小説『ちっぽけなバンドの物語』
作者:Dissonance★()

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次にこのライブにBBSで誘ってくれたアップルライスが出てきた。
さっきも言ったように、このバンドは人気があるようだ。
積極的にライブを主催し、交流の輪を広げているらしい。
ドラムの人はシンバルを一式交換していた。
PAiSTEの2002シリーズ。
音色は暖かくクリアに抜け、小さなスティックワークに敏速に鋭く反応する。
プロで使用している人も多々見かける。

演奏が始まった。
ギターの独創的なリフから畳み掛けるようなスラッシュビート。
フィルからハーフビートに移る。
疾走感はしっかり維持している。
無駄な動きは少ないが、アタックは強く、連打も迫力がある。
この後に自分がやらないといけないのか。
龍児は一気に緊張感に襲われた。

演奏を途中で切り、片づけを始める。
ツインペダルはdw5000と見えた。
龍児はそこであわててツインペダルを組み立て始めた。
「次、Junkersさんお願いしまーす」

シンバルはライブハウスの備品であるSABIANのB8シリーズ。
スネア位置を調整し、シンバルの位置を少しずらす。
そうしている間に弦楽器の音がなりだした。
海斗はいつもどおり柔らかく聴き心地のいい音を出していた。
雄大も激しいストロークからミュート、ハーモニスクと粒のしっかりしている確実な音を奏でた。
龍児はバスを踏んでみる。
ドスッと、響き渡った。
スティックが少し金物にあたっただけどスピーカーから音が漏れる。
「じゃドラム適当に何か叩いてください」

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