小説『ナオキ君』
作者:ヨナ(ヨナ日記)

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「チュウチュウ達は乗り物に乗らなくちゃ」

 ジャングルジムの下であたしがそう言うと、ナオキ君はうなづく。

「そうだ、乗り物に乗らなくちゃ」

「何に乗ろうか、ええっと、飛行機だ」

「そうだ、飛行機だ!」
 
 そうしてその日は粘土板の上が飛行機製造工場になる。

「ビーム出るところ作らなきゃ。敵が来たときに撃つの」
 
 あたしはずんぐりした機体の下に、細く丸めた粘土をくっつける。

「僕もつける。ビーム出るところ」

 ナオキ君の飛行機にも立派なビームの発射口が取り付け完了。

「ねえ見て、これが屋根になるの。雨が降ってきたらここからこうやって出てきて、屋根になるの」

「僕のも屋根付けよう」

「……」

 ナオキ君はいつも一生懸命あたしの真似をする。

 あたしはときどきそれが嫌にもなるんだけど……でも一緒に遊ぶのは楽しいから我慢する。

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