小説『ちっぽけなバンドの物語』
作者:Dissonance★()

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「白石さん、今日はお誘いありがとうございます」
「おう、そんなことよりいいドラムとベースを見つけたもんだな」
海斗と龍児はペコッと頭を下げた。
「ベースは小学校からの友達でして、ドラムはベースが見つけてきたんです」
「ベースの下田海斗です、今日はありがとうございます」
海斗はすぐにあいさつをした。
「ドラムの森平龍児です」
つられて龍児もあいさつをする。
「しばらくライブやってないんですが最近はどうですか?」
「ぱっとしないバンドばかりだよ、この町は。お前らみたい活きのいいのは久しぶりだな」
「そうですか」
「やりづらい雰囲気かもしれんがライブという経験にしてくれ」
白石さんはじゃ、と手を挙げ奥へ入っていった。

OPEN時間。
ぽろぽろと道路で待機していた人たちがライブハウスに入っていく。
達也たちもその列に入っていた。
「おう、龍児。緊張してんのか?」
「当たり前だろ。手汗ビッショリだよ」
「そっか、ま、がんばれよ」
達也たちもライブハウスに入っていった。
雄大が呼んだ人たちも来ていた。

客の割合は高校生以下が3割、社会人が7割ほどだった。
StripeTigerとSHAKE BABYはこの町ではそれなりに人気があるようだ。
ぱっと見た感じ80人ほど。
前は雄大の友達が占拠していた。
ざわついた部屋の明かりが消える。
ざわめきが大きくなる。
3人はステージ脇から姿を現した。

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