小説『ナオキ君』
作者:ヨナ(ヨナ日記)

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その日は三月なのにすごーく寒い日で、午後から大粒の雪が降り出した。

それがどんどん積もって、夕方には足が埋まっちゃうくらいになってた。

ナオ君ママは心配して、おうちまであたしを送って行くって言ってくれて、

だけどナオキ君とお兄ちゃんは、来たときみたいに二人でおうちまで送るって言い張った。

そうしたらママが物置から真っ赤なプラスチックのそりを出してきた。

「転んだら大変だから、ここに乗ってね。ナオ君とお兄ちゃんがひっぱっておうちまで行くから」

ナオ君ママはそう言った。



あたしはコートを着てそりにのっかった。

マフラーと手袋と毛糸の帽子と長靴で重装備したナオキ君とお兄ちゃんが、

「しゅっぱーつ!」

ってそりを引っ張り始めた。

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