからな。上手く操作できないだろうな。
「証拠は・・・・これでいいか?」
そう言いながら3つの魔法球を周りに出す。
「あなた、メイジだったの!?」
「いや、俺は魔導師だ」
「魔導師?・・・メイジとなにが違うのよ?」
「魔導師はデバイスと呼ばれる媒体を通して魔法を行使する人間をいう。俺は管理局という所にいて、確か中将だ」
「中将って・・・・どのくらい偉いの?」
「そうだな。簡単に言うなら幹部に入るか入らないかってところか」
管理局の『裏』には関わっていた上層部だけど世間的には違ったしな。
「そういえば杖は?」
「デバイスな。これだ」
そう言って胸元の十字架のペンダントを出す。
「ふーん。ま、いいわ。一応信じてあげる」
「カイトさんって俺と同じ日本人じゃなかったんですか!?」
「生まれと育ちは日本だな。中学卒業と共にミッド・・・管理局のある場所にいったからな」
「す、すげぇ・・・」
「???」
ルイズが俺たちの会話について行けなくなって頭に?マークが浮かんでいる。
「ま、この話は終わりだ」
「そうね。・・・話してたら眠くなっちゃったわ」
するとルイズが服を脱ぎ出した。言い訳じゃないが別に子供の裸を見たって何とも思わないぞ。
・・・・これもヘラに報告だな。
そう言ってゼウスは帰って行った。強く生きろよ、ゼウス。
「な!?お前何処で着替えてんだよ!」
サイトが赤くなる。そういえばルイズが着替えてたな。
「何処で着替えようと私の勝手でしょ?」
「そうじゃなくて、俺らのいないところで着替えろっつってんだよ!」
「?何で?」
「だって、い、色々マズイだろ!」
「いいじゃないかサイト。見たことないんだろ?」
「そうそう、この際隅々まで見ちゃいなさいよ」
「あんたら、何冷静に話ややこしくしてんだよ!?てか、ルイズは恥ずかしくないのか!?」
「サイトもカイトもただの使い魔じゃない。恥ずかしいわけないわ」
そう言いながらルイズは才人に洗濯物を投げつけた。
「何でもいいけどこれ、明日になったら洗っといてね。サイトだとわたしを守れそうにないし。カイトは私を守りなさい。多少は戦えるみたいだから」
「了解だ。ルイズ」
「わ、わかった」
「もう寝るわ」
そう言うとルイズはベッドに潜り込んで寝てしまった。やることも無いので俺も寝ることにするかな。
「ふう、今戻ったのじゃ」
「あら、お帰りなさいあなた」
む、姉様の態度がおかしい気がするのじゃ。
「ね、姉様。どうしたのじゃ、改まって・・・」
「あら、姉様だなんて呼ばないで。私たち夫婦なのよ」
こ、これは遂に姉様が!!
「ヘラ!!さっそく寝室に行くのじゃ!!」
「あら、お盛んね」
・・・・・その数分後。ゼウスの悲鳴が寝室から聞こえた。その後、ゼウスの姿を見た人がいたとかいないとか。まあ普通の『人』は見れないが。