小説『ちっぽけなバンドの物語』
作者:Dissonance★()

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「とりあえず練習するか」
ライブは来週の日曜日。
いい緊張感でドラムも今まで以上に楽しい。

夜、雄大の家に3人集まって飯を食った。
海斗のモチベーションもぐんぐん上がっていた。
「客にダイブしてえな」
「対バンは皆ロックとかバラード系だぜ。そんなノる客はいないと考えろ」
「完璧アウェイっすね」
ライブを知らない海斗と龍児。
「まあ、関係ねえよ。ライブに慣れるためと思え」

気づいたら11時を過ぎていた。
龍児は雄大の家を後にし、のんびり歩いて帰った。
雄大の家は駅から徒歩5分。
そこからぐんぐん町から離れ、30分ちょいで龍児の家。
だいぶ古い一軒家。

軒下から隠している鍵を取り家に入った。
母親は風呂に入ってるようだ。

部屋でホームページを開くとBBSにライブの誘いが2つあった。
大工から近い女子高の女バンドと隣町のメロコアバンド。
ライブの設定やらそっち関係は全部雄大に任せっきりだ。
これからいっぱいライブできそうだな。

「龍児、お風呂いいよ」
ドアの向こうから母親の声。
「あ、わかった」
俺は携帯を充電器に挿し、風呂に向かった。

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